UCI(いわゆる「郭グループ」)による『特別祝福式』」の誤り―― 「文顯進様を支持する有志の会」の批判に応える

                   注、真の父母様のみ言、および家庭連合側が発表した内容は「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 三男の文顯進様を中心とするUCIおよびFPA・家庭平和協会(いわゆる「郭グループ」)は、2019年8月18日、「天一国創建のための特別祝福式」と称する儀式を執り行うことを計画しています。その「特別祝福式」なるものは、真の父母様から許諾されていない〝非原理的な儀式〟です。このような〝非原理的な儀式〟に間違って参加することがないよう、教理研究院は同年7月17日、「真の父母様宣布文サイト」にその儀式の誤りを指摘した映像をアップしました。
 その映像に対し、「文顯進様を支持する有志の会(以下、有志の会)」は「教理研究院の批判に答える」として文書を公開しました。今回はその文書への反論を含めて、彼らの主張の誤りを指摘します。

(1)顯進様は「第四次アダム」なのか?

 UCIおよびFPAが2019年8月18日に行う予定の「天一国創建のための特別祝福式」と称する儀式について、彼らは次のように述べています。

 「今回の祝福式とは……第四次アダムの家庭にもう一度つながることを意味する」

 UCIが計画している「天一国創建のための特別祝福式」とは、「第四次アダムの家庭にもう一度つながる」ことであると述べています。しかし、顯進様家庭が特別に「第四次アダム家庭」であるというのは、み言に根拠がない誤った言説です。顯進様は2018年2月17日、(以前)お父様は私を第四次アダムだと言った」と主張しています。
 しかしながら、真のお父様は1997年9月11日、「第四次アダム圏時代」を宣布され、次のようにみ言を語っておられます。

 「第四次アダム圏時代には、定着時代に入らなければなりません。第四次アダムを中心とした本然的家庭から、天国が始まるのです。『第四次アダム圏時代』とは、アダムとエバが堕落しないで完成し、理想家庭を築いたという、そのような時代圏を言います。……第四次アダム圏時代からは、迫害ではなく栄光が、悲しみではなく喜びが、蕩減ではなく理想と歓喜があるのです。……地上では祝福を受けた家庭が、真の父母と縦的な関係における第四次アダムの資格をもちます。真の父母を中心とした第四次アダム圏時代は今日から始まるのです。……真の父母は第四次アダム圏時代をつくられましたから、祝福家庭としてこの時代に生きる人は皆、第四アダムになります(『主要儀式と宣布式Ⅲ』210~220ページ)

 真のお父様は「祝福家庭としてこの時代に生きる人は皆、第四アダムであると語っておられます。特別に、顯進様だけが「第四次アダム」あるいは「第四アダム」であると語っておられるのではありません。お父様は、真の父母様から祝福を受けた、真の父母様を中心とするすべての祝福家庭が「第四アダム」だと言われるのです。すなわち、真の父母様を中心とする「祝福家庭」「第四次アダム」「第四アダム」なのです。
 また、「有志の会」は1998年7月19日に顯進様が家庭連合の世界副会長に就任することで、「顯進様(の家庭)が『第四次アダム』(の家庭)として縦的軸を立てられ……真の家庭の中心軸(縦的軸)が立ち、お父様の家庭(神からみて二代目)のみならず、顯進様の家庭(三代目)まで立ったことをもって、『第四次アダムの勝利圏』と言われている」と主張します。しかし、これは虚偽の主張です。

 真のお父様は、顯進様を家庭連合の世界副会長に任命されるとき、「アダム家庭においては、神様が一代ならばアダムは二代であり、アダムの息子、娘は三代目になり……三代までは救援摂理の蕩減が終わっていないので、……行くべき蕩減の道が残されている」(『ファミリー』1998年9月号、6~7ページ)と語っておられます。そして、その残されている蕩減の道とは「妻や、父母の前や、息子、娘の前、教会の前で、絶対信仰圏を維持することのできる者」(同、20ページ)になり、定着させることであるというのです。
 ところが「有志の会」は、顯進様が家庭連合の世界副会長に就任することで、「顯進様の家庭(三代目)まで立ったことをもって、『第四次アダムの勝利圏』」であると述べますが、これは我田引水的、恣意的、勝手な解釈であり、誤った言説です。
 またUCIは、1998年7月19日に顯進様が世界副会長に就任したとき、お父様が顯進様を「『第四次アダム圏』の中心」として公認されたと述べますが、これもみ言に根拠がありません。お父様は次のように語っておられます。

