「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言は存在しない・その3 ――18のみ言引用の〝虚偽〟を暴く

文責:教理研究院

                                            注、真の父母様のみ言および家庭連合の公式発表は「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 教理研究院はUCI(いわゆる「郭グループ」)側が広める金鍾奭著『統一教会の分裂』に対し、今まで発表した反論文で、この書籍の内容が真のお父様のみ言の改竄や意図的とも言える誤訳、文脈を無視したみ言引用などによる〝虚偽のストーリー〟であることを暴露してきました。
 『統一教会の分裂』は「韓鶴子の不従順」(245ページ)を〝裏付ける〟真のお父様のみ言であるとして18のみ言を引用しており、それらのみ言が「創始者(注、真のお父様)が韓鶴子に対する残念な感情や、統一原理に対する未成熟、家庭に対する責任など」(同)に言及したものであり、「創始者を不信する韓鶴子の態度」(同)について述べているものだと主張します。
 しかし、『統一教会の分裂』が挙げた18のみ言を検証すると、ことごとく〝虚偽〟に基づいた主張であることが分かります。すでに18のうち12のみ言に対し、その引用・解釈が〝虚偽〟であることを暴露しましたが、今回は、さらに3つのみ言を検証します。これで18のうちの15のみ言引用の〝虚偽〟を暴くことになります。

(1)2005年2月25日のみ言の検証
  ――郭錠煥氏の名を削除し、郭氏に対する〝叱責〟を隠蔽 

 『統一教会の分裂』は248ページで、真のお父様が「韓鶴子に対する残念な感情」を表しているとして、2005年2月25日のみ言を引用します。

 「ついに真の父母が来て神様と一つになり、体を永遠に探すためにも苦労しました。それを知らなければなりません。お母さんを再び創造、作らなければなりません。お母さんが主張できない部分なのです。…お母さん、分かったか」(マルスム選集489-27)

 『統一教会の分裂』は、この内容が「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると述べます。しかし、これは〝虚偽〟の解釈・主張です。『統一教会の分裂』は、引用している直後の部分のみ言を「…」で省略し、さらに日本語訳では〝誤訳〟することで意味を〝改竄〟しています(注、太字ゴシックの部分)。以下、「…」の部分を青い文字で引用します。

 ついに真の父母が来て神様と一つになり、(神様の)体を永遠に探すためにも苦労しました。それを知らなければなりません。お母さんを再び創造、作らなければなりません。お母さんが主張できない部分なのですだから今回、清平で……。お母様が62歳から63歳に超えていくのです。『さぶろくじゅうはち』(3×6=18)です。18歳から、18、19、20、21、22、23歳…と経験していく過程で、今日で言えば63歳、17、18歳以前に来て結婚したならばその日からできるはずなのに、再蕩減しようと(お母様が)63歳を迎えながら、天一国の出発が連結されるのです。お母さん、分かったか(マルスム選集489-27、「茶色の字」は『統一教会の分裂』からの引用。「青い字」は教理研究院による、以下同じ)

 『統一教会の分裂』が「…」で削除した部分で、真のお父様は「今回、清平で……。お母様が62歳から63歳に超えていくのです。……63歳を迎えながら、天一国の出発が連結される」と語っておられます。すなわち、真のお父様が「さぶろくじゅうはち(3×6=18)」と語っておられるように、お母様の63歳とは「3×6=18」であり、「再蕩減しようと63歳を迎えながら、天一国の出発が連結される」と言われたのです。
 このみ言は2005年2月14日(天暦1月6日)、真のお父様が86歳、真のお母様が63歳の聖誕日を迎えられたときに語られたものであり、その日、真の父母様の「天宙統一平和の王戴冠式」が清平(現、HJ天宙天寶修錬苑)で挙行されました。本来なら、真のお母様が「17、18歳以前(の若い時)に来て結婚したならばその日からできるはずなのに、再蕩減しようと(お母様が)63歳を迎え」るときまで待って、真の父母様は「天宙統一平和の王」を挙行され、「天一国の出発が連結され」たと言われるのです。そのため、真のお父様は「神様と一つになり、(神様の)体を永遠に探すためにも苦労し……お母さんを再び創造」されたと語られているのです。
 『統一教会の分裂』の日本語版は、「お母さんが主張できない部分なのです」と訳していますが、正しくは「お母様は、主張することがないのです」になります。これは真のお母様が〝絶対従順〟であられることを語られたみ言です。にもかかわらず、この訳は、この書籍の翻訳者である内村鑑一氏による悪意のある、ないし意図的〝誤訳〟です。
 また、上記のみ言に続いて、『統一教会の分裂』は重要なみ言を「…」で削除して、次のように引用しています。以下、「…」の削除している部分を青い文字で表記します。

