「祝福権限の移譲」に対する〝虚偽〟をかたる郭錠煥氏の悪意――郭錠煥氏のインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)の〝虚偽〟をあばく・その2

文責:教理研究院

                                 注、真の父母様のみ言および『原理講論』は「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 「文顯進様を支持する有志の会」は「ONE TRUTH有志の会」というブログで、郭錠煥氏のインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)を掲載して各方面に拡散しています(2020年9月1日現在、6つの映像を掲載)。郭錠煥氏のみ言引用は不正確であり、み言の恣意的解釈が散見します。
 郭錠煥氏のインタビューの内容は、2019年3月2日に出版された郭錠煥著『事必帰正』(日本語版)と類似するもので、真のお母様が真のお父様の意向に反して陰謀を企て、三男の顯進様を統一家の組織から追い出したという、いわゆる「真のお母様陰謀論」に基づくものです。これはUCIを支持する人々が広めてきた金鍾奭著『統一教会の分裂』と軌を一にするものであり、〝虚偽のストーリー〟にほかなりません。

 すでに教理研究院は、UCIおよびFPA〈家庭平和協会〉(いわゆる「郭グループ」)を支持する人々がかたる〝虚偽の主張〟に対し、彼らの真のお父様のみ言改ざんを指摘しながら、真のお父様のみ言と原理に基づいて反論してきました。その集大成として、2019年8月10日に『虚偽に満ちた金鍾奭著「統一教会の分裂」――軌を一にする郭錠煥著「事必帰正」』(光言社)を出版しました(以下、『虚偽に満ちた』という)。

 郭錠煥氏の書籍は、真のお父様のみ言の根拠をほとんど示さず、自身の自叙伝のような体裁で書いているため、その〝虚偽性〟を見破るのは簡単なことではありません。しかし、『虚偽に満ちた』の巻末に掲載したUCI側の〝虚偽の主張〟と「原理のみ言」の比較対照一覧表【今回は「祝福権限の移譲」に関する部分を文末に掲載】を見れば、金鍾奭氏の『統一教会の分裂』と郭錠煥氏の『事必帰正』の書籍の内容がいかに〝虚偽の主張〟において軌を一にするものであり、かつ真のお父様のみ言と食い違っているのかを理解することができます。郭錠煥氏が述べる〝虚偽の言説〟は、すでに『虚偽に満ちた』で論破されており、この書籍の内容こそが二つとない「一つの真実」です。
 今回は、郭錠煥氏のインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)の第6編「彼らはなぜ顯進様を排斥したのか?」の内容に対し、お父様のみ言からその誤りを指摘します。

(1)「祝福権限の移譲」に対する歪曲したみ言解釈
 郭錠煥氏はインタビュー第6篇で、2000年9月24日に行われた「祝福移譲宣布式」について、次のように述べます。

 「韓国の清平で2000年に祝福家庭が数千名集まる中で、お父様は歴史的な『祝福権移譲宣布』をされたのです。祝福権とは何でしょうか。それは救世主・真の父母が持つ特権中の特権が祝福権です。その祝福権をお父様が息子に委譲するという宣布を2000年にされました。霊界ではその多くの霊人たちに対する祝福権は興進様に任せられ、その祝福の大権について、これから地上の人々に対する祝福権は顯進様に任せると宣布されました。数千名の祝福家庭が清平に集まった時、その途方もない真の父母様の固有特権である祝福権を、霊界は興進様、地上は顯進様にお任せになったということは、そこに参加していた指導者でなくても、祝福家庭の立場から見ても、お父様の顯進様に対する信任と未来に対する期待がこれほど大きいのか感じても余りあるものだと思います」(映像11:56~13:36)

 郭錠煥氏は、「韓国の清平で……お父様は歴史的な『祝福権移譲宣布』をされ……祝福権をお父様が息子に委譲するという宣布を2000年にされ……霊人たちに対する祝福権は興進様に任せられ、……地上の人々に対する祝福権は顯進様に任せると宣布」されたのだと主張します。
 しかしながら、教理研究院は、この主張がみ言の恣意的な解釈であることを、すでに『虚偽に満ちた』で明らかにしています。
 以下、長文になりますが、その内容を『虚偽に満ちた』から引用します。

