UCI(いわゆる「郭グループ」)問題の経緯に対し〝虚偽〟をかたる郭錠煥氏――郭錠煥氏のトゥルーレガシーTVの〝虚偽〟を暴く・その7

文責:教理研究院

                     注、真の父母様のみ言は「青い字」で、UCIおよびFPA(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 「文顯進様を支持する有志の会」は「ONE TRUTH有志の会」というブログを新たに立ち上げ、郭錠煥氏のインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)を掲載して各方面に拡散しています。これらの映像における郭錠煥氏のみ言引用は不正確であり、み言の恣意的解釈が散見します。
 郭錠煥氏のインタビュー映像の内容は、2019年3月2日に出版された郭錠煥著『事必帰正』(日本語版)と類似するもので、真のお母様が真のお父様の意向に反して陰謀を企て、三男の顯進様を統一家の組織から追い出したという、いわゆる「真のお母様陰謀論」という虚偽に基づくものです。これはUCIを支持する人々が広めてきた金鍾奭著『統一教会の分裂』と軌を一にするものであり、〝虚偽のストーリー〟にほかなりません。

 教理研究院は、UCI、FPAを支持する人々の騙る〝虚偽の主張〟に対し、彼らによる真のお父様の〝み言改ざん〟を指摘しながら、真のお父様のみ言と「原理」に基づいて反論してきました。その集大成として、2019年8月10日に『虚偽に満ちた金鍾奭著「統一教会の分裂」――軌を一にする郭錠煥著「事必帰正」』(光言社)を出版しました(以下、『虚偽に満ちた』)。
 郭錠煥氏の書籍は、真のお父様のみ言の根拠をほとんど示さず、自身の自叙伝のような体裁で書いているため、その〝虚偽性〟を見破るのは簡単なことではありません。しかし、『虚偽に満ちた』の巻末に掲載したUCI側の〝虚偽の主張〟と「原理とみ言」の比較対照一覧表を見れば、金鍾奭著『統一教会の分裂』と郭錠煥著『事必帰正』が、いかに〝虚偽の主張〟において軌を一にするものであり、かつ、お父様のみ言と食い違っているのかを理解することができます。
 郭錠煥氏が述べる〝虚偽の言説〟は、すでに『虚偽に満ちた』で論破されており、この書籍の内容こそが二つとない「一つの真実」です。
 今回は、郭錠煥氏がインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)の第11編「真のお父様(のもと)を離れて、郭グループを作ったのか?」で述べるUCI問題の経緯に対して、その虚偽を暴きます。(注、『虚偽に満ちた』および教理研究院発刊の書籍からの引用文については、引用の終了部分に〈『虚偽に満ちた』○○ページ〉に網掛けをして表示しています。)

(1)1つ目の「真の父母様宣布文」の真実
 郭錠煥氏はインタビュー映像第11編で、聞き手の「全ての事件を指して称するとき『郭グループだ』こんな言葉から多く始まり、今も事実、そのような言葉をいう人たちも、いまだにいます。これに対して、郭錠煥会長は語られたいお話が多くあると思います」(10分30秒〜10分53秒)との問いに対し、「私がグループを作ったことがありますか? 会員たちだといって集めて、活動を一度してみましたか? 結論的に言うならば、これは郭錠煥という人に(対し)悪口を言うのではなく……顯進様を苦しめようとする、そのような非良心的であり、非信仰的な動機によって作りあげた偽りの新造語が『郭グループ』です」(10分55秒〜17分12秒)などと主張します。
 教理研究院は、この説明が「UCI問題の経緯」に対する〝虚偽の主張〟であることを、『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。

