文責:教理研究院
注、真の父母様のみ言や『原理講論』等は「青い字」で、サンクチュアリ教会の主張は「茶色の字」で区別しています。
元・光言社の翻訳担当であったサンクチュアリ教会の中村仁史氏は、2020年1月29日公開のサンクチュアリ教会の礼拝説教「天運と聖霊の宿る『8大教材教本』~『統一原理』から見た独生女論の問題点~」で、真のお母様批判をしています。
最初に教理研究院として一言述べておきます。中村仁史氏が説教で真のお母様批判を行い、疑義を呈している内容に対して、すでに教理研究院は2019年12月25日に「真の父母様宣布文サイト」に掲載した「真理とは、『実体み言』である天地人真の父母様――天一国時代におけるみ言の理解と解釈について」で、その回答となる内容を公開しています。それを踏まえないまま、今回、中村仁史氏が真のお母様批判に走っていることは、み言の本質が理解できていないと言わざるを得ず、非常に残念なことと言わざるを得ません。
中村仁史氏はその説教の中で、次のように真のお母様批判をしています。
「最初に私が違和感というか、おかしいと思ったのがこの日ですね。2013年2月10日、陰暦1月1日真の神の日のこの日です。……この日に初めて家庭盟誓が、神様が天の父母様になって、名節の名称が真の神の日から天の父母様の日というふうに変わったんですね。変わったことに驚きました……」
中村仁史氏は、真のお母様が「神様」の呼び名を「天の父母様」にされ、さらに「家庭盟誓」や名節の名称を「天の父母様」に変更されたことに対し、彼は「違和感というか、おかしいと思った」などと述べています。
しかし、真のお父様は、神様が「天の父母」であることを明確にしておられましたし、『原理講論』も神が「天の父母」であることについて明確に述べています。また、 「天の父母様」という呼び名自体も、真のお父様がすでに神様に対し語りかけ、祈っておられたものです。中村仁史氏は、光言社でみ言を翻訳しながら、それらのみ言を理解していなかったことに対して、大きな驚きを禁じ得ません。
これから何度かに分けて、中村仁史氏によるお母様批判に対し反論をしていきますが、まず「真の父母様宣布文サイト」に掲載した内容を取り上げながら、そこに補足のみ言を加えつつ「天の父母様」の概念が真理であることを明らかにします。
この反論文と共に「真の父母様宣布文サイト」に掲載した「真理とは、『実体み言』である天地人真の父母様――天一国時代におけるみ言の理解と解釈について」の全文をお読みくださるようお勧めいたします。https://trueparents.jp/?page_id=5661
一、神は「天の父母様である」
(1)神はご自身の中に陽性・陰性をもっておられる
神について『原理講論』は次のように論じています。
「存在するものはいかなるものでも、陽性と陰性の二性性相の相対的関係によって存在するという事実が明らかにされた。それゆえに、森羅万象の第一原因としていまし給う神も、また、陽性と陰性の二性性相の相対的関係によって存在せざるを得ないということは、当然の結論だといわなければならない。……我々はここにおいて、神における陽性と陰性とを、各々男性と女性と称するのである」 (46~47ページ)
神は唯一であられながら、陽性・陰性(男性・女性)の相対的関係をもって存在しておられます。それゆえ『原理講論』は、神について「父母なる神」 (61ページ)、「人間の父母としていまし給う神」 (92ページ)、「天の父母なる神」 (235ページ)、 「神は、霊的な父母として、人間を実体の子女として創造された」 (429ページ)、 「神は子女を失った父母の心情をもって悲しまれながら悪逆無道の彼らを救おうとして、罪悪世界をさまよわれた」 (591ページ)等々と述べています。
これらを見れば、神はキリスト教で呼んできた〝天のお父様〟というよりも、〝天の父母様〟と呼ぶのがよりふさわしいと言えるのです。
真のお父様は、『平和神經』に収録された「霊界報告書」の表題に「神様は人類の父母」と明記しておられ、「天基元年」を宣布された2010年の「真の神の日」の祈祷において、神に対して「天の父母様(하늘부모님)」と呼びかけて祈っておられます。