 「UCI側の人物は、『お父様が祝福の権限を相続して下さった「息子」』とは『顯進様』であると述べます。その根拠として以下のみ言を引用します。

 『平面の場において、お父様の前に息子を立たせて祝福しようと、お父様が天上世界、霊界の息子の所に行って祝福しようと、同じ価値のものとして、統一された祝福家庭の意味をもたせるために、お父様が息子に祝福の権限を相続してあげるのだということを知らなければなりません』(八大教材・教本『天聖經』1392ページ、三時代大転換一体圏統一祝福式。注、改訂第二版では1394ページ)
 『この祝福を、天地の平面基準で同等な価値を伝授するからには、真の父母が行ったすべてのことを長男である興進君が行うことができ、興進君が行うからには弟である顯進君も行うことができる、そのような時代になったのです』(2000年9月24日の祝福移譲宣布式。注、これは『主要儀式と宣布式Ⅳ』日本語版480ページからの引用)

 上記の二つのみ言を根拠に、UCI側の人物は、顯進様に『お父様が祝福の権限を相続して下さった』と述べます。
 UCI側が根拠とするこの二つのみ言は、2000年9月24日、天宙清平修錬苑(現・HJ天宙天寶修錬苑)で行われた『祝福移譲宣布式』のみ言です。彼らが抜粋したみ言を読むと、『お父様が息子に祝福の権限を相続してあげるのだ』と語られ、『長男である興進君が行うことができ、興進君が行うからには弟である顯進君も行うことができる、そのような時代になった』、それゆえ2000年9月24日の『祝福移譲宣布式』で『お父様が祝福の権限を相続して下さった「息子」』とは、『顯進様』であるというのです。しかし、それは誤りです。
 彼らが引用したみ言の部分だけをもってしては、〝祝福の権限〟に関して正しく理解するには不十分です。これを正しく理解するには、『祝福移譲宣布式』とは何だったのか? 真のお父様は『祝福の権限』を誰に対して移譲しておられたのかを、み言で直接確認しておかなければなりません。
 『主要儀式と宣布式Ⅳ』(成和出版社)にそのみ言が収録されています。UCI側を支持する人物は、このみ言集の480ページから、ある一部のみ言だけを引用していますので、彼らが引用していない部分を含めて以下、引用します。

 『2000年9月24日、午前11時30分、韓国の天宙清平修錬苑にある天城旺臨宮殿にて、第一次「三時代大転換四位基台入籍統一祝福式」に参加するために修練中であった約四千名が参加する中、天上の興進様に真の父母様の祝福権を移譲する「祝福移譲宣布式」を挙行なさった』(471ページ、序文)
 『今後、祝福は、地上で先生がしてあげなくてもかまいません。お父様がしてあげなくてもかまわないのです。兄さんたちがたくさんいるので、お父様が老いて死んだとしても、兄さんたちが祝福してあげられるのです。それと同じように、お父様の祝福を今後長子圏の立場にある興進君が 、地上でも祝福を行うことができ、霊界でも行うことができるのです。
 お父様も、地上でも祝福してあげることができ、霊界でも祝福してあげることができるのと同じように、同等な価値を一体化させるために、地上のお父様が霊界の息子の前に伝授式をしてあげるのです。霊界にいる息子は、父の家に思いどおりに行くことができ、地上の真の父母も父の家に思いどおりに行くことができるのです。……
 真の父母が真の父母の立場を完成したということは、息子の立場の完成にもなるのです。霊界に行こうが、地上に行こうが、同じ価値的内容を伝授、一体化させる役事をするのです。真の父母が霊界の長子である興進君を呼んで、このように祝福を受けた家庭を立てて共に統一的宣言をすることによって、先生が祝福してあげず、今後、興進君が祝福するのですが……。興進君がいなくなれば、顯進君がお父様の代わりに祝福をしてあげることができる時代に入るのです』(474~476ページ)
 『先生が伝授式祝福をしてあげなければなりません。先生が行った権限、また興進君が行った権限、弟が行うことのできる権限もすべて興進君を通じて……、神様の許しを得て、真の父母の許しを得ることによって』(478ページ)

