「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言は存在しない  —―18のみ言引用の〝虚偽を暴く〟

     注、真の父母様のみ言、および家庭連合側が発表した内容は「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 教理研究院はUCI(いわゆる「郭グループ」)側が広める金鍾奭著『統一教会の分裂』に対し、今まで発表した反論文で、この書籍の内容が真のお父様のみ言の改竄や意図的とも言える誤訳、文脈を無視したみ言引用などによる〝虚偽のストーリー〟であることを暴露してきました。
 『統一教会の分裂』は「韓鶴子の不従順」(245ページ)を〝裏付ける〟真のお父様のみ言であるとして18のみ言を引用しており、それらのみ言が「創始者(注、真のお父様)が韓鶴子に対する残念な感情や、統一原理に対する未成熟、家庭に対する責任など」(同)に言及したものであり、「創始者を不信する韓鶴子の態度」(同)について述べているものだとします。
 しかし、『統一教会の分裂』が挙げた18のみ言を検証すると、ことごとく〝虚偽〟に基づいた主張です。すでに18のうち5つのみ言に対し〝虚偽〟を暴露しましたが、今回は、さらに新たに3つのみ言について、その〝虚偽〟を明らかにします。

(1)2002年1月23日のみ言の〝虚偽解釈〟

  ①今後、越えるべき「二つの峠」について語られたみ言
 『統一教会の分裂』は246ページで、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しているとして、2002年1月23日のみ言を引用して次のように述べます。

 「今、一番残ったものは何でしょうか。経済問題です。お金の問題、その次に息子の問題です。お母さんが経済問題、世界を失い、息子を失ったでしょう。そこに引っかかったのです。新郎、夫、アダムを追い出して最後の位置に行くと、その問題に引っかかります。お金の問題、息子の問題!自分のお金を別に用意するというのです、息子の為に。ダメです。それが問題になるのです。お母さんが今行くべき道を私は全て教えてあげるのです。今、天一国になったので教えてもかまいません。お金、物質と息子を中心にお父さんから放れるのか。それを捨ててでもお父さんに従って行くのか。どうすればいいですか。どうしなければなりませんか。「お父様について行かなければなりません」お父さんに従って行かなければなりません。お金が問題ではありません。息子が問題ではありません。お母さんの責任が何かというと、それです。お金を主管して、息子を主管して夫の前に捧げなければなりません」(マルスム選集367-264)

 『統一教会の分裂』は、上記の内容が「不信する韓鶴子の態度」を裏付けるみ言であると述べます。しかし、これは〝虚偽の解釈・主張〟です。『統一教会の分裂』は、引用した上記のみ言の直前の部分を隠蔽し、意味を改竄しています。
 真のお父様は、直前で次のように語っておられます。

 「蕩減時代には父母様が難しいことを一人(真のお父様)で直面するのであって、……お母様も今は知らないのです、先生が先頭に立って何をしているのか。それを教えてあげると、苦痛を一緒に受けなければならないでしょう? いつもそのように考えてはいけないのです。最後には、自分が同参しなければなりません。先生が責任を負ったのは、世界的ですが、先生がいなくなるときには、お母様が責任を負わなければならないのです。……だから絶対に引っかかるなというのです。……今からは二つの峠しか残っていないのです。それをお母様は(今は)知りません。それが何であるか知らないのです。今、一番残ったものは何でしょうか。経済問題です。お金の問題、その次に息子の問題です(マルスム選集367-263~264、翻訳は教理研究院)

 『統一教会の分裂』は、上述のみ言に対し茶色の部分から引用を始めています。その隠蔽した前の部分で、真のお父様は「先頭に立って何をしているのか」を、真のお母様に教えるならば、真のお母様が「苦痛を一緒に受けなければならない」ために、「蕩減時代には父母様が難しいことを一人(真のお父様)で直面しながら解決してきたと語っておられます。これは、真のお父様の愛のみ言です。そして「最後には、……お母様が責任を負わなければならない……二つの峠があり、それが何であるのかを「お母様は(今は)知りません」と語っておられます。
 そのみ言の後に、『統一教会の分裂』が引用した「今、一番残ったものは何でしょうか……」が続いているのです。このみ言は、真のお母様が今後、越えて勝利しなければならない「二つの峠」について説明しているみ言です。その「二つの峠」とは、「お金の問題、息子の問題」であるというのです。すなわち、克服すべき経済問題があり、整理しなければならない息子の問題が残っているというのです。真のお父様は、先生がいなくなるときには、お母様が責任を負わなければならないため、この「二つの峠」について触れておられるのです。
 このみ言は、真のお父様の聖和後、真のお母様が直面するであろう問題について前もって教えておられた預言のみ言であると言えます。
 ところが、『統一教会の分裂』は「創始者を不信する韓鶴子の態度」という〝虚偽のストーリー〟を描くために、直前の部分を意図的に削除しています。
 また、お父様はそのみ言の後の部分で、次のように語っておられます。