 「サタンの血統を断絶して、きれいに清算した後に天の直系の子女が家庭を中心として第四次アダム勝利圏を引き継ぐことのできる、そのバトンを受け継ぐことのできる出発がなされた……この顯進の息子、娘たちの話です。それは、四代ではありませんか?(『ファミリー』1998年9月号、19~20ページ)

 真のお父様は、顯進様の副会長就任のとき、「神様が一代、アダムが二代、そして三代(顯進様)であり、「第四次アダム勝利圏を引き継ぐことのできる……出発がなされた」とし、それは「顯進の息子、娘たちの話」であると語られました。「真の父母様を中心とする三代圏の確立」の図を見ると、「四代ではありませんか?」とは、真の父母様のお孫様を指しています。
 ところが、「有志の会」は、教理研究院が「『第四次アダムは祝福家庭だ』という話と『第四次アダムはお孫様だ』という話とを、どうつなぎ合わせれば整合性がつくのだろうか?」と疑問を提起していますが、これは三大王権を正しく理解すれば、矛盾なく整合性のとれる話です。

 真のお父様が「第四次アダム圏時代」を宣布されたとき、「第四次アダム圏時代からは、迫害ではなく栄光が、悲しみではなく喜びが、蕩減ではなく理想と歓喜」があると言われたように、このみ言は「顯進の息子、娘たちすなわち神の実体である真の父母様を中心とする〝三代圏〟が確立することで【図を参照】、神様が一代目とするならば、真の父母様のお孫様である四代目で、真の父母様(祖父母=神の立場)を中心とした三代圏(真の父母様の三大王権)が現れ「蕩減ではなく理想と歓喜」の世界である本然の「第四次アダム勝利圏を引き継ぐことのできる」時代圏へと越えていくことを意味するものです。

 真のお父様が、「真の父母は第四次アダム圏時代をつくられました」と語っておられるように、「第四次アダム勝利圏」とは、どこまでも神の実体である真の父母様を中心とする〝三代圏〟の確立によるものです。子女様が中心ではありません。真の父母様は、1960年に「3双から出発した祝福が12番目の峠を越える、(360万双の)予備祝福の基盤が形成」(『主要儀式と宣布式Ⅲ』219ページ)されることで、その勝利基盤の上で1997年8月9日に「七・八節(天地父母天宙安息圏宣布)」を制定され、1997年9月11日、「真の父母を中心とした第四次アダム圏時代」を宣布されたのです。それゆえ、真の父母様の勝利圏を相続した祝福家庭は、真の父母様と同じように、それぞれの家庭で〝三代圏(三大王権)〟を築くならば、だれもが皆、第四次アダム圏時代に生きる「第四アダム」になるのです。
 このように、特別に顯進様家庭が、「第四次アダム」「第四次アダムの家庭」であるという主張は、真のお父様のみ言にはない〝誤った言説〟にほかなりません。

(2)顯進様は「統一家の中心的長子」なのか?

 UCIは「顯進様が長子(摂理の中心人物/後継者)である」と主張しますが、彼らのこの主張も、完全な誤りです。
 真のお父様は「長子」について、次のように語っておられます。

 「尹博士、統一家において長子は誰ですか。(「孝進様です。」)孝進より先生の息子、娘です。12支派(のすべて)が長子なのです(マルスム選集133-244)

 「私は孝進に尋ねるが、これからはお父さんの代わりに、この統一家のいかなる食口にも負けないように、中心的長子の責任を果たして行かなければなりません(マルスム選集134-327、『祝福』1985年冬季号、37ページ)

 真のお父様は、「統一家において長子は……孝進より先生の息子、娘」であると言われましたが、孝進様に対して「統一家のいかなる食口にも負けないように、中心的長子の責任を果たして行かなければなりません」と語っておられます。
 また、2008年3月17日に文孝進様が聖和され、その二日後の3月19日「世界聖和式」が執り行われました【写真参照】。真のお父様は、聖和された孝進様に「深天開放苑 忠孝開門主」という揮毫を贈られました。聖和式で父母様の代身者の家庭の主人として、権威を誇ることのできる権威をこの時間に付与するので……」(マルスム選集587-323)と祝祷された後、この人(孝進様)が長子の福を受けていくことを誇りに思って、お祈りをたくさんしてあげて……」(同、587-324)と語られました。

 真のお母様は、「孝進兄さんは『孝子(の役割)は、僕のやることだ』と言いながら…。その言葉だけではなく、孝行をしました」(『中和新聞』2015年5月19日号)と語っておられるように、真のお父様が「深天開放苑 忠孝開門主」という揮毫を贈られたのは、孝進様が「統一家において長子」として「中心的長子の責任」を果たし、地上で真の父母様に対する「孝子(の役割)」を勝利されたからなのです。
 2008年4月6日、真のお父様は第49回「真の父母の日」の記念式典で、次のように語っておられます。