また、真のお父様は神の概念について、次のように語っておられます。
「皆さんの生命の根は、どこにありますか。堕落していない父母にあります。では堕落していない善なる父母の位置は、どのような位置ですか。神様が二性性相の主体であられるように、神様が自分の二性性相を展開し、神様の形状どおり万宇宙を造り、人間を造ったのです。アダムは神様の男性的性稟を展開させたものであり、エバは神様の女性的性稟を展開させたものなのです。このように見るとき、私たち一般人が普通『天のお父様!』と言うのは、お一人ですからそのように言うのでしょうが、そのお一人という概念の中に『天のお父様、お母様』という概念が入っているというのです」 (八大教材・教本『天聖經』1421ページ)
真のお父様は、 「天のお父様」の概念の中に「天のお父様、お母様」すなわち「天の父母」という概念が入っていることを述べておられます。神はご自身の中に陽性・陰性の二性性相をもっておられるのであり、その二性性相の神に似せて、 「神様の男性的性稟」であるアダムと「神様の女性的性稟」であるエバを創造されたのです。
それゆえ、真のお父様は「結婚とは何ですか。男性を通じて愛を結ぶことにより、半品存在である女性が完品存在になることです。男性も同じです。結婚を通じて完成するのです」(八大教材・教本『天聖經』1671ページ)と語っておられます。このことは『原理講論』にも次のように明確に論じられています。
「人間始祖として創造されたアダムがもし完成したならば、彼は被造物のすべての存在が備えている主体的なものを総合した実体相となり、エバが完成したならば、彼女は被造物すべての存在が備えている対象的なるものを総合した実体相となる……彼らが夫婦となって一体となったならば、それがまさしく、主体と対象とに構成されている被造世界の全体を主管する中心体となるべきであったのである」 (60~61ページ)
神の似姿として創造されたアダムとエバは、それぞれが被造世界全体の半分の実体相にしかならないというのです。それゆえ、アダムとエバが結婚して夫婦になってこそ、はじめて被造世界全体を主管し得る〝中心体〟となるというのです。すなわち二人でこそ〝完品存在〟になるのです。
また、真のお父様は「神様は天の父母である」ことを次のように語っておられます。
「私たちは二つの世界を知っています。霊的な世界ももっているというのです。霊的な天の国に神様がおられることを知らなければなりません。分かりますか? 祈祷すればいいのです。祈祷。神様がいるではないですか。真の父母は地上の父母であり、神様は天の父母であるのです」 (マルスム選集170-239)
「創造主は、真の愛を中心とした心の父母であり、アダムとエバは、横的な体の父母なのですが、この二つが合わさって天の父母と地の父母が一つとなり、天と人が合わさって息子、娘が生まれたならば、この地に生まれるすべての人々に宗教は必要ないのです。そのままで神様の国へ行くのです」 (八大教材・教本『天聖經』91ページ)
真のお父様は「神様は天の父母である」と語っておられます。すなわち、神様は「真の愛を中心とした心の父母」であり、アダムとエバは「横的な体の父母」なのです。
また、次のようにも語っておられます。
「創造主は真の愛の縦的父母であり、創造されたアダムとエバは、子の立場でありながら神様の体である横的な父母の立場に立ちます。それらが内外一つとなることによって、内外の共鳴体となって授受作用をすれば、中心が生じると同時に、その内外の共鳴圏の中心が植えつけられるのです。それが、皆さんの生まれた生命の根源です」 (八大教材・教本『天聖經』1455ページ)
神様は「縦的父母」であり、アダムとエバは「横的な父母」であると語っておられます。このように、真のお父様が神について「天の父母」や「縦的父母」等々と語っておられるように、神は人類の「天の父母様」なのです。
さらに、真のお父様は天の父母様に対し、次のように語っておられます。