 ①UCIは、統一教会から党派をつくる輩(=非原理集団)である
 「2000年3月31日に世界大学連合原理研究会の世界会長に文顯進様が就任されました。しかし、同年5月31日のみ言で、真のお父様は、文顯進様をお父様よりも前面に押し立てて報告するようになってしまうと、『統一教会から党派をつくる輩(分派)になります』と語られて、今あるUCIの姿を予見するかのように心配しておられるのです。
 実際に、真のお父様が心配されたとおり、今、「文顯進は、最近GPFのほかに、FPA(Family Peace Association・家庭平和協会)を組織」し、「創始者が世界平和統一家庭連合を通して実現しようとしていたものを目標としている」という別行動を取っているのを見たとき、かつて真のお父様が予見しておられたように、顯進様を中心とするUCIを支持する人々は、統一教会から別の党派をつくってしまう輩(分派)となり、誤った行動を取っていることを知らなければなりません。
 『統一教会の分裂』が述べている〝統一教会の核心アイデンティティ〟および顯進様の数々のアイデンティティや『事必帰正』が、ことごとくみ言や『原理講論』の教えと異なっている事実を見たときに、真のお父様がご生前、「顯進について行ってはならない」と、なぜ私たちに語っておられたのか、その理由を改めて痛感せざるをえません」(『虚偽に満ちた』56〜57ページ)

 真のお父様は2011年7月末にアラスカ・コディアクで次のように語られました。
 郭の家族、顯進サイドは、私(お父様)の意にかなったことをしていないと、君たちは、よく知っているだろう。だから、君たちは、自分自身の明確な信仰と決意を持たなければならないのだ。……どうして郭家の家族、顯進は、ここに来ることもしないで、真の父母を喜んで迎えようとしないのか?……郭家の家族は刑務所に行くようになるんだ。なぜかと言えば、彼らは真の父母に逆らい、真の父母が所有するお金を奪い、資産を奪い、企業を奪うからだ。……真の父母に所属するものを、郭ファミリーのように盗んでしまうものたちは、全部、刑務所行きだ。彼らは、この世の法律さえも恐れていないようだ。彼らにとって、天における法律は重要ではないにしても、彼らは、この世の法律さえも理解もしていないようだ。もし、私(真の父母)が、今にでも彼らを告訴したら、彼らは、大問題に直面するだろう」

 このように、真のお父様は郭の家族、顯進サイドは、私(お父様)の意にかなったことをしていない」と指摘された上で、「彼らは真の父母に逆らい、真の父母が所有するお金を奪い、資産を奪い、企業を奪うからだ。……真の父母に所属するものを、郭ファミリーのように盗んでしまうものたちは、全部、刑務所行きだ。……今にでも彼らを告訴したら、彼らは、大問題に直面するだろう」と厳しく警告し、郭錠煥氏や顯進様の行動が真の父母様の御意に反している事実に言及されました。
 真のお父様は、全食口が真の父母に侍り、かつ郭錠煥氏と顯進様が悔い改め、真の父母様の主管のもとに帰って来ることを願っておられたのです。
 真の父母様の主管を離れ、誤った道を歩む子女様に従って行こうとする人々に対し、教理研究院はすでに次のように指摘しています。

 「ある人は、(誤った道を歩む)子女様の願いを受けて、『自分こそが父母様と子女様の間をとり持つのだ』と主張しています。しかし、そのような言動は、(信仰の)出発点、軸を子女様に置いているのであって、『真の父母』に置いてはいません。ゆえに、その言動は〝天の願い〟からずれていることを理解しなければならないでしょう。
 かつて、真のお父様は顯進様に従う人たちを『郭グループ(郭ファミリー)と表現され、『従う人たちの話を聞いて、子女が親の下に来ない』と語られ、怒りを露わにされました。
 真のお母様も、サンクチュアリ教会問題が起こったときに、『万が一にも、あれこれ言いながら「少し助けてあげよう」と(誰かが)言っても、それに対して揺らいではいけません。(子女様を)助けてあげないことが助けてあげることです』(『トゥデイズ・ワールド ジャパン』2015年陽暦9月10日号、4ページ)と語られました。『真の父母』と一体となっておられない子女様に従う人たちは、結果的に真の父母様の息子を奪った張本人となり、真の父母様と子女様の間を裂く者となってしまっているのです」(小冊子『サンクチュアリ教会を支持する人々の言説の誤りNo.2』43ページ)