 お母さん、分かったか。お母さんの責任、お父さんの責任を知らなければなりません。この愚か者が、王権も相続していないのに、お母さんを引き出せばどうなるか。サタンが捕まえるのです。アメリカで誰か、以前、女性連合の会長だった人が『お父様はお母様を尊敬しているか、崇拝しているか』と言うのですが、この小娘が、崇拝しなければならないと子供たちに教えていたというのです。そのようなことを知っているの?郭錠煥。(「よく知りません」)知らないでしょう。先生は間違いなく知っているのに、(郭錠煥氏は)知らないので、頂上に上がることができないのです。分かりますか?(「はい」)最近は、女性を立てるので、女性が一番だと思い、(郭氏も)お母さんを立てようとするのですが、父母様を立てなければならないのです(マルスム選集489-27~28)

 真のお父様は、「以前、女性連合の会長だった人が『お父様はお母様を尊敬しているか、崇拝しているか』と言うのですが、この小娘が、崇拝しなければならないと子供たちに教えていた」ことについて「そのようなことを知っているの?郭錠煥」と尋ねておられます。しかし、郭錠煥氏が「よく知りません」と返事をすると、真のお父様は(郭錠煥氏は)知らないので、頂上に上がることができない」と叱責されたのです。そして、真のお父様は「最近は、女性を立てるので、女性が一番だと思い、(郭氏も)お母さんを立てようとするのですが、父母様を立てなければならないのです」と語られ、郭錠煥氏を指導しておられるのがこのみ言なのです。ところが『統一教会の分裂』は重要な部分を「…」で削除して、その事実を隠蔽しています。
 『統一教会の分裂』の引用の仕方では「この愚か者が、王権も相続していないのに…」という部分は、まるで真のお父様がお母様を「愚か者」と叱責しておられるみ言であるかのように読めますが、隠蔽した部分を削除せずに全体の文脈から読むと、「この愚か者が」とは、お母様のことではなく、幹部たちを叱責しておられるみ言であることが分かります。
 さらに、上記のみ言に続いて、『統一教会の分裂』は次のように引用しています。

 「お父様の行く道に皆さんが、女性たちが一つになり、お父様に侍らなければ、この女性たちが実体サタンとなるのです。金孝律!公金があれば、お母さんが欲しいと言うからといって、お父さんに隠れて支払えば、問題が起きるのです。お父さんに尋ねなければならないのです。最終決定は。分かったか、お母さんが共に侍りお父さんの前に報告すれば、お母さんと一つとなりますが、お母様を中心としてお父様が一つになるのは、堕落ではないですか。原理を外れた道理はありません」(マルスム選集489-28~29)