 「母を中心として、この地でお母様が生んだ孝進を(霊界に)送ることによって、孝進が中心となって、興進と孝進の二人が一つになることによって霊界が統一されるのです」(『ファミリー』2008年7月号、13~14ページ)

 真のお父様は「孝進を(霊界に)送ることによって、孝進が中心となって、興進と孝進の二人(アベル・カイン)が一つになることによって霊界が統一される」と語られ、孝進様は霊界で「深天開放苑 忠孝開門主」として「興進と孝進の二人が一つ」となる歩みをされたのです。
 孝進様が地上で真の父母様に対する「孝子(の役割)」を勝利され、「統一家の中心的長子」として、霊界においてカインとアベルが一つになった勝利基準を立てたことによって、2016年2月11日に真のお母様の願いを受け、孝進様の肖像画がHJ天宙天寶修錬苑の情心苑に掲げられました。2018年3月2日、真のお母様は「お父様が霊界にいかれたため、今や霊肉界を中心として四位基台は全て造成されました」(「Peace TV」より引用)と語られ、真の父母様を中心に孝進様と興進様が「霊肉界を中心として四位基台」を確立されたのです。

 「有志の会」は、お父様が聖和された今、「真の家庭の基台が決壊している現状」であると述べますが、これは誤った主張です。真の父母様を中心とする真のご家庭において、天宙における「中心的長子」は孝進様であり、真の家庭の基台が決壊している事実はありません。
 UCIは、真のご家庭の長子である孝進様が聖和されたことから、顯進様こそが「摂理的中心人物」や、真の父母様の「後継者」を意味する「長子」であると述べますが、これもみ言に根拠がありません。
 さらに、「有志の会」は彼らの反論文のなかで、顯進様が「次の時代に真の父母として立ち得る存在」であると主張していますが、この次の時代に真の父母として立ち得る存在という主張も、原理とみ言からみて完全な誤りです。
 真のお父様は、「真の父母(文鮮明・韓鶴子総裁夫妻)」が唯一であり、永遠であることを次のように語っておられます。

 父母様は一組であって、息子・娘が父母様の代身の位置に立つことができません。兄弟たちは多いかもしれませんが、父母は一つです。真の父母! 父母が蕩減したのであって、兄弟は蕩減にならないということを知らなければならないのです」(マルスム選集591-27)

 「先生の家庭でもそうです。自分たちの思い通りに何でも決定できないのです! 顯進も自分の思い通りに決定できない! 國進も自分の思い通りに決定できない! お父様の使命が終わったと、そのような考えをしてはいけません。真の父母は永遠なるものです(マルスム選集591-318)

 真のお父様は「息子・娘が父母様の代身の位置に立つことができません」と語っておられるように、顯進様が「次の時代に真の父母として立ち得る存在」というのは誤った主張です。真の父母様は、唯一無二の永遠なる存在です。人間始祖である「父母様は一組」だけなのです。真のお父様は、顯進様に「お父様の使命が終わったと、そのような考えをしてはいけません」と厳しく指導され、「真の父母は永遠なるもの」であると語っておられます。人間始祖である「真の父母」は唯一であり、そういう意味で真の父母に後継者は存在しないのです。

(3)顯進様は、「祝祷権」を持っているのか?
 すでに述べたように、UCIは2019年8月18日に「特別祝福式」と称する儀式を予定しており、それについて次のように述べています。

 「今回の祝福式とは即ち、神の愛と生命の血統の根源(生命の木)である真の家庭……にもう一度つながることを意味する」

 UCIは、彼ら独自のこの儀式を「神の愛と生命の血統の根源(生命の木)である真の家庭……にもう一度つながる」ための「特別祝福式」であると説明します。
 しかし、『原理講論』や『平和神經』には、次のように記されています。

 「堕落人間が、生命の木となるためには……創造理想を完成した一人の男性が、この地上に生命の木として来られ、すべての人をして彼に接がしめ、一つになるようにしなければならない。このような生命の木として来たり給うたお方が、すなわちイエス(メシヤ)であった(『原理講論』95ページ)

 「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けることが、正に真のオリーブの木に接ぎ木される恩賜です。……真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし……真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました」(『平和神經』34~40ページ)