「神様が父ならば母なる神がいなければなりません。分かりますか? (「はい」。)天の父母と言うときは必ずお二人なので、統一教会では二性性相の中和的主体であると同時に格としては男性格としておられるといいます。ですので、正から分かれて、男性、女性を分けておいたというのです」 (マルスム選集388-155)
真のお父様は「神様が父ならば母なる神がいなければなりません」と語っておられるように、神は父なる神だけでなく、母なる神もいなければなりません。それゆえ、神は天の父母様であるというのが、より原理的な説明です。
サンクチュアリ教会では、この「天の父母」という概念は〝二元論〟であると批判していますが、その批判は完全な誤りです。神は唯一であられ、一元論の存在であることは言うまでもありません。しかしながら、『原理講論』に「第一原因としていまし給う神も、また、陽性と陰性の二性性相の相対的関係によって存在せざるを得ない……神における陽性と陰性とを、各々男性と女性と称する」(46~47ページ)と明記されているように、唯一なる神の中に男性と女性があるのです。それに基づいて、真のお父様は「天の父母様(하늘부모님)」と呼びかけておられるのです。もし、天の父母という概念が〝二元論〟であるというならば、真のお父様ご自身が〝二元論〟を語っておられるという、とんでもない主張となってしまうことを知らなければなりません。
前述したように、2010年1月1日の第43回「真の神の日」、真のお父様は「天の父母様」と祈られましたが、その祈りには「天のお父様、お母様」すなわち「天の父母」という概念が明確に入っていることを知らなければなりません。
(2)神の願いは、〝実体の真の父母〟になること
『原理講論』は父母なる神として安息することについて、次のように述べています。
「アダムとエバが完成された夫婦として一体となったその位置が、正に愛の主体であられる神と、美の対象である人間とが一体化して、創造目的を完成した善の中心となる位置なのである。ここにおいて、初めて父母なる神は、子女として完成された人間に臨在されて、永遠に安息されるようになるのである」 (61ページ)
アダムとエバが個性完成し、結婚して「完成された夫婦」となることによって「初めて父母なる神は、子女として完成された人間に臨在されて、永遠に安息されるようになる」というのです。ところが、アダムとエバが堕落し、創造理想を完成した人間になれませんでした。
真のお父様は、神が真の父母になれなかったとして、次のように語っておられます。
「神様は、先生の中でも最も優れた先生であり、父母の中でも第一の父母です。第一の父母なら、その父母は偽物の父母ですか、真の父母ですか。真の父母だと言うのです。そのような真の父母が、人間が堕落することによって真の父母になれませんでした」 (八大教材・教本『天聖經』262ページ)
アダムとエバが堕落することで、神は真の父母になれなかったというのです。本来なら神は「父母なる神」として完成した人間に臨在し安息すべきであったのに、人間始祖の堕落によって、それができなかったというのです。
また真のお父様は、神の願いについて次のように語っておられます。
「神様の願いは何ですか? 神様はこのすべての万物においては主人であり、人類においては父母になることです。神様はこの全ての被造世界の主人であると同時に、人間の父母だというのです」 (マルスム選集195-187~188)
すなわち、神様の願いとは「人間の父母」になることでした。真のお母様も2013年の第46回「天の父母様の日」で次のように語っておられます。
「お父様は、『神の日』をお定めになりながら、既に神様の解放のために基元節をお考えになり、神様を『天の父母様』とおっしゃっていました。今、お父様の祈祷の中でそのことを聞いたでしょう。 (「はい」)そうです。神様の願いは父母様になることなのです」(『トゥデイズ・ワールドジャパン』2013年天暦2月号32ページ)
真のお母様も「神様の願いは父母様になること」であると語っておられます。すなわち神の願いとは「完成された夫婦」に臨在し永遠に安息することで成し遂げられるのです。
