「韓民族選民大叙事詩」批判に対する応答②

文責:教理研究院

     注、真の父母様のみ言や『原理講論』および家庭連合の出版物の引用は「青い字」で、非原理集団など主張は「茶色の字」で区別しています。

(2)「清州韓氏(チョンヂュ・ハンシ)箕子(きし)後裔(こうえい)説の批判的検討」に対する応答

 「韓民族選民大叙事詩」を正しく理解しようとすれば、第1回目の「韓民族選民大叙事詩」批判に対する応答①で述べたように、まずは①『神話』と『歴史』の違いおよび②『叙事詩』についての内容を踏まえ、「叙事詩」の意味について理解しておかなければなりません。
 なぜならば、「韓民族選民大叙事詩」を批判する人は、「叙事詩」の意味を踏まえないで批判する傾向があるためです。最低でも、「叙事詩」の意味を踏まえた上で論じて欲しいものです。そうでなければ、ただ単に〝揚げ足取りの扇動家(アジテーター)〟に過ぎないと言えるからです。

 ところで、「清州韓氏(チョンヂュ・ハンシ)の始祖は天から降りてきた神聖な存在で、韓半島の清州地域に定着して家門を築いたと言われている」(『韓民族選民大叙事詩』天苑社27ページ)という説明に関連して、韓国の教授陣は次のような説明をしていました。ただし、ここで以下、引用する論述は、教授陣による「執筆委員会」が〝本研究報告書は、最終本ではありません〟と断って紹介した途中経過での説明文です。
 〝韓氏王朝とは、中国の殷(いん)の王族であった箕子(きし)が、周(しゅう)の支配を拒否し、韓半島に来て立てた箕子朝鮮のことを意味する。箕子朝鮮は、古朝鮮の一つの王朝として、紀元前1122年から195年頃まで存続したと推定される〟

 この説明文に対して、UCI側を支持する人物は次のような批判をしています。
 「清州韓氏(チョンヂュ・ハンシ)が箕子朝鮮(きし・ちょうせん)の準王の子孫であり、韓民族の甲種族(同系統の種族)であるという説が登場する。……結論から言うと、清州韓氏の箕子朝鮮由来説は朝鮮王朝 光海君(クァンヘグン/李氏朝鮮の第15代王)時代に作られた『虚構』である。清州韓氏の族譜には複数のバージョンがあり……このような状況下において、清州韓氏が韓民族の甲種族であるという主張は、中国の古代史と春秋戦国時代の歴史を知る専門学者から見れば、歴史的事実を恣意的に解釈する曲学阿世(きょくがくあせい/迎合のために学問をねじ曲げること)に過ぎない」

 UCI側の人物は、上記のように批判しています。しかしながら、真のお父様は「清州韓氏」について、次のように語っておられます。
 「真のお母様の韓氏(の先祖)は、今から4300年以前に、千年歴史を綴ってきたのです。……6000年歴史と連結することのできる先祖が誰かと言えば、東夷族であり、韓氏なのです。清州が本貫(ほんがん/氏族集団の発祥の地)になっています。……清州は韓氏の故郷なのですが、そのような宗族(そうぞく)たちの源流の地(ルーツが東夷族)であったというのです」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集613-155)
 次のようなみ言もあります。
 蒙古斑は、単純にモンゴリアンを表示するために生じた生理的な斑点ではありません。後天開闢の時代が訪れる時、真の父母様を中心として全人類を糾合し、統一する求心点とするために、いち早く天が下さった東夷族の証票です。……蒙古斑同族の中心軸の位置に立っている韓民族は……人類の先頭に立ち、真の父母様の伝統を伝授する代身者としての使命を果たさなければならない選民です(天一国経典『天聖經』1434ページ)
 お父様は、「蒙古斑同族の中心軸の位置に立っている韓民族は選民だと述べています。
 さらに、「韓国は4300年の歴史をもっており、その歴史の中に古朝鮮時代がありました。我が民族は天文を研究して天の運勢を解いた東夷民族です。天文学の博士たちでした。韓国の歴史を見ると、国教がありましたが、新羅時代と高麗時代は仏教であり、朝鮮時代は儒教でした。我が民族の起源をさかのぼると、古朝鮮以前に韓氏が住んでいたという記録があります」(鮮鶴歴史編纂苑編『愛しき君よ花咲かせたまえ』成和出版社23ページ)
 真のお父様は6000年歴史と連結することのできる先祖が……東夷族であり、韓氏なのです。清州が本貫になっていますと語られ、「蒙古斑同族の中心軸の位置に立っている韓民族は……選民ですと述べ、さらに「我が民族は……東夷民族です。……我が民族の起源をさかのぼると、古朝鮮以前に韓氏が住んでいたと語っておられます。以上のように、真のお父様は、古朝鮮について触れておられます。
 これに関連して、『新版韓国の歴史——国定韓国高等学校歴史教科書』(明石書店)は、「古朝鮮の建国」の項目で次のように説明しています。