 ②「最初の宣布文」作成に至るまでの経緯
 真の父母様は2010年6月5日、一つ目の「真の父母様宣布文」(以下、「最初の宣布文」)を発表されました。この「最初の宣布文」に対し、郭錠煥氏は「顯進様を長子の座から除去しようと、お父様の手でご自身の息子を審判する文(である)(『事必帰正』260ページ)と批判します。郭錠煥氏は真の父母様の〝真意〟を歪めています。
 まず、「最初の宣布文」作成に至るまでの顯進様の動きを理解しなければなりません。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。

 「2009年3月8日、いわゆる『束草事件』のとき、真のお父様は人事措置をされました。『統一教会の分裂』は、それを『文顯進UPF及びGPF会長停職』(150ページ)と述べていますが、実際は、真のお父様は、『金起勳を顯進の代身として立てるのです。顯進は勉強しなければなりません。……アベルを神様とアダム、エバよりもっと愛さなければならないのです』(マルスム選集609-131)と語られています。

 真のお父様は、このとき顯進様に対し、『UPF会長とGPFを1年間休み、金起勳牧師が代わりにする』よう人事措置をされました。しかし、顯進様はそれを無視し、『フィリピンGPCを2009年12月に予定通り推進しよう』(162ページ)としたのです。顯進様は同年11月20日、お父様に宛てて次のような書信を送っています。

 『私は状況がどうであれ、ここで決してあきらめて退くことはできません。……12月10日から14日まで、フィリピンのマニラで開催されるGPCは、中断されたり延期されることはありません。……お父様が透明かつ公正に中心を掴んで導いて来られた神様の摂理を原理的でない方法で左右しようとすることには到底、従うことができません(162~163ページ)

 顯進様は、真のお父様の人事措置を無視し、『状況がどうであれ、ここで決してあきらめて退くことはできません。……GPCは、中断されたり延期されることはありません。……到底、従うことができませんと述べています。それを『統一教会の分裂』は、『創始者の意図を守るために行くべき道を行くという文顯進の意志が表れている』と持ち上げますが、実際は、お父様の指示に対し『到底、従うことができません』と明言する〝不従順宣言〟であり、そこには『お父様の意図に反しても自分の道を行く』という、お父様が願われる原理的な〝一体化〟を無視する姿勢が表れています。お父様の本来の意図は、『顯進が(金起勳氏に)侍って協助する立場に立つ』(マルスム選集609-134)ことを通して、『アベルを神様とアダム、エバよりもっと愛さなければならない』という『カイン・アベルの関係』を学ばせるためのものでした。しかし、顯進様はそれに従わず、同年12月10日、『フィリピンを訪問してGPCを強行』(164ページ)しました。
 そして、『統一教会の分裂』は、2010年5月末、顯進様が『ブラジルを訪問し、ビショップ・フェレイラと会い、南米GPF活動の支援を得るなど、活発な活動』(165ページ)をしていたと記し、同年5月30日、『ブラジル教会を訪問した際、責任者である申東謀が韓国本部の指示により文顯進が教会の壇上に立てないように』(同)しようとする出来事が起こったと述べます。当時、南米の大陸会長であった申東謀氏は『統一教会人たちに引き摺り下ろされ』(同)、顯進様がブラジル教会の壇上と本部を占拠し集会を行ったというのです。
 『統一教会の分裂』は、『韓国本部の指示により文顯進が教会の壇上に立てないように』と述べていますが、2010年6月2日付の『世界宣教本部』(当時)の公文によれば、顯進様のブラジル教会訪問と日曜礼拝での集会の件で、申東謀大陸会長は世界宣教本部の公文を通じ、真の父母様から〝特別指示〟を受けていたのです。それは、顯進様は『真の父母様の許諾なく公式的な食口集会で説教をできない』ということでした。
 さらに、翌日の早朝訓読会で、顯進様が『彼(申東謀氏)の頭を小突き、座っている申東謀の足を蹴る』(166ページ)という暴力事件を起こしました。このことで、同年6月2日付の『世界宣教本部』の公文を通じ、真の父母様の特別指示が再度あり、それは『真の父母様はこのような暴力は絶対に容認できず、今後、顯進様は真の父母様の裁可を受けずしては、絶対に公式的な集会や教会で講演や説教を行ってはならない』という内容でした。顯進様のこの暴力事件について、『統一教会の分裂』も『非統一教会人の観点からすると、文顯進の行為は非道徳的であり、暴力的であり、合理化しにくいのは事実である』(同)と認めています。
 このように顯進様の一連の行動は、真のお父様の人事措置に対する不従順、真の父母様の特別指示や『世界宣教本部』の公文に対する無視、さらには責任者に対する暴行にまでエスカレートしていきました。これが、真の父母様が『最初の宣布文』を作成するに至るまでの経緯です」(『虚偽に満ちた』184~187ページ)