2013年天暦1月13日の「基元節」は「天地人真の父母様聖婚式」が挙行された日です。真のお母様が「『基元節』は神様の夢が成される日」 (天一国経典『天聖經』1374ページ)であると語っておられるように、その日、神の願いが成されたのです。それゆえ2013年の「基元節」を迎える前の2013年陽暦1月7日、真のお母様は指導者たちを集められ、次のように重大な宣布をされました。
「旧約時代には、神様を『ヤハウェ』と呼びました。新約時代には、『父なる神』と呼びました。『基元節』は、神様の夢が成し遂げられる日です。それで、今から名称を変えようと思います。祈る時は、『神様』を『天の父母様』に変えなければなりません。……神様は天の父母様です。祈る時、一番初めに出てくる単語が『天の父母様』、その次に『愛する天地人真の父母様』、このようにならなければなりません」 (天一国経典『天聖經』1374ページ)
真のお母様は2013年の「基元節」を通して天一国時代を迎える前に、「神様」の名称を「天の父母様」に変えると宣布されました。それは「天の父母を中心とした地球星大家族主義の世界が成される時」(八大教材・教本『天聖經』2048ページ)であるからです。それゆえ2013年の「基元節」において、神の切実なる願いであった〝人類の父母〟になる夢が遂に成し遂げられたのです。
「基元節」以降の私たち祝福家庭の責任は「天の父母様を知らない人がいないようにすること」 (天一国経典『天聖經』1374~1375ページ)であることを心に刻み込んでおかなければなりません。
(3)天一国時代は、天の父母様を中心とした理想世界が実現する時
真のお父様は、遠からずして「天の父母様」について明らかにするときがくることを予告され、次のように語っておられました。
「皆さんは父母の能力を知らなければなりません。兄弟たちを知る前に父母を知らなければなりません。……統一教会を中心として神様のみ旨のために難しいすべてのことを突破して進まなければなりません。世の中の人々は天の父母に対すること(内容)を、よく知らずにいます。遠からず、これに対すること(内容)を明らかにすべきときがくるでしょう」(マルスム選集16-198~199)
このみ言は1966年3月22日、第7回「父母の日」の記念式で語られたものです。真のお父様はその式典で「この世の人々は天の父母に対すること(内容)を、よく知らずにいます」と訴えられ、 「遠からず、これに対すること(内容)を明らかにすべきときがくる」と予告しておられました。
真のお父様は、ご自身が最後に創設された「アベル女性UN」(2012年7月16日)の創設メッセージの際に、次のように語っておられます。これは、真のお父様の「聖和」が近づいておられたときのみ言になります。
「今に至るまで、数多くの宗教がありますが、父なる神様を信じる宗教にはなりましたが、母のいない宗教を信じてきたという恥ずべき、恥ずかしさをこの時間に爆発させ、その歴史的な、あってはならないその悲運の痕跡を取り消すために……私の歩む道は、平和な道ではありませんでした。……父なる神様は知っていますが、母のいない父を自分の神様だと言って争い、奪い合う闘いをするこの教団どもの愚かさと国の権威の喪失を、誰が是正してあげるのですか」 (教理研究院著『虚偽に満ちた金鍾奭著「統一教会の分裂」――軌を一にする郭錠煥著「事必帰正」』光言社346ページ)
このように、真のお父様は「父なる神様は知っていますが、母のいない父を自分の神様だと言って争い、奪い合う闘いをするこの教団どもの愚かさ」と激白されました。
さらに真のお父様は、私たちが最後にすべきことについて次のように語っておられます。
「私たちが最後にすることが何かと言えば、神様を知らない民族に神様を分かるように、天の父母を教えてあげることです。私たちが教えてあげなければなりません。天の父母に仕えることのできる三千万の民族になれば、絶対滅びません。いくらありったけの力を込め、何か感情をもってしても滅びないというのです。この国のために今まで闘ってきた伝統的な思想を中心として、愛国、愛族(を)成すにおいては、統一教会の群れのようにしなければならないのです。自己の私利私欲を貪る群れではいけません」 (マルスム選集64-244)