 『原理講論』は、エデンの園には「生命の木」「善悪を知る木」があり、それぞれ創造理想を完成した男性と女性、すなわち「完成したアダムとエバ」であると論じています。
 さらに、真のお父様は『平和神經』で、真の父母様こそが「真のオリーブの木」であると述べておられます。そして、「真の父母様が許諾された聖酒式を通してでなければ「血統転換」ができないのです。
 以上を見ても、生命の木としての「真の家庭」とは、顯進様家庭のことではなく、真の父母様のことであることは明らかです。
 したがって、祝福式とは、真のオリーブの木である「真の父母様」に接ぎ木されることで成されることをはっきりと知らなければなりません。
 ところが、「有志の会」は「『生命の木』が『真の家庭』(顯進様家庭)であり、我々はその『真の家庭』に接ぎ木されなければならない」と主張します。その根拠として下記のみ言を引用しています。

 「私はきょう、人類の最初の真の家庭の完成を皆様の前で宣布することができたことを、無上の光栄と思います。……私たちは家庭的次元で、聖書で述べている生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立しました。皆様も真の家庭の血統に象徴的に接ぎ木されて、共に理想国家と理想世界建設のために先頭に立ちましょう! これが正に、成約時代の開幕を意味します」(『青年の希望』252ページ)

 上記のみ言は、真のお母様が1993年9月14日に東京ドームで「世界平和女性連合」の創立1周年記念大会において語られたものです。真のお母様は講演文で「聖書で述べている生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立」したと語っておられます。これは、前述の図を見ると分かるように、「生命の木の中心の根」として来られた真の父母様が三代圏を確立することで、「人類の最初の真の家庭」を完成したことを意味するものです。
 また、真のお母様は同大会で「私たちは神を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源となる、真の父母の家庭を樹立することができました」(同、248ページ)とも語っておられます。すなわち、真の父母様は「神を中心とした真の愛、真の生命、真の血統の根源」である「生命の木の中心の根」なのです。
 真のお父様は「祝福家庭」について、次のように語っておられます。

 「統一教会の祝福家庭は先生の基盤の上に立たなければならないのです。先生が根であれば、皆さんは幹にならなければなりません。……幹になり、枝にならなければならないのです。葉が出てこなければならず、花が咲かなければならないのです」(マルスム選集113-50)

 真のお父様は「先生が根であれば、皆さん(祝福家庭)は幹」であると語っておられるように、真の父母様は「生命の木の中心の根」であり、顯進様の家庭および祝福家庭は(生命の木の)中心の幹」なのです。ゆえに、『原理講論』は「堕落人間が、生命の木となる」には、「生命の木の中心の根」として来られた真の父母様に接ぎ木されなければならないことを論じているのです。よって、真の父母様を中心とした三代圏を確立することが「生命の木の中心の根(祖父母)、中心の幹(父母)、そして中心の芽(子女)を確立」することなのです。そこから、すべてが出発するのです。
 ところが、UCIは「『生命の木』が『真の家庭(顯進様家庭)』」であると恣意的解釈をし、「『真の家庭(顯進様家庭)』に接ぎ木されなければならない」と述べますが、これは、虚偽の主張にほかなりません。
 真のお父様は次のようにも語っておられます。

 血統は、父母が子女だけに与え得る特権中の特権です。……真の父母様が許諾された聖酒式を通して血統転換をし……真の家庭を探し立てられる道が大きく開かれました」(『平和神經』39~40ページ)

 このみ言を見ても分かるように、子女の立場である顯進様は「天の真の血統」を人類に与える権限をもっていません。真のお父様は「血統は、父母が子女だけに与え得る特権中の特権」であると語っておられます。どこまでも「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚を受けること」こそ、天の血統に連結され「真の家庭を探し立てられる道」なのです。
 ゆえに、祝福式における「祝祷権」を持っておられるのは真の父母様だけなのです。私たちは「祝祷権」を持っておられる真のお父様と真のお母様から「天の血統」を相続してきたのです【写真を参照】。顯進様は、真の父母様から「祝祷権」を相続も移譲もされておらず、祝福式を行う権限を持っていません。
 「有志の会」は「お父様が顯進様に祝福を許した経緯」があると述べ、その根拠として次のみ言を引用します。

 「80の老人が、世界を回りながら祝福できる時代は過ぎ去ったのです。……お父様が息子の前に祝福の権限を相続してあげるのです。それを知らなければなりません。……二世が真の父母に代わって、祝福してあげることができる時代に入るのです。霊界では兄にあたる興進君が行い、地上では弟が行うのです。同じ立場から見れば、興進君がお兄さんで顯進君が弟です。ですから、弟にあたる顯進君が地上世界の皆さんを祝福してあげることもできるのです」(『主要儀式と宣布式Ⅳ』475~476ページ)

