2021年4月17日の「ONE TRUTH有志の会」の批判に対する応答

文責:教理研究院

         注、真の父母様のみ言は「青い字」で、UCIおよびFPA(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 「ONE TRUTH有志の会」(以下、「有志の会」)は2021年4月17日、彼らのブログに「教団内の『お父様有原罪』推進派に口をつぐむ教理研究院」と題する批判文を掲載しました。
 「有志の会」が取り上げている金振春博士(天一国学術苑苑長)の「論文」発表について言えば、最初の論文発表が2017年2月7日であり、その改訂版発表が2017年3月のことでした。金振春博士は、この「論文」で「お父様有原罪」誕生の発言をしたと「有志の会」は述べています。金振春博士は次のように述べています。
 「『み言選集』において、真のお父様の原罪に対する直接的なみ言は発見できずにいる。すなわち、原罪があるという明らかなみ言もなく、原罪がないという明らかなみ言もない」(日本語訳14ページ)「誕生の時にサタンの讒訴が全くないと言うことは難しく、したがって、原罪が全くないと言うことが難しい点を示唆している」(日本語訳22ページ)とあるように、金振春博士は、真のお父様に「原罪」があるとも、ないとも述べていないというのが真実です。

 その後、真のお母様ご自身が、2017年4月12日のご聖婚57周年記念式典で「原罪なく生まれた独り子」と語られました。これが、真のお母様が公式の場で語られたみ言であり、私たちが最も重要視すべき内容です。
 真のお母様のみ言から12日後の4月24日に、再び金振春博士が韓国の教区長を集めた会議の場で「お父様有原罪」誕生の発言をしたと「有志の会」は述べています。しかし、金振春博士は4月24日、「この内容は、一旦はお母様が『牧会者達に教育をせよ』と仰ったので、私が今こうして教育しているのです。自発的にしているのではなく。『教材をそのように作りなさい』と仰った」と述べてはいますが、「この内容」というのが明確になっていません。その場に参加した教区長の発言では、「私は、お父様は原罪なく生まれたというみ言を聞いてきたのですが、今この金振春総長の研究を聞いてみると『確実ではない』とおっしゃるのですが、今この信仰は私たちの組織を導く教区長たちとして、これを食口たちにどう話していくべきか」と応答しています。この教区長の発言によると、金振春博士はこの会議で「原罪」があるとも、ないとも語っていません。

 そして、UTSのミックラー教授は、2017年5月29日から5月30日にベルギーで開催された〝新宗教関連の学者〟のセミナーで、金振春博士の発言に基づいたと言いながら、「確実に言える訳ではありませんが、私は文鮮明牧師が原罪なく生まれなかったと信じています」と発言しました。そのために、『統一教会の分裂』の著者・金鍾奭氏が「あなたは文鮮明牧師が原罪をもって生まれたと信じますか?」と追及したため、ミックラー教授は「Yes」と答えたのです。これに対して、「有志の会」は、ミックラー教授が「お父様有原罪」誕生を認める発言をしたと批判しています。しかし、この発言は、真のお母様が公式に認めた内容ではなく、あくまでも私見に過ぎないものです。

 ところで、2017年9月10日の「孝情学術苑国際学術シンポジウム」では、真のお母様の指名を受けて、金恒濟教授(当時、天一国学術苑共同苑長)が「真の父母としての啓示」という論文を発表しましたが、その場で金恒濟教授は、「独生子・真のお父様」の聖誕について次のように述べました。

 「独生子はサタンが讒訴する条件と原罪がなく、堕落と関係ない〝神様の唯一の血統であり唯一の息子〟」(「学術論文」88ページ)
 「真のお父様は神様の唯一で原罪のない息子、独生子として誕生された」(同、89ページ)

 最も重要なことは、真のお母様ご自身の語られた「原罪なく生まれた独り子」というみ言であり、私たちは真の父母様のみ言にこそすべての根拠をおくべきです。
 そして、時系列で見るなら、天一国指導者たちが発表した確実な情報として、当時、金振春博士と共に「天一国学術苑」の共同苑長を務めていた金恒濟教授が「真のお父様は神様の唯一で原罪のない息子、独生子として誕生された」(「学術論文」89ページ)と発表した内容こそ、同じテーマの確実な情報です。そして、それは真のお母様が指名して発表された論文であることからも、公式的なものであり、お母様のお考えそのものであることは明らかです。
 何度も述べているように「原罪なく生まれた独り子」と語られた真のお母様のみ言こそお母様の真意を述べたみ言なのです。私たちが、最も優先すべきものは、真の父母様のみ言であるはずです。ねじけて物事を見つめるのではなく、もっと素直になってみ言を受け止めるべきです。

 聖書に「心のねじけた者は主に憎まれ、まっすぐに道を歩む者は彼に喜ばれる」(箴言11・20)とあります。私たちはまっすぐにみ言を受け止めるべきです。ところが、「有志の会」の人々は、素直になれないのみならず、真の父母様のみ言に根拠を置こうとはしません。ここに、彼らのゆがんだ信仰姿勢が如実に現れていると言わざるを得ません。
 もし、天一国指導者の発言に耳を傾けるとするなら、2017年4月24日の教区長を集めた会議の場で、ある教区長が金振春博士の発表に対して「今日の講義を聞いてみたところ、これはまだ少し不完全だと感じます」と述べました。したがって、この同じテーマで、後に真のお母様の指名により、発表した金恒濟教授(当時、天一国学術苑共同苑長)の論文内容こそ、公式見解であることは明らかです。
 誰かの発言、論文を取り上げて論じるなら、その取り上げるテーマの内容がより公式に認められている内容なのかを検討し、確実な情報にアップデートしていくことが、物事を理解する上でより大切な姿勢ではないかと考えるからです。
 もし、真の父母様に対する不信を煽るため、人の〝揚げ足を取る〟ことに生き甲斐を感じているようであるなら、真実が何であるのかを見極めることは、極めて難しいものと言わざるを得ません。

 ところで、真のお母様は、「孝進は生きていたとき、口癖のように『孝子は私のものだ』と話していました。死ぬ瞬間まで父母に対する孝行の心は変わりませんでした」(『世界家庭』2018年11月号、8ページ)と語っておられますが、私たち子女は、真の父母様の前に〝孝情〟をもって信仰生活をなしていかなくてはなりません。
 その孝進様が聖和された後、2008年4月6日、ハワイで挙行された第49回「真の父母の日」の式典において、真のお父様は、真のお母様の両側に顯進様と國進様を立たせ、次のようにみ言を語られました。

 「あなたたちカインとアベルが、お母様の言葉に絶対服従しなければなりません。……あなたたち兄弟同士で争って分かれることはできません。それが父母を殺した元凶です。ですから、われ知らず憎みます。声を聞くのも嫌で、歩いていくのを見れば、後からついていって殺したい思いが出てきます。あなたたち(兄弟同士)に、われ知らずそのような思いが出てくるというのです」(『ファミリー』2008年6月号、30ページ)

 このハワイの式典で、真のお父様が語っておられるように、真のお母様の言葉に子女である顯進様と國進様が絶対服従し、一体化していくべきでした。しかし、顯進様と國進様が、真のお父様の願いである〝真のお母様の言葉に絶対服従する〟ことができなかったところに、今日の子女様の問題、非原理集団の問題が起こってしまった原因があると言わざるをえません。
 私たちは、真の父母様の前に〝孝子の道理〟を果たさなければならないのです。天上におられる真のお父様、地上で摂理を牽引される真のお母様に対して、これ以上、悲しみを与えるのではなく、心情の棘を抜き、喜びを返す子女とならならなければなりません。

以上