真のお父様は「神様を知らない民族に神様を分かるように、天の父母を教えてあげること」であると語られました。 「天の父母に仕える」ことのできる民族になれば、絶対に滅びないと言われるのです。これは、私たちが最後にすべき責任です。「天の父母様」の呼称になったことで、今や「天の父母を教えてあげる」時代となったと言えます。真のお母様も「地の果てまで、天の父母様を知らない人がいないようにすることです。それが私たちの責任」(天一国経典『天聖經』1374~1375ページ)であるとして、真のお父様と全く同じことを語っておられます。
真のお父様は、天の父母様を中心とした理想世界実現について、次のように語っておられます。
「新たに迎えた千年紀は、6000年間の救援摂理が完結され、創造理想を中心とした本然の天の国が建設される時です。……霊界と地上が一つに通じ、天上と地上に神様の国が成される時代です。……『一なる神様のもとの一つの国(One nation under God)』を越え『一なる神様のもとの一つの天宙(One cosmos under God)』として、天の父母を中心とした地球星大家族主義の世界が成される時です」 (八大教材・教本『天聖經』2048ページ)
真のお父様は「新たに迎えた千年紀」は「本然の天の国が建設される時」であると語られました。それは「天の父母を中心とした地球星大家族主義の世界」だというのです。
真の父母様は2010年に「最終一体」を宣言。「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会」を開催されて、 「天は既に、2013年1月13日を『基元節』として宣布しました。実体的天一国の始発であり、起源となる日が正にその日なのです」 (韓日対訳『天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会』41ページ)と宣布しておられました。
すなわち、2013年天暦1月13日の「基元節」は、天の父母様を中心とした理想世界である実体的天一国の始発であり、起源となる日です。
上述したように、2013年陽暦1月7日、真のお母様は「神様」を「天の父母様」と呼ぶように宣布されました。そして、2013年陽暦2月10日(天一国元年天暦1月1日)、第46回「真の神の日」から変更され、「天の父母様の日」の記念式典が執り行われました。また、その式典の中で「家庭盟誓」を唱える時も、従来の「神様」の呼称ではなく、 「天の父母様」に、第8節の「成約時代を迎えて」は「天一国時代を迎えて」に変えて唱えられました。
ところが、中村仁史氏は「神様」を「天の父母様」の呼び名に変更したことに対し、 「違和感というか、おかしいと思った」というのです。
しかしながら、真のお父様は「家庭盟誓」を唱えることについて、次のように語っておられます。
「家庭盟誓が出てきたという事実が、どれほどありがたいことかというのです。誰の前に誓うのですか? 創造主・神様、天の父母の前に誓うのです。また、嘆息の立場で怨恨をもった地上の父母を解放成就し、縦的な神様と横的な真の父母様の前に誓うのです」 (マルスム選集308-22)
1998年11月21日、真のお父様は「家庭盟誓」について解説された中で、「家庭盟誓」は誰に誓うのかと尋ねられ、 「創造主・神様、天の父母の前に誓う」と語られました。
天一国時代とは「天の父母を中心とした地球星大家族主義の世界」です。すなわち、天の父母様と真の父母様に侍る時代なのです。2013年の基元節を通して、天一国時代を迎えるようになるので、真のお母様は「家庭盟誓」で「神様」が「天の父母様」であることを明確に分かるようにされ、「創造主・神様、天の父母の前に誓う」ようにして下さったのです。
二、真のお父様の願いは、真のお母様を中心に子女たちが一つになること