 真のお父様は2000年9月24日に「祝福移譲宣布式」を挙行されました。彼らが抜粋したみ言だけを読むと、「お父様が息子の前に祝福の権限を相続してあげる」と語って、お父様は「顯進君が地上世界の皆さんを祝福してあげることもできる」と宣布され、この祝福移譲宣布式で「お父様が顯進様に祝福を許した」と勘違いしてしまうかもしれません。
 ところが、今まで顯進様に対し、真の父母様が「祝福式」の主礼をするよう命じられたことは一度としてありません。この祝福の権限に対して正しく理解するには、彼らが引用したみ言だけでは説明不足であり、正しいものとは言えません。

 結論を簡潔に述べると、真のお父様は2000年9月24日に「天上の興進様に真の父母様の祝福権を移譲する『祝福移譲宣布式』を挙行」(『主要儀式と宣布式Ⅳ』471ページ)されました。
 その宣布式で、真のお父様は「先生が伝授式祝福をしてあげなければなりません。先生が行った権限、また興進君が行った権限、弟が行うことのできる権限もすべて興進君を通じて……、神様の許しを得て、真の父母の許しを得ることによって」(同、478ページ)と語っておられます。すなわち、顯進様への祝福の権限移譲は、「興進君を通じて、神様の許しを得て、真の父母の許しを得ること」でなされるのが大前提であり、まだ移譲されているわけではありません。
 したがって、2019年8月18日に行う予定の、真の父母様の許諾なしに行う「祝福式」なる儀式は、偽りの祝福式です。

 さらに、UCIは8月4日(日)に独自の「聖酒式」を行う予定にしているようですが、それは「真の父母様が許諾された聖酒式」ではありません。しかも、彼らが使う聖酒なるものは真の父母様が準備された原酒から厳格な原則と手順を踏んで増やされたものではありません。また、顯進様には聖酒をつくる権限すらないのです。UCIが使う聖酒なるものは、真の父母様とは無関係の〝偽りの聖酒〟です。
 もし、未婚の男女がそのような儀式に参加して家庭を持つなら、それは天の公認を受けたものではないため、血統問題が起こり、大変なことにもなりかねません。

 聖酒は、人間始祖の立場で勝利された真の父母様の勝利権によって作られた歴史的価値のあるものです。特に天一国聖酒は、真のお父様が聖和される前、真の父母様が地上において作ってくださっていたもので、真のお母様の「侍墓精誠」の基台の上で新たに与えられているものです。たとえ真のお父様と真のお母様が霊界に行かれたあとであっても、その勝利権は永遠であり、いつまでも有効です。これは、キリスト教において、イエス様が昇天されて霊界に行かれたあとも、パンとぶどう酒による「聖餐式」で霊的救いの恩恵が与え続けられていることと同じです。

 天の血統を伝授する特権を持っておられるのは、どこまでも真の父母様です。その真の父母様が作られた聖酒によって、全人類の最後の一人に至るまで、血統転換をなすべくして聖酒式が行われていくのです。その場合、子女様たちや祝福家庭は、真の父母様の代理者として、あくまでも祭司長として本部の公認のもとで「聖酒式」を執り行っているものに過ぎず、「祝福式」「聖酒式」の中心は永遠に真の父母様だけなのです。

 以上見てきたように、顯進様家庭は、特別に「神の愛と生命の血統の根源(生命の木)である真の家庭」でも「第四次アダムの家庭」でもありません。彼らがそのように主張したとしても、真のお父様のみ言に全く根拠がありません。
 彼らは〝祝福式〟と銘打っていますが、彼らが行おうとする独自の儀式の目的は、真の父母様のもとを自ら離れた顯進様と一つになることで真の父母様との関係を完全に断絶させようとしているのです。ゆえに、彼らの「聖酒式」や「祝福式」に参加することは「天の真の血統をもってこられた真の父母様を通して祝福結婚」を受けた天の恩恵を完全否定する行為です。

 この儀式への参加は、真の父母様との関係を断ち切り〝偽りの主人〟との関係を結ぶことを意味するものであり、真の父母様に対する〝背信行為〟であることを知らなければなりません。UCI(いわゆる「郭グループ」)の非原理集団は、あの手この手を使って私たちを真の父母様から引き剥がし、自分たちの集団に取り込もうと画策しますが、私たちは原理とみ言をもって自らを正午定着し、天の父母様と真の父母様から一点もずれることのない自分を確立していかなければなりません。