 お母さんが今行くべき道を私は全て教えてあげるのです。今、天一国になったので教えてもかまいません。お金、物質と息子を中心にお父さんから放れるのか。それを捨ててでもお父さんに従って行くのか。どうすればいいですか。どうしなければなりませんか。「お父様について行かなければなりません」お父さんに従って行かなければなりません。お金が問題ではありません。息子が問題ではありません。お母さんの責任が何かというと、それです。お金を主管して、息子を主管して夫の前に捧げなければなりません。ところが、この世の女性たちはお金を全て持って…。(録音がしばらく中断される)(マルスム選集367-264、「茶色の字」は『統一教会の分裂』からの引用。「青い字」は教理研究院の翻訳)

 真のお父様は、今後、真のお母様が越えていくべき「二つの峠」「お金を主管して、息子を主管して夫の前に」捧げることであると語っておられます。ここで、真のお父様が「ところが、この世の女性たちはお金を全て持って…」と語っておられるように、「この世の女性たち」の場合には「お金、物質と息子を中心にお父さんから放れる」というのです。しかし、真のお母様は、そのような問題に対し「絶対に引っかかる」ことなく、真のお父様と一つとなって勝利しなければならないと述べておられるのが、このみ言の意味なのです。ところが、『統一教会の分裂』は重要な前後の部分を隠蔽することで、意味を改竄しています。
 『統一教会の分裂』が上述のみ言を「韓鶴子の不従順」を裏付けるものであると述べるのは‶虚偽の主張〟です。このみ言は「韓鶴子の不従順」とは全く関係のないものです。

 「二つの峠」を越えるための〝母の責任〟を果たされたお母様
 2002年1月23日、真のお父様は「二つの峠」について、前述したように、次のように語っておられます。

 「最後には、自分(真のお母様)が同参しなければなりません。先生が責任を負ったのは、世界的ですが、先生がいなくなるときには、お母様が責任を負わなければならないのです。……お母様の責任が何かというと、それです。お金を主管し、息子(二世)を主管して夫(天)の前に捧げなければなりません」(マルスム選集367-263~264)

 真のお父様が先生がいなくなるときには、お母様が責任を負わなければならない」と語られたように、真のお母様は、真のお父様の聖和後、「最後には、自分(真のお母様)が同参」して勝利しなければなりません。それは「二つの峠」を越えていくことだというのです。すなわちお金を主管し、息子を主管して夫(天)の前に捧げることです。
 2013年天暦1月13日、真のお父様はその日を「基元節」すなわち、実体的天一国の出発であり、起源となる日と定められ、死生決断・全力投球の歩みをされました。そのような中、2012年天暦7月17日(陽9月3日)にお父様が聖和されましたが、真のお母様は真のお父様のご意向を受け継がれ、「基元節」勝利のために歩まれました。
 2012年9月17日に「『基元節』勝利のための統一教会世界指導者特別集会」が開催され、次のように語っておられます。

 「真のお父様は今、霊界で私たちといつも共にいらっしゃいます。ただ無形でいらっしゃるだけであり、一瞬たりとも私たちの傍らを離れることはないでしょう。今私たちに何を望んでいらっしゃるでしょうか。正に中断のない前進です」(『平和經』352ページ)

 真のお母様は、2013年天暦1月13日、「基元節」勝利のために「中断のない前進」を宣布されました。
 また、2012年9月30日に次のように語っておられます。

 「私たちは二世を天の前に捧げることができませんでした。これは誰の責任でしょうか。父母として、この時代の責任を負った者として恥ずかしいことです。
 ですから、私はお父様に了解を求めました。お父様がお乗りになっていたヘリコプターを売る計画です。私が使わなければ、誰も使う人がいません。……ですから、お父様に報告したのです。私はこれを売って、後代のための指導者を養成し、二世を養育する目的の奨学金として全世界的に使おうと思うと申し上げました。すると、『オンマの思うとおりにしなさい』とおっしゃいました」(『韓鶴子総裁御言選集1・真の父母様を中心とした一つの世界』212ページ、成和出版社)

 真のお母様は、二世を天の前に捧げることができませんでした。……二世を養育する目的の奨学金として全世界的に使おう」と二世教育を決心され、「お父様がお乗りになっていたヘリコプターを売る計画」を真のお父様に報告され、「オンマの思うとおりにしなさい」とお父様の了承を頂いたと語られました。
 さらに、2013年2月20日、「圓母平愛財団」出帆式で次のように語っておられます。

 「私は『圓母平愛財団』をより一層大きく発展させるでしょう。その第一次として、お父様の聖和基金の全額を資金として入れました。ヘリコプターが売却できれば、それも資金にするつもりです」(『韓鶴子総裁御言選集3・天一国と私たちの使命』126ページ、成和出版社)

 真のお母様は、「圓母平愛財団」を出帆するにあたり、「お父様の聖和基金の全額を資金」に投入され、「ヘリコプターが売却できれば、それも資金」にすると語られました。すなわち「お金を主管し、息子(二世)を主管して」天の前にすべてを捧げる歩みをされたのです。
 2002年1月23日、真のお父様が先生がいなくなるときには、お母様が責任を負わなければならないのです。……お母様の責任が何かというと、それです。お金を主管し息子(二世)を主管して夫の前に捧げなければなりません」と語っておられた、この「二つの峠」を越えるための〝母としての責任〟を果たされ、2013年天暦1月13日、真の父母様は「基元節」を勝利していかれたことを知らなければなりません。

(2)2004年1月26日のみ言―お父様は「残念な感情」を表出されてなどいない

 『統一教会の分裂』は、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しておられるみ言であるとして、2004年1月26日のみ言を引用します。

 「ここにお母さんもおられますが、先生がこれからはお母さんとは別れて、再び結婚の準備をしなければならないというのです。そうです。今まで世間に染まっています。そうだからと言って、他の人の家庭とするというのではありません。愛し続けることができないというのです。きれいに清算して、再び愛さなければならないというのです」(マルスム選集433‐139、『統一教会の分裂』246~247ページ)

 『統一教会の分裂』はこのみ言を「先生がこれからはお母さんとは別れて、再び結婚の準備をしなければならない」と翻訳しますが、これは意図的な〝誤訳〟です。正しくは「先生がこれからはお母様と分かれて、再び結婚の準備をしなければならない」になります。「離婚」を意味する「別れて」と翻訳することはできません。この〝誤訳〟は「創始者が韓鶴子に対する残念な感情」を持っていると読者を誤導するために、あえて「別れて」と翻訳しているものです。これは、〝聖別〟を意味する「分かれる」と訳すべきものです。
 真のお父様は、次のように語っておられます。

 「神様の祖国と平和王国時代を宣布したその上に存在する前には、神様の祖国の所有物になれる、なれない?(「なれません!」)それを考えなければなりません。だから、待つのは天一国12年までです(マルスム選集433‐137、2004年1月26日。翻訳は教理研究院)

 真のお父様は、2013年天暦1月13日を「天一国」の起源となる日、すなわち「基元節」として定められ、その日には3度目の完成的「真の父母様の結婚式」(『トゥデイズ・ワールドジャパン』2011年天暦9月号、13ページ)を執り行うと語られました。
 2004年1月26日、「先生がこれからはお母様と分かれて、再び結婚の準備をされると語られたその意味は、2013年天暦1月13日に行う予定の3度目の完成的「真の父母様の結婚式」のことです。それで、真のお父様は待つのは天一国12年までと語られたのです。
 したがって、『統一教会の分裂』が「先生がこれからはお母さんとは別れてと訳すのは誤りであり、悪意のある〝誤訳〟です。
 また、「今まで世間に染まっています」と語られたみ言の意味するものは、真のお母様のことではなく、祝福家庭のことを語っているものです。真のお父様は2004年1月26日の同じみ言で次のように語っておられます。

 「皆さんの血族という父母やすべては野生のオリーブの木なのです。……真の父母を先生が間違いなく宣布したからには、真の父母を知る限り、この世の自分の父母、この世の一族、この世の国、この世のすべてのものは(そのままでは)私と関係を結ぶことができないのです。なぜですか? 彼らは真の父母と関係がないからです! 関係があるようにするには、神様の愛の怨讐である姦夫の血統を受けた後継者であるので、これを完全否定しなければなりません。そうでなければ、神様の祖国と平和王国時代に生きる存在になれないのです。……皆さんが同じ家でそのような(野生のオリーブの木である)母を持っており、父を持っており、兄弟を持っているというのはありえない事実だということを知らなければなりません。
 今年にはこのことを整備しなければならないのです。同じ部屋で一緒に彼らと息を吸いご飯を食べているのです。それを清算してしまわなければなりません。泣こうが、何をしようが、切って接ぎ木しなければならないのです(マルスム選集433−129~131)

 真のお父様は、「真の父母と関係がない」祝福家庭の両親や兄弟などと「同じ部屋で一緒に彼らと息を吸いご飯を食べている」ことを指摘され、「今年にはこのことを整備しなければならない」と語られました。すなわち、祝福家庭が、その氏族圏を祝福することで真の父母に「接ぎ木しなければならない」と言われたのです。
 『統一教会の分裂』が「今まで世間に染まっています」と引用したみ言は、祝福家庭に対して、「真の父母と関係がない」両親や兄弟「神様の愛の怨讐である姦夫の血統を受けた後継者」であるために、これを「完全否定」しなければならないと語られたものです。
 また、「きれいに清算して、再び愛さなければならない」と語られた意味も、祝福家庭の両親や兄弟を、真の父母様に「接ぎ木しなければならない」、すなわち祝福を通して「神様の愛の怨讐である姦夫の血統」を清算し、互いに愛し合う「神様の祖国と平和王国時代に生きる存在」となりなさいという意味なのです。
 ところが、『統一教会の分裂』は「韓鶴子の不従順」な姿を何とかして描こうと、み言を隠蔽し、真のお父様の語っておられる真意を歪めて“虚偽の主張”をしているのです。
 2004年1月1日の「真の神の日」で、真のお父様は次のように語っておられます。

 「お兄さん、お姉さんのカイン世界が残っているので、『特別聖塩と聖酒』を使って、それを浄化させなければならない責任があり、統班撃破完了をしなければならないのです。それが特別責任です。……『特別聖塩』と『特別聖酒』を使って祝福し、カイン、アベル圏をつくってこそ、神の祖国の上に立つことができる氏族、民族、国家が形成されるのです」(『ファミリー』2004年2月号、60ページ)

 真の父母様のこのみ言は、祝福家庭が果たすべき「特別責任」について語られたものです。それは、祝福家庭が氏族圏を祝福し、カイン世界を「浄化させなければならない責任」があるというものです。氏族圏を祝福することで「神の祖国の上に立つことができる氏族、民族、国家」が形成されるのです。
 また、真のお父様は2004年1月26日に次のように語っておられます。

 先生がこれからはお母さんとは別れて、再び結婚の準備をしなければならないというのです。そうです。今まで世間に染まっています。そうだからと言って、他の人の家庭とするというのではありません。愛し続けることができないというのです。きれいに清算して、再び愛さなければならないというのです。それで、統一教会の教会員たちも、先生を最も恋い慕い、先生の後ろだけ従っていき、世間の男性を否定したのですが、今からはそのように先生だけ考えていたのを、先生を否定して、天の国の娘になったり、息子になったりして、その男性たちをもっと愛さなければならない、というのです。
 自分を産んでくれた母、父を本当に愛しなさいというのです」(マルスム選集433-139)

 真のお父様は、統一教会の教会員が、今まで「先生の後ろだけ従っていき、世間の男性を否定」してきたが、今からは「先生だけ考えていた」のを否定し、「自分を産んでくれた母、父を本当に愛しなさい」と語られました。これは、2004年1月1日、「真の神の日」に真のお父様が語られた祝福家庭の「特別責任」の内容であり、自分の両親や親族を祝福結婚へと導いて「神様の祖国と平和王国時代に生きる存在」になりなさいという意味なのです。
 『統一教会の分裂』が引用した2004年1月26日のみ言には、真のお父様の「韓鶴子の不従順」に対する「残念な感情」など一切含まれておらず、これは祝福家庭が「自分を産んでくれた母、父を本当に愛し」て氏族圏を祝福することで、「神様の祖国と平和王国時代に生きる存在」となって欲しいという切実な思いで語っておられるみ言です。
 ところが、『統一教会の分裂』は、真のお母様をおとしめようと、前後のみ言を隠蔽し、その意味を改竄しているのです。

(3)2004年8月31日のみ言―「不信する韓鶴子の態度」は存在しない

 『統一教会の分裂』は、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対して苦心しておられるみ言であるとして、2004年8月31日のみ言を次のように引用します。

 「今も私がお母さんに、お金の全権を与えました。……そうだからと言って、お母さんの好き勝手に使っていいのではありません。天に報告し、父母様の承諾を得て使うべきであり、お母さんが勝手に使っては引っかかるのです。お母さんはよく理解しなさい」(247ページ)

 『統一教会の分裂』は上記のみ言を「不信する韓鶴子の態度」に言及したみ言であると述べます。しかし、これも〝虚偽の主張〟です。
 まず、『統一教会の分裂』が引用したみ言には、「……」で省略した部分がありますが、これは重要な部分を隠蔽するためです。以下、「……」の部分を青い文字で引用します。

 「今も私がお母さんに、お金の全権を与えました。献金が入ってくれば、お母様が受けるのであって、私が受けません。そうだからと言って、お母さんの好き勝手に使っていいのではありません。天に報告し、父母様の承諾を得て使うべきであり、お母さんが勝手に使っては引っかかるのです。お母さんはよく理解しなさい」(マルスム選集466-246、2004年8月31日)

 『統一教会の分裂』は「献金が入ってくれば、お母様が受けるのであって、私が受けません」という部分を意図的に削除して、「お金の全権」に対する具体的な内容を隠蔽しています。真のお父様は、「献金が入ってくれば、お母様が受ける」という「お金の全権」を真のお母様に与えたと語っておられます。『統一教会の分裂』が引用したみ言は、重要な前提となる部分が削除されているのです。
 さらに、真のお父様は、このみ言の直前の部分で次のように語っておられます。

 「今回、総生畜献納をしなさいというのに、皆がすべて躊躇しています。……世界の女性たちの貯金通帳をみんな集めて世界銀行をするようになれば、経済圏が完全に統一されてしまうのです。エバ(女性)によって失ったために、エバ(女性)によって取り戻さなければならないのです。今も私がお母さんに、お金の全権を与えました。献金が入ってくれば、お母様が受けるのであって、私が受けません」(マルスム選集466-246)

 このように、真のお父様は「総生畜献納」による「献金が入ってくればお母様が受ける」と語られました。また、「エバ(女性)によって失ったために、エバ(女性)によって取り戻さなければならない」ために、お母様に「お金の全権」与えておられるというのです。
 ところが、『統一教会の分裂』は、み言の前後を削除し、隠蔽しています。
 また、お父様は、続けて次のようにも語っておられます。

 「天に報告し、父母様の承諾を得て使うべきであり、お母さんが勝手に使っては引っかかるのです。お母さんはよく理解しなさい。一銭であってもすべて記録を残して、どこに使ったのかを説明しなければならないのです。こうして国を取り戻した後に、世界を取り戻した後に、金銭も管理できる全権時代が先生に渡ってくるのです」(マルスム選集466-246~247)

 真のお父様は、「一銭であってもすべて記録を残して、どこに使ったのかを説明しなければならない」と語っておられるように、「献金が入ってくれば、お母様」が受け取り、「一銭であってもすべて記録」を残して「どこに使ったのかを説明しなければならない」のであり、そのことを「お母さんはよく理解しなさい」と指導しておられます。
 にもかかわらず、『統一教会の分裂』は、真のお母様がお金を「勝手に使って」いるかのようにみ言を引用し、「不信する韓鶴子の態度」という〝虚偽のストーリー〟を作り上げるため、重要部分を隠蔽しているのです。

 以上のように、『統一教会の分裂』は、2002年1月23日、2004年1月26日、同年8月31日の3つのみ言を引用し、それらが「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると主張しますが、それらを検証すると、ことごとくみ言の前後の部分を隠蔽し、自分たちの主張に合致するよう〝詐欺的〟引用をしているのです。さらに、恣意的な解釈によって、み言の意味をも改竄しているのです。
 私たちはこのような〝虚偽の解釈・主張〟に惑わされてはなりません。真の父母様のみ言を純白な心で正しく理解し、天の父母様と真の父母様の心情、事情、願いと一つとなって神氏族メシヤ勝利のために、「中断のない前進」をしていかなければなりません。