 『統一教会の分裂』が引用した上記のみ言は、改竄されたものです。以下、削除している部分を指摘し、郭錠煥氏に関する部分を含めて引用します。

 お父様の行く道に皆さんが、女性たちが一つになり、お父様に侍らなければ、この女性たちが実体サタンとなるのです。……(12行を省略)……。郭錠煥!(「はい」)金孝律!公金があれば、お母さんが欲しいと言うからといって、お父さんに隠れて支払えば、問題が起きるのです。お父さんに尋ねなければならないのです。最終決定は。分かったか、何の話か?(「はい」)報告するときも必ず(あなたたちが)来て、お父様が(お母様と)一緒にいるので、お父様が家にいれば、(あなたたちが)家に入ってきて、お母さんが共に侍りお父さんの前に報告すれば、お母さんと一つとなりますが、お母様を中心としてお父様が一つになるのは、堕落ではないですか。原理を外れた道理はありません(マルスム選集489-28~29。注、「青い字」が削除されたみ言の部分)

 『統一教会の分裂』は、「この女性たちが実体サタンとなるのです。金孝律!公金があれば」と引用していますが、原典に当たってみると、「この女性たちが実体サタンとなるのです。……(12行を省略)……。郭錠煥!(「はい」)金孝律!公金があれば…」となっており、12行分のみ言と郭錠煥氏の名前とが削除されています。このように削除することで、『統一教会の分裂』は、お父様が指導されている内容、み言の意味を〝改竄〟しています。真のお父様は、郭錠煥氏と金孝律氏に対し「公金があれば、お母さんが欲しいと言うからといって、お父さんに隠れて支払えば、問題が起きる」と叱責しておられるのです。さらに郭氏に対しても、公金の用途に対する最終決定は「お父さんに尋ねなければならない」と厳しく指導しておられる事実を隠蔽しているのです。
 真のお父様は郭錠煥氏に対し、お父様に報告するときの〝原理原則〟について指導しておられます。すなわち、真のお父様は「お父様が(お母様と)一緒にいるので、お父様が家にいれば」、郭錠煥氏と金孝律氏が真のお母様に侍り「お父さんの前に報告すれば、お母さんと一つとなります」と指導しておられるのです。しかし、そうでない場合は「原理を外れた道理」であるということを、郭錠煥氏に教育しておられるのがこのみ言です。
 ところが、『統一教会の分裂』は「郭錠煥」氏の名前をことごとく削除することで、真のお父様が「郭錠煥」氏に対して叱責しておられる事実を〝隠蔽〟しており、まるで真のお母様を叱責しているみ言であるかのように読ませようとしているのです。このように、『統一教会の分裂』が引用した2005年2月25日のみ言は、「韓鶴子の不従順」を裏付けるものではありません。

(2)2005年7月3日のみ言の検証
  ――勝利された真のお母様である事実を隠蔽

 『統一教会の分裂』は249ページで、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しているみ言であるとして、2005年7月3日のみ言を引用しています。

 「お母さんを選んで、お母さんが峠を越えるまでできなければ、取り替えることができます。国家基準で。世界に超える時まで、お母さんは完全にお父さんと一つにならなければなりません。お母さんはそんなことも知らずにいます。お母さんは今まで世間の女性と同じ立場で、断食もさせず、全てするなと言いました。これは初めて聞くでしょう。7日断食をしませんでした。伝道もさせませんでした。そうすべきではないですか」(マルスム選集499-235~236)

 『統一教会の分裂』は、上記の内容が「不信する韓鶴子の態度」を裏付けるみ言であるとします。しかし、これも〝虚偽の主張〟です。『統一教会の分裂』は、引用した上記のみ言の直前の部分を隠蔽し、その意味を〝改竄〟しています。
 真のお父様は、このみ言の直前で次のように語っておられます。

 「先生がお母様を中心として峠を越えた後には、女性の手首すら一度もつかみませんでした。何の話か分かりますか?(天の)法があるのです。神の日はいつですか?1968年1月1日でしょう?(「はい」)それ以降には別の考えをしてはいけないのです。お母さんを選んで、お母さんが峠を越えるまでできなければ、取り替えることができます。国家基準で。
 世界に超える時まで、お母さんは完全にお父さんと一つにならなければなりません。お母さんはそんなことも知らずにいます。お母さんは今まで世間の女性と同じ立場で、断食もさせず、全てするなと言いました。これは初めて聞くでしょう。7日断食をしませんでした。伝道もさせませんでした。そうすべきではないですか(マルスム選集499-235~236)