 『祝福移譲宣布式』とは、『主要儀式と宣布式Ⅳ』の序文にあるように、あくまでも『天上の興進様に真の父母様の祝福権を移譲』された宣布式です。真のお父様は『お父様が老いて死んだとしても、兄さんたちが祝福してあげられる』と語っておられるのであって、顯進様に〝祝福権を移譲した〟とは語っておられず、むしろ『兄さんたち』という複数形で語っておられることに注目しなければなりません。しかも、『今後、興進君が祝福するのですが……興進君がいなくなれば、顯進君がお父様の代わりに祝福をしてあげることができる』と述べておられます。ここで興進君がいなくなればそのとき『顯進君が……』と語っておられ、顯進様に対する祝福権の移譲については、まだ起こっていないことであり、しかも〝条件付き〟で述べておられます。
 したがって、顯進様に対して、すでに『祝福権が移譲されたのだ』と考えて主張するのは思い込み、早とちりであり、正しいみ言理解ではありません。
 そればかりか、『先生が行った権限、また興進君が行った権限、弟が行うことのできる権限もすべて興進君を通じて……、神様の許しを得て、真の父母の許しを得ることによって』と語っておられる内容から見れば、顯進様への祝福権の移譲は、どこまでも『興進君を通じて、神様の許しを得て、真の父母の許しを得ること』によってなされるというのが大前提であることが分かります。
 したがって、『神様の許しを得て、真の父母の許しを得ること』という手続きをしないまま、顯進様が『2015年6月に米国シアトルで祝福結婚式を主管した』(金鍾奭著『統一教会の分裂』66ページ)という祝福は、『弟(顯進様)が行うことのできる権限』自体がなく、誤ったものであり、無効です。
 真のお父様が、平和メッセージで『天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けることが、正に真のオリーブの木に接ぎ木される恩賜です。……真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし……真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました』(『平和神經』34~40 ページ)と語っておられるように、真の父母様の〝許諾〟を得ない祝福式と称する儀式は意味のない儀式であり、〝無効〟であるという事実を知らなければなりません」(『虚偽に満ちた』82~86ページ)

(2)「天一国創建のための特別祝福式」は偽りの祝福式
①真の血統を人類に与え得る権限を持つのは、真の父母様のみ
 UCIは2019年8月18日に「天一国創建のための特別祝福式」なる儀式を行いました(以下、「特別祝福式」という)。しかしながら、UCIが行った「特別祝福式」は、真の父母様の〝許諾〟を得ていない祝福式と称する儀式であり、偽りの祝福式に他なりません。
 すでに教理研究院は、その「特別祝福式」の誤りついて、「真の父母様宣布文サイト」に掲載した反論文「UCI(いわゆる「郭グループ」)による『特別祝福式』」の誤り――「文顯進様を支持する有志の会」の批判に応える」(https://trueparents.jp/?page_id=5389)で、指摘しています。
 以下、当サイト掲載文から、その主な内容を抜粋します。

 UCIは2019年8月18日に「特別祝福式」と称する儀式を行いましたが、それについて次のように述べています。

 「今回の祝福式とは即ち、神の愛と生命の血統の根源(生命の木)である真の家庭……にもう一度つながることを意味する」

 UCIは、彼ら独自のこの儀式を「神の愛と生命の血統の根源(生命の木)である真の家庭……にもう一度つながる」ための「特別祝福式」であると説明します。
 しかし、『原理講論』や『平和神經』には、次のように記されています。

 「堕落人間が、生命の木となるためには……創造理想を完成した一人の男性が、この地上に生命の木として来られ、すべての人をして彼に接がしめ、一つになるようにしなければならない。このような生命の木として来たり給うたお方が、すなわちイエス(メシヤ)であった(『原理講論』95ページ)
 「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けることが、正に真のオリーブの木に接ぎ木される恩賜です。……真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし……真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました」(『平和神經』34~40ページ)

 『原理講論』は、エデンの園には「生命の木」「善悪を知る木」があり、それぞれ創造理想を完成した男性と女性、すなわち「完成したアダムとエバ」であると論じています。
 さらに、真のお父様は『平和神經』で、真の父母様こそが「真のオリーブの木」であると述べておられます。そして、「真の父母様が許諾された聖酒式を通してでなければ「血統転換」ができないのです。
 以上を見ても、生命の木としての「真の家庭」とは、顯進様家庭のことではなく、真の父母様のことであることは明らかです。
 したがって、祝福式とは、真のオリーブの木である「真の父母様」に接ぎ木されることで成されることをはっきりと知らなければなりません。
 ところが、「顯進様を支持する有志の会」は「『生命の木』が『真の家庭』(=顯進様家庭)であり、我々はその『真の家庭』に接ぎ木されなければならない」と主張します。その根拠として下記のみ言を引用しています。

 「私はきょう、人類の最初の真の家庭の完成を皆様の前で宣布することができたことを、無上の光栄と思います。……私たちは家庭的次元で、聖書で述べている生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立しました。皆様も真の家庭の血統に象徴的に接ぎ木されて、共に理想国家と理想世界建設のために先頭に立ちましょう! これが正に、成約時代の開幕を意味します」(『青年の希望』252ページ)