 ③「最初の宣布文」作成に込められた真の父母様の願い
 郭錠煥氏は、真の父母様の「最初の宣布文」が「お母様の強要によって作成
された文書」
(『事必帰正』145ページ)であると主張しますが、これは「最初の宣布文」の作成に込められた真の父母様の願いを無視した〝虚偽の主張〟です。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。

 「真のお父様が『最初の宣布文』を色紙の表側に書かれたあと、お父様と真のお母様が会話された内容が『統一教会の分裂』(169~173ページ)に書かれています。
 真のお母様は、『全ての宣教国は全て、あの全ての統一の民は世界宣教本部の公文の指示事項のみ認めろというここにサインするのは嫌ですか?』と真のお父様に何度もお願いされ、お父様が『なぜ、しきりにそうなの?』と理由を尋ねられると、お母様は『宣教本部を認めないから』『世界宣教本部から出る公文だけ、民は認めろ、これですよ。……食口を教育をしなければ』『法人を受けた名前を無視するんですよ、顯進が』『無知な食口は、これ、宣教本部から出る公文は偽者だ。これではいけないから』等々と語っておられます。
 これは、前述したブラジル教会で起こった事件に関連している内容です。なぜなら、(顯進様が)真の父母様の許諾なく公式的な食口集会で説教をできない』という真の父母様の指示を、『世界宣教本部』の公文を通じてブラジル本部に事前に送り、問題を解決するよう伝えたにもかかわらず、申東謀氏は『統一教会人たちに引き摺り下ろされ』、顯進様がブラジル教会の壇上と本部を占拠し集会を行ったからです。
 このような事態による混乱を収拾するため、真のお母様は食口の教育のために色紙の裏側の『特報事項』の世界統一教宣教本部の公文のみ認定するという内容を書かれるよう何度もお願いされたのです。しかし、『統一教会の分裂』は、『統一教会から文顯進を完全に除去するために作成された』という〝虚偽のストーリー〟を描くために、色紙の裏側の『特報事項』や、真のお父様とお母様の会話のやり取りの核心部分を全て削除しているのです。
 真のお父様は『最初の宣布文』の裏側に『特報事項』を書き、それを真のお母様に渡されて次のように会話しておられます。
 真のお母様『ありがとうございます。何度も、二度三度、申し上げて、申し訳ありません。事が、さらに広がることができないようにしようと』
 真のお父様『広がれば、天が放っておかない。連れていってしまうよ。全て』
 お母様『はい。その前に悔い改めていけるように』