 『統一教会の分裂』は、このみ言のうち茶色の部分のみを引用しています。隠蔽した直前の部分で、真のお父様は「1968年1月1日」「神の日」について語っておられます。この「神の日」とは、真の父母様が完成期の7年路程を歩まれ、一体となって神様の直接主管圏に入られたことを宣布した日です。
 真のお父様は、「お母さんを選んで、お母さんが峠を越えるまでできなければ、取り替えることができます。国家基準で」と語っておられますが、その直前で「先生がお母様を中心として峠を越えた後には、……別の考えをしてはいけない」と語っておられます。すなわち、真のお父様は「お母様を中心として峠を越え」、一つとなって勝利されたことについて語っておられるのです。ところが、『統一教会の分裂』は直前の部分を隠蔽することで、お父様が語られたみ言の真の意味である「勝利された真のお母様」を全く逆の意味に捉えるようにしています
 『統一教会の分裂』が引用しているみ言の部分は1968年1月1日の「神の日」を迎える以前のこと、すなわち真のお母様が1960年のご聖婚から「7年路程」を歩まれた内容について語っておられるものです。
 真のお父様は、1968年1月1日に「神の日」を宣布できた理由について、次のように語っておられます。

 「お母様が女性として、夫がどのようなことをしても従順屈服し、それ以上の条件を立てることができないという限界点までも越えて(お父様に)従順に従ったという基盤を立てたので、その基盤のもとで『神の日』まで設定することができたということを、皆さんは知らなければなりません」(『真の御父母様の生涯路程⑩』144ページ)

 真のお父様は「『神の日』まで設定することができた」のは「お母様が女性として、夫がどのようなことをしても従順屈服し、……限界点までも越えて(お父様に)従順に従ったという基盤を立てた」ためであると語っておられ、そのことを「皆さんは知らなければなりません」と強調しておられます。すなわち、真のお母様は絶対信仰・絶対愛・絶対服従でお父様と一つとなって勝利されたと言われるのです。そのことによって、真のお父様は1968年1月1日に「神の日」を宣布されたというのです。
 さらに真のお父様は、1968年1月1日の「神の日」について次のように語っておられます。

 (1960年から)七年を経て1968年正月1日を中心として、このすべての蕩減の道を越えて『神の日』を策定することによって、お母様の権威が生まれ、地上に着陸時代が到来し、世界的進出の出発が始まったのです」(『真の御父母様の生涯路程⑩』146~147ページ)

 真のお父様は「すべての蕩減の道を越えて『神の日』を策定することによって、お母様の権威が生まれ、……世界的進出の出発が始まった」と語っておられます。すなわち、真のお母様はお父様と完全に一つとなって「すべての蕩減の道を越えて」勝利されたので、真のお父様は「神の日」策定することができ、そのことによって「世界的進出の出発」が始まったというのです。
 『統一教会の分裂』が引用したみ言は、真のお父様が「お母さんを選んで、お母さんが峠を越えるまで」の歩みの内容、すなわち真のお母様が1960年のご聖婚以後に歩まれた7年路程について語っておられるものです。
 真のお父様は、その7年路程について次のようにも語っておられます。

 「7年路程の間、お母様がサタン世界の讒訴条件から脱け出す道を歩むようになったのです。それを成そうとすれば、お母様自身がサタンと直接的な争いをしては絶対にいけません。先生に絶対従順しなければならず、絶対服従しなければならず、常に先生のあとから影のようについてこなければならないのです。自分勝手に行ったり来たりすれば、サタンの侵犯を受けるのです」(『神様の祖国解産完成』78~79ページ)