 古朝鮮は檀君王倹(タングンワンゴム)によって建国されたという(B.C.2333)。……すべての神話に共通する属性の一つとして、神話はその時代の人の関心を反映しているために歴史的な意味をもっている。……古朝鮮は初期には遼嶺(りょうねい)地方に中心をおいたが、後になって大同江(テドンガン)流域の王倹城(ワンゴムソン)を中心にして独自の文化をつくって発展した。……古朝鮮の発展と関連して箕子朝鮮についての記録がある。中国の史書には周の武王(ぶおう/初代王)が箕子を朝鮮に封じたとなっている。……箕子朝鮮を、朝鮮の発展過程で社会の内部に登場した新しい支配勢力を示すものとして、または東夷族の移動過程で箕子に成長したある部族が古朝鮮の辺境で政治勢力をつかんだものと見る見解が支配的である」(40~51ページ)
 前述した真のお父様のみ言、および教科書『新版韓国の歴史』の説明などを踏まえてみると、次のように述べることができるのです。「韓民族の起源を『東夷族』と言います。真のお父様も『東夷族』が韓民族の起源であることを語られています。私たちは東側に送られた韓民族が『韓氏王朝』を建てたと信仰告白するのです(『韓民族選民大叙事詩【補助教材】』55ページ)。
 なお、古朝鮮とは「檀君朝鮮・箕子朝鮮・衛氏(えいし)朝鮮の三朝鮮の総称」ですが(ウィキペディア「古朝鮮」2026年2月20日確認)、この3つの国家のうちの、檀君朝鮮と箕子朝鮮は神話であるとされています。
 先に述べたように、「叙事詩」の意味を正しく理解するには、「神話」と「歴史」および「叙事詩」の違いを理解しておく必要があります。これについては、第1回目の応答文で述べましたが、重要ですので『韓民族選民大叙事詩【補助教材】』から、改めて簡潔に引用しておきます。
 「宗教の歴史には、神聖な物語である『神話』があります。……『神話』は神々の物語で……『神話』の主人公・行為者は神々です」(48~49ページ)
 それに対し「歴史」とは、「人間の物語です。人間が何をしたのか、ということで……行為者は人間です。……人間が目で確認し、記録を通して語る人間の物語が『歴史』なのです」(49ページ)
 そして「叙事詩」とは、神々が人間の歴史にどう関わったかを述べ、その中で人間も共にあってつくられる物語が『叙事詩』なのです」(同)
 その「叙事詩」の代表が、旧約聖書の「創世記」です。この創世記と同様の「叙事詩」の形式をもって語られているのが「韓民族選民大叙事詩」であることを理解する必要があります。まさしく、「韓民族選民大叙事詩」とは、天の父母様と人間(韓民族)が共にあって綴られている選民のストーリーです。それを踏まえた上で、神話とされる「檀君朝鮮・箕子朝鮮」について理解を深めなければなりません。

 前述したごとく、『新版韓国の歴史』の教科書は、「古朝鮮は檀君王倹によって建国された……すべての神話に共通する属性の一つとして、神話はその時代の人の関心を反映しているために歴史的な意味をもっている」とします。さらに、「東夷族の移動過程で箕子に成長したある部族が古朝鮮の辺境で政治勢力をつかんだものと見る見解が支配的である」とも説明しています。そのことに関連するものとして、真のお父様が語られる「韓国は4300年の歴史をもっており、その歴史の中に古朝鮮時代があり……(その起源は)東夷民族です。……我が民族の起源をさかのぼると、古朝鮮以前に韓氏が住んでいたという記録があります」というみ言を踏まえなければならないと言えるでしょう。
 そればかりでなく、真のお父様は「真のお母様の韓氏(の先祖)は、今から4300年以前に、千年歴史を綴ってきたのです。……6000年歴史と連結することのできる先祖が誰かと言えば、東夷族であり、韓氏なのです。清州が本貫になっています。……清州は韓氏の故郷なのですが、そのような宗族たちの源流の地(ルーツが東夷族)であったというのです」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集613-155)と語っておられることは極めて重要なことと言わざるを得ません。以上の内容を総合的に踏まえて、箕子朝鮮について理解を深めなければならないでしょう。
 まず、最低でも「叙事詩」の意味を踏まえた上で論じなければならないはずですが、その意味さえ踏まえないまま、「清州韓氏が韓民族の甲種族であるという主張は、中国の古代史と春秋戦国時代の歴史を知る専門学者から見れば、歴史的事実を恣意的に解釈する曲学阿世(きょくがくあせい/迎合のために学問をねじ曲げること)に過ぎない」と述べるのは、単なる〝揚げ足取りの扇動家(アジテーター)〟に過ぎず、真のお父様のみ言から完全に乖離している批判だと言わざるを得ません。