 このように、真のお母様はブラジル教会の事件によって、混乱が『さらに広がることができないようにしよう』とされ、『特報事項』の内容を真のお父様にお願いされたのです。
 そして真のお父様が、このような混乱が『広がれば、天が放っておかない。連れていってしまうよ。全て』と語られたことに対して真のお母様は深刻な思いで、事件の当事者が『その前に悔い改めていけるように』との切なる心情を吐露されたのです。
 このように『最初の宣布文』とは、顯進様を『除去するために作成された作品』ではなく、ブラジルで生じた混乱を収拾するためのものであり、顯進様やUCI側の人物が『悔い改めていけるように』しようとされたものです。ところが、『統一教会の分裂』は、そのような真の父母様の心情、事情、願いを無視し、み言の隠蔽によって、そこに込められた真の父母様の真意をゆがめ、顯進様を『最初の宣布文』の犠牲者に仕立て上げようとしているのです」(『虚偽に満ちた』187〜189ページ)

(2)二つ目の「真の父母様宣布文」の真実
 ①二つ目の「真の父母様宣布文」
 2011年5月25日、真の父母様は二つ目の「真の父母様宣布文」を発表されました。以下、その宣布文を抜粋し引用します。

 「全世界の統一教、霊界、地上界、祝福家庭食口、特にUCI指揮下にいるすべての食口たちに次の事項を指示する!
 まず、全食口は、永遠・永生の世界にたった御一人である真の父母様の指示と命令に絶対に服従しなければならないことを忘れてはならない!これが統一家の永遠の伝統であり、信仰である!この点については、天宙的に真の子女も、一般食口も同様である。……(中略)……
 四番目に、文顯進をはじめとするUCI理事陣は、汝矣島以外にもUCI指揮下で進行しているその他すべての訴訟を即刻中断し、今まで真の父母様の許諾なく公的資産を処分して得た全財産を返還せよ。すべて公的に、天の摂理を成し遂げるために使用するものである。
 統一教会と関連するすべての組織と機関を創設した創始者として、そして真の父母である文鮮明・韓鶴子夫妻の名で、これらの指示を全天宙に宣布するものであり、すべての人々は、この点について億万年(永遠に)期間、順理的に服従してくれるように願う。

2011.4.23(陽5.25)

 ②二つ目の「真の父母様宣布文」作成に至るまでの経緯
 郭錠煥氏はインタビュー映像で「私が知るには、『郭グループ』という言葉を作り、このフレームを組んで、世界的に宣伝するように指揮し、督促した方が、真の子女様であるのを知っています。……顯進様はその困難の中でも正道を歩む、お父様が指示された公的使命を完遂するために……第一線でそのように正道を歩みながら開拓をし、苦労をされるから。そのような顯進様が怖く、そのような顯進様に勝つことができないのだから。(別の子女様方が)こんな偽の新造語(「郭グループ」)を作って、顯進様に矢を放つように仕立てた……」(13分05秒〜14分41秒)などと述べます。
 教理研究院は、この説明が「UCI問題」の事の真相を歪めた〝虚偽の主張〟であることを、『虚偽に満ちた』で明らかにしています。
 真実を知るには、2011年5月25日に真の父母様が発表された二つ目の「真の父母様宣布文」の作成に至るまでの経緯を理解しなければなりません。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。