 真のお母様がご聖婚以後に歩まれた7年路程は、「先生に絶対従順しなければならず、絶対服従しなければならず、常に先生のあとから影のようについてこなければならない」歩みでした。真のお母様が「自分勝手に行ったり来たりすれば、サタンの侵犯を受ける」深刻な歩みだったのです。それゆえ真のお父様が「断食もさせず、全てするな」と語られたなら、そのみ言に対し絶対服従して、断食や伝道なども「自分勝手に」してはいけないと言われたのです。そのようにして1968年1月1日の「神の日」を迎えるまでの7年路程において、真のお母様はお父様に「影のようについてこなければならない」歩みをされながら、「今まで世間の女性と同じ」ような立場において「断食もさせず」「伝道もさせ」ずに、それらをすること以上にお父様と一体となる歩みをされたのだと言われているのです。
 それゆえ、1968年1月1日に真のお父様が「神の日」を宣布することができたのです。つまり、真のお母様が絶対信仰・絶対愛・絶対服従で、お父様と一つとなって勝利の基準を立てられたからです。
 ところが、『統一教会の分裂』は直前のみ言の部分を削除して、勝利された真のお母様である事実を隠蔽することで、お父様が語られているみ言の真の内容、意味を、読む者をして誤導しているのです。『統一教会の分裂』が引用した2005年7月3日のみ言は「韓鶴子の不従順」を裏付けるものではありません。

(3)2009年2月27日のみ言の検証
  ――直前のみ言を隠蔽して意味を〝改竄〟

 『統一教会の分裂』は250ページで、真のお母様が「統一原理に対する未成熟」であるため、真のお父様が苦心しているみ言であるとして、2009年2月27日のみ言を以下のように引用しています。

 「神様が原罪のある先生を使うだろうか。16歳まで、アダムとエバの血統は間違っていませんでした。何故、16歳を重要視するのでしょうか。16歳までは堕落しなかったのです。その継代をつなぐのです。その前まで掘り下げて先生に原罪があるか、ないかということを自分たちが決定できますか。つまらないことをしています。
 私がそんなことを考えずにここで教主の役目をし、血統を正すと言うことができますか。私は幼い頃から天が教えてくれました。血統が正常かどうかを聞かなかったでしょうか。口にもするなというのです、口にもするなと。私が尋ねると、天が口にもするなと言ったのです」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集608-276~277)

 『統一教会の分裂』は、この内容が「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると述べます。しかし、これも〝虚偽〟の主張です。『統一教会の分裂』は、引用したみ言の直前の部分を隠蔽して、その意味を〝改竄〟しています。
 真のお父様は、直前で次のように語っておられます。

 あなたたちが何、先生は原罪があるのか、ないのかと言うことができません。神様が原罪のある先生を使うだろうか。16歳まで、アダムとエバの血統は間違っていませんでした。何故、16歳を重要視するのでしょうか。16歳までは(アダムは)堕落しなかったのです。その継代をつなぐのです。その前まで掘り下げて先生に原罪があるか、ないかということを自分たちが決定できますか。つまらないことをしています……(同、608-276、「茶色の字」は『統一教会の分裂』からの引用。「青い字」は教理研究院による)

 『統一教会の分裂』は、み言の青色部分を意図的に隠蔽しています。その隠蔽した部分で、真のお父様はあなたたち何、先生は原罪があるのか、ないのかと言うことができません」と語っておられます。
 このみ言は2009年2月27日、真のお父様が韓国の天情苑で午後5時から「真の父母様主管の特別会議」が開催され、そのときに語られたものです。その会議に参加した指導者たちに対し、真のお父様はあなたたちが何、先生は原罪があるのか、ないのかと言うことができません。……先生に原罪があるか、ないかということを自分たちが決定できますか。つまらないことをしていますと語っておられるみ言なのです。ところが、『統一教会の分裂』は直前のみ言を隠蔽し、まるで真のお母様が「先生に原罪があるか、ないか」と述べ、真のお父様の血統を疑っておられるかのように印象づけようとしているのです。
 ところで、『統一教会の分裂』が引用した上記のみ言に関して、周藤健著『天一国時代を迎えるための成約摂理解説』は次のように解説しています。この書籍は、「16万訪韓修練会」のみ言を集大成したものです。