中村仁史氏は、サンクチュアリ教会の礼拝説教の映像で、2013年の「天の父母様の日」の祈祷について次のように述べています。
「 (2013年の)神の日に、当時、世界会長だった二代王様(注、文亨進様のこと)と韓鶴子オモニが代表祈祷をされたのです、二人が同じ日に。(祈祷文を示して)その祈祷文です。この原稿が私の所に来て、両方を翻訳しました。翻訳した時に、気づいたというか、あれって思ったのが……二代王様は全部、天のお父様、(真のお母様は)天の父母様なのです。全部、最初から最後まで。……『お二人の考えが違うのかな』とここで思ったのです。……後世ではここが、みんな全員が、公に分裂していった最初の始発点だと認識すると思います」
中村仁史氏は2013年の「天の父母様の日」に、真のお母様と文亨進様がお祈りをした内容を翻訳したと述べています。そこで彼が気づいたのは、真のお母様は神様を「天の父母様」と祈られ、文亨進様は「天のお父様」と祈ったというのです。彼は「お二人の考えが違うのかなとここで思った」と述べます。
しかし、上述したように、真のお父様は「天のお父様」の概念に「『天のお父様、お母様』という概念が入っている」 、すなわち「天の父母様」の概念があるのだと語っておられました。前述したように、実際に2010年の「真の神の日」で、真のお父様は「天の父母様」と祈っておられ、2013年の「天の父母様の日」には、真のお母様も「天の父母様」と祈っておられます。真のお父様と真のお母様の神様に対する認識は、完全一致しておられます。
ところが、亨進様は「天の父母様」と祈ることに対し次のように述べています。
「あらゆる人が私に、お願いだから天の父母様の名前で祈ってくれと言っていたことを覚えています。……お父様の聖和の儀式の後、すべてのことが終わって、それから私は檀上に上がり、もちろん『敬愛する最愛の天のお父様』と祈ったのです」 (サンクチュアリNEWS.2017年7月16日)
文亨進様は「あらゆる人が私に、お願いだから天の父母様の名前で祈ってくれ」と言われたにもかかわらず、それを拒否し「敬愛する最愛の天のお父様」と祈ったといいます。これは真のお父様が祈られる「天のお父様」には「天の父母様」という概念があることを理解していなかったからであり、無知ゆえの行為であると言わざるを得ません。それゆえ、2013年の「天の父母様の日」において、文亨進様は「天のお父様」と終始一貫して祈っていたのです。亨進様の神に対する認識が、真のお母様だけでなく、真のお父様とも不一致であったことが分かります。
真のお父様は、ご自身が聖和した後について次のように語っておられます。
「伝統はただ一つ! 真のお父様を中心として! 他の誰かの、どんな話にも影響されてはいけません。先生が教えた御言と先生の原理の御言以外には、どんな話にも従ってはならないのです。今、先生を中心として、お母様を立てました。先生が霊界に行ったならば、お母様を絶対中心として、絶対的に一つにならなければなりません」 (『祝福』1995年夏季号68ページ)
真のお父様は「先生が霊界に行ったならば、お母様を絶対中心として、絶対的に一つにならなければなりません」と語っておられ、ご自身の聖和後に、亨進様が「お母様を絶対中心として、絶対的に一つ」になって歩むことを願っておられたのです。さらに、真のお父様は「先生が一人でいても真の父母様の代身であり、お母様が一人でいても真の父母様の代身です」(マルスム選集201-127~128)と語られ、 「先生が霊界に行くようになればお母様が責任を持つ」(マルスム選集318-260)と明確にしておられました。
ところが、亨進様はその真のお父様の願いに反して、真のお母様と一つとなって歩むことができず、非原理集団「サンクチュアリ教会」を立ち上げ、非原理的活動をするようになったのです。
真のお父様は、天の父母様に反対することに対して次のように語っておられます。
「イスラエル民族を中心として、その時まで4000年の間、準備したすべてのことはサタン側に渡っていきました。サタン側のカインになってしまったというのです。アベルに反対する立