 「1998年7月19日、顯進様が『世界平和統一家庭連合』の世界副会長に就任したことで、信徒の中には、顯進様が真のお父様の〝後継者〟であると考える人もいました。しかしながら、家庭連合の教えは、『真の父母というのは一組しかいないのです』(八大教材教本『天聖経』2400ページ)というように、人類の真の父母は〝永遠に一組〟であるというものであり、人類の真の父母に後継者は存在しません。キリスト教が2000年間イエス様と聖霊を中心に歩んだように、天一国も、文鮮明・韓鶴子ご夫妻が、永遠に唯一なる人類の真の父母であられるのであり、そういう意味で『真の父母』に後継者は存在しないのです。
 ところで、2008年4月18日、亨進様が家庭連合の世界会長に就任した頃から、顯進様は真の父母様の指導や指示に従わず、別の動きをすることが顕在化するようになりました。2009年3月8日、韓国・束草で、真のお父様は顯進様に対し『全ての公職から退き、父母と共に生活しながら「原理」を学ぶように』『GPFから1年間、休むように』と指示されましたが、顯進様は従わず、同年9月10日を最後に、真の父母様の前に姿を見せなくなったのです。また、郭錠煥氏も同年12月を最後に、真の父母様の前に姿を見せなくなりました。
 2010年2月、顯進様はGPF大会を開催し、それに対して真のお父様は再度、『GPF大会をしてはならない』と指示されましたが、その後も大会を強行していきました。
 顯進様は、同年4月27日、家庭連合およびその関連団体の資産を管理するUCI(国際統一教会、Unification Church International)の理事会を乗っ取り、真の父母様の指導や許可を得ずに公的資産を売却し、定款も改定し、『国際統一教会、Unification Church International』の名称を、単にUCIに変えて統一教会および真の父母様との関係を断絶させ、それを運営するようになりました。
 そうした状況の中、2011年5月25日、真の父母様は『真の父母様宣布文』を発表され、その中で、顯進様をはじめUCI理事陣(顯進様を中心とするグループ)に対し『即刻現職から退くこと。許諾なく公的資産を処分して得た全財産を返還せよ』と指示されたのでした。しかし、顯進様はその指示を完全に無視し、今なお別行動を続けています。……
 ちなみに、『統一教会の分裂』は、(顯進は)創始者のアイデンティティを維持しながら、それを創意的に拡大しデザインしようとしている』(323ページ)と述べていますが、顯進様の説くアイデンティティは、真のお父様の語られるアイデンティティとことごとく食い違ったものになっています。
 そのような中において、故・神山威氏が顯進様に従おうとした時には、真のお父様は神山氏を呼ばれ、2010年7月16日のいわゆる『ボート会議』で次のように語られました。

 (顯進は)もう、ずっと前に離れたんだよ、10年前に』『顯進は先生と同じ方向に向いていない。逃げ回っている。顯進が先生の方向に来なければならないんだよ』『なぜ先生に質問しないで顯進のほうに行くのか』『顯進は先生と同等の立場を取っている。他の子は先生を重要視している』

 顯進様のアイデンティティがことごとく真のお父様のみ言と食い違っている事実を考えたとき、お父様は何とかして、み言と食い違ったアイデンティティを主張している顯進様を教育しようとしておられたに違いありません。事実、2009年3月8日、韓国・束草で、お父様は顯進様に対して『顯進、おまえも別の所に行かず、父の所に来て、父に付いて回りなさい』(マルスム選集609-133)と直接、命じておられます。そして、特別に顯進様に、真の父母様に対する学習をしなさい、カイン・アベルの関係を勉強しなさいと指示されました。
 しかし、その真のお父様の指導にも従わず……非原理集団化してしまったことに対して、深く心を痛めざるをえません。
 2017年12月2日、顯進様は『家庭平和協会(FPA)』という組織を立ち上げ、『FPAは、創始者が世界平和統一家庭連合を通して実現しようとしていたものを目標としている』(『統一教会の分裂』314ページ)と平然と述べるなどし、組織を分裂させる動きをさらに強めています。
 以上の経緯を踏まえて考えてみると、事の真相は『統一教会の分裂』が述べているような『真のお母様の陰謀』によって顯進様が追い出されたというのではなく、真のお父様のみ言と食い違うことを主張し、顯進様がお父様の願いに従わずに別行動を取り続けたということによるのです。その結果が、今のような状況を招いているのです」(『虚偽に満ちた』23〜26ページ)

 郭錠煥氏による「UCI問題の経緯」に関する説明は、事の真相を歪めた〝虚偽の主張〟にほかなりません。
 私たちは、真の父母様を背信し、そのもとを離れ去り、さらに真の父母様と関係のない団体を創り、非原理的活動を行う郭錠煥氏の〝虚偽の言説〟に惑わされてはなりません。