 「堕落によってアダム(男性)が天使長の立場になったとしても、アダムの堕落が16歳の時であったので、16歳まで神と共にあった基準はそのまま天使長の立場の男性にも相続されており、それが復帰の基台となっている。一方、真のアダムである再臨主は独り子として生まれたが、16歳(数え)でイエス様よりその使命を相続され、アダムの堕落とその結果を完全に蕩減復帰された。すなわち、これが真のお父様における『メシヤ自覚』である。真のお父様はメシヤとして生まれたが、16歳でイエス様と霊的に会われ、神に召命されたのである。ここにおいて、その勝利された16歳までの基台の上につながれる(ハンダ付けされる)ならば、天使長の立場の男性も、16歳で堕落せずに完成し、罪悪世界を天宙に広げなかった立場の本然のアダム(罪なきアダム)の立場に復帰させることができるのである」(338ページ)

 真のお父様は「何故、16歳を重要視するのでしょうか。16歳までは(アダムは)堕落しなかったのです。その継代をつなぐのです」と語っておられますが、このみ言を原理的に理解するならば、「アダムの堕落が16歳の時であったので、16歳まで神と共にあった基準はそのまま天使長の立場の男性にも相続されており、それが復帰の基台となっている」(『天一国時代を迎えるための成約摂理解説』338ページ)というのです。
 また、「真のアダムである再臨主は独り子として生まれたが、16歳(数え)でイエス様よりその使命を相続され、アダムの堕落とその結果を完全に蕩減復帰」(同)されたというのです。すなわち、真のお父様が「16歳でイエス様と霊的に会われ、神に召命」された出来事とは、「真のお父様における『メシヤ自覚』」のことなのです。
 また、「天使長の立場の男性も、16歳で堕落せずに完成し、……本然のアダム(罪なきアダム)の立場に復帰」するために、真のお父様に「ハンダ付け」されなければなりません。それゆえ、真のお父様が「16歳を重要視」しておられるのは、16歳は真のお父様御自身が「メシヤ自覚」をされた歳であり、さらに、天使長の立場の男性が真のお父様に「ハンダ付け」されることで、16歳まで堕落しなかったアダムの「継代をつなぐ」ことができるからなのです。
 『統一教会の分裂』が引用したみ言は、「統一原理に対する未成熟」指導者たちが「先生に原罪があるか、ないか」と議論していることに対して、真のお父様が、そのようなことを「自分たちが決定できますか。つまらないことをしています」と叱責しておられるみ言なのです。ところが、『統一教会の分裂』は直前のみ言を隠蔽して、その意味を〝改竄〟することで、まるで真のお母様が、お父様の血統を疑って語っておられるかのように読ませようとしているのです。

 以上のように『統一教会の分裂』は、2005年2月25日、同年7月3日、および2009年2月27日の3つのみ言を引用して、それらが「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると主張しますが、それらを検証すると、ことごとくみ言の前後の部分を隠蔽し、また「日本語版」では意図的に〝誤訳〟することで、自分たちの主張に合致するよう〝詐欺的〟引用をしています。そのように引用することで、郭錠煥氏に対する叱責のみ言をまるで真のお母様に対する叱責のみ言であるかのように読ませ、さらに恣意的な解釈によってみ言の意味を〝改竄〟しています。
 私たちはこのようなみ言の意図的引用と、〝改竄〟による〝虚偽〟の解釈・主張に惑わされてはなりません。真の父母様のみ言を純白な心で正しく理解し、天の父母様と真の父母様の心情、事情、願いと一つとなってVISION2020勝利のために邁進していかなければなりません。