 上記のみ言は、真のお母様が1993年9月14日に東京ドームで「世界平和女性連合」の創立1周年記念大会において語られたものです。真のお母様は講演文で「聖書で述べている生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立」したと語っておられます。これは、「真の父母様を中心とする三代圏の確立」の図を見れば分かるように、「生命の木の中心の根として来られた真の父母様が三代圏を確立することで、「人類の最初の真の家庭」を完成したことを意味するものです。

 また、真のお母様は同大会で「私たちは神を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源となる、真の父母の家庭を樹立することができました」(同、248ページ)とも語っておられます。すなわち、真の父母様は「神を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源である「生命の木の中心の根なのです。
 真のお父様は「祝福家庭」について、次のように語っておられます。

 「統一教会の祝福家庭は先生の基盤の上に立たなければならないのです。先生が根であれば、皆さんは幹にならなければなりません。……幹になり、枝にならなければならないのです。葉が出てこなければならず、花が咲かなければならないのです」(マルスム選集113-50)

 真のお父様は、「先生が根であれば、皆さん(祝福家庭)は幹」であると語っておられるように、真の父母様こそが「生命の木の中心の根であり、顯進様の家庭および祝福家庭は(生命の木の)中心の幹」なのです。ゆえに、『原理講論』は「堕落人間が、生命の木となる」には、「生命の木の中心の根として来られた真の父母様に接ぎ木されなければならないことを論じているのです。よって、真の父母様を中心とした三代圏を確立することが「生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立」することなのです。そこから、すべてが出発するのです。
 ところが、UCIは、「『生命の木』が『真の家庭(顯進様家庭)』」であると恣意的解釈をし、「『真の家庭(顯進様家庭)』に接ぎ木されなければならない」と述べますが、これは、〝虚偽の言説〟にほかなりません。
 真のお父様は、次のようにも語っておられます。

 血統は、父母が子女だけに与え得る特権中の特権です。……真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし……真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました」(『平和神經』39~40ページ)

 このみ言を見ても分かるように、子女の立場である顯進様は「天の真の血統」を人類に与える権限をもっていません。真のお父様は、「血統は、父母が子女だけに与え得る特権中の特権」であると語っておられます。どこまでも「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けること」こそ、天の血統に連結され「真の家庭を探し立てられる道」なのです。
 ゆえに、祝福式における「祝祷(祝福)権」を持っておられるのは真の父母様だけなのです。私たちは「祝祷(祝福)権」を持っておられる真のお父様と真のお母様から「天の血統」を相続してきたのです。
 【注、以上が当サイト掲載文からの主な抜粋】

②「真の血統の主人」とは誰なのか?
 ところで、真のお父様は「真の血統の主人」とは誰なのかについて、次のように語っておられます。

 「人間世界で、最も重要なことは真の愛、真の生命、そして真の血統です。真の愛には真の生命があり、真の血統が連結されます。真の血統が連結されなくては、真の愛が成されないのです。……永遠なる真の愛、永遠なる真の生命、永遠なる真の血統の主人であられる理想的な神様に似た人が、天の国の完全なる真の息子、娘になるのです。どうして結婚をするのでしょうか。まさしく、このような真なる血統的伝統を、過去、現在、未来に連結するためです。堕落する前、アダムとエバは神様に直接、自由に接することができたのですが、堕落したのちには(本然の血統を失ったため)、以前のように神様に接することができなくなってしまったのです」(八大教材・教本『天聖經』2043~2044ページ)

 「血統が変わったので、血統を転換しなければ、神様の国に連結され、入籍することはできないのです。血統の主人は、神様です(アダムとエバが)堕落の血統を受け継いで、盗みを働いて神様の所有権をめちゃくちゃにしたので、神様の愛で血統を連結することによって、これが整理されるのです」(八大教材・教本『天聖經』1382~1383ページ)」

 真のお父様は、「血統の主人は、神様です」と語っておられるように、「永遠なる真の愛、永遠なる真の生命、永遠なる真の血統の主人」は神様なのです。
 なぜなら、神様は第一原因であり、被造万物の根源であられるがゆえに、〝真の愛〟〝真の生命〟〝真の血統〟の根源者として存在しておられるからです。原因にないものが、結果の世界に現れることはありません。ゆえに、無形の神様の中に〝真の愛〟〝真の生命〟〝真の血統〟の根源があるのです。その無形なる神様の〝実体対象〟である人間始祖アダムとエバが、本来ならば実体の神様の立場、すなわち「永遠なる真の愛、永遠なる真の生命、永遠なる真の血統の主人であられる理想的な神様に似た人(真の父母)として完成しなければならなかったのです。それゆえ、完成したアダムとエバは、人類の真の父母であるとともに、実体を持った神様となり、同時に人類の「血統の主人」となるべきだったのです。
 真のお父様は、「堕落する前、アダムとエバは神様に直接、自由に接することができた」と語っておられるように、これはアダムとエバが神様の血統と連結されていたからです。ところが、「堕落したのちには、以前のように神様に接することができなくなってしまった」というのです。すなわち、アダムとエバが堕落することで血統が変わり、「堕落の血統」を受け継いだために、堕落人間は「血統を転換しなければ、神様の国に連結され、入籍することはできない」ようになったのです。
 また、真のお父様は、次のように語っておられます。

 「再臨主は、何をもってくるのでしょうか。神様の愛を中心とした血統の主人として来るのです。その血統によって新しい子孫を残すようになるのです。それでアダム家庭で完成したように完成された家庭となれば、その家庭は、氏族完成と国家完成の根本になるのです」(八大教材・教本『天聖經』1346ページ)
 「再臨主は、肉身をもって来られ、新たな血統関係を編成しなければなりません。……アダム家庭で完成すべき真の長子権、真の父母権、真の王権を得て、神様が主管される地上天国に転換し、天上天国への入籍をして、神様を中心とした地上・天上王権時代へと進入し、勝利と自由と幸福と統一の世界を求めて、神様の創造理想である地上天国、天上天国を迎えるのです。これが救援摂理史の原理観です」(八大教材・教本『天聖經』1382ページ)

 真のお父様は、再臨主が「神様の愛を中心とした血統の主人として来られ、「新たな血統関係を編成」されると語っておられます。「血統の主人」とは、神様であり、そしてその実体としての真の父母なのです。それゆえ、神様の血統を持ってこられた真の父母様は、今日まで「祝福結婚」を通して「天の血統」を人類に伝授してこられたのです。
 したがって、2019年8月18日に真の父母様の許諾なしに行ったUCI独自の「特別祝福式」なる儀式は、偽りの祝福式です。

 UCIは、同年8月4日(日)に独自の「聖酒式」を行いましたが、それは「真の父母様が許諾された聖酒式」ではありません。しかも、彼らが使う〝聖酒〟なるものは真の父母様が準備された〝原酒〟から厳格な原則と手順を踏んで増やされたものではありません。また、顯進様には聖酒をつくる権限すらないのです。UCIが使った〝聖酒〟なるものは、真の父母様とは無関係の〝偽りの聖酒〟です。
 もし、未婚の男女がそのような儀式に参加して家庭を持つなら、それは天の公認を受けたものではないため、血統問題となり、取り返しのつかないことになりかねません。

 聖酒とは、人間始祖の立場で勝利された真の父母様の勝利権によって作られた歴史的価値のあるものです。特に天一国聖酒は、真のお父様が聖和される前、真の父母様が地上において作ってくださっていたもので、真のお母様の「侍墓精誠」の基台の上で新たに与えられているものです。たとえ真のお父様と真のお母様が霊界に行かれたあとであっても、その勝利権は永遠であり、いつまでも有効です。これは、キリスト教において、イエス様が昇天されて霊界に行かれたあとも、パンとぶどう酒による「聖餐式」で霊的救いの恩恵が与え続けられていることと同じです。

 天の血統を伝授する特権を持っておられるのは、どこまでも「血統の主人」であられる真の父母様です。その真の父母様が作られた聖酒によって、全人類の最後の一人に至るまで、血統転換をなすべくして聖酒式が行われていくのです。その場合、子女様たちや祝福家庭は、真の父母様の代理者として、あくまでも祭司長格の人物として、本部の公認のもとで「聖酒式」を執り行っているものに過ぎず、「祝福式」「聖酒式」の中心は永遠に真の父母様だけなのです。

 UCIは「特別祝福式」と銘打っていますが、彼らが行っている〝独自の儀式〟の目的は、真の父母様のもとを自ら離れ去った顯進様と一つになることで真の父母様との関係を完全に断絶させようとしているのです。ゆえに、彼らの「聖酒式」や「特別祝福式」に参加することは「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚」を受けた天の恩恵を完全否定する行為にほかなりません。

 この儀式への参加は、真の父母様との関係を断ち切り〝偽りの主人〟との関係を結ぶことを意味するものであり、真の父母様に対する〝背信行為〟であることを知らなければなりません。非原理集団であるUCIは、あの手この手を使って私たちを真の父母様から引き剥がし、自分たちの集団に取り込もうと画策しますが、私たちは原理とみ言をもって自らを正午定着し、天の父母様と真の父母様から一点もずれることのない自分を確立していかなければなりません。

【文末資料】『虚偽に満ちた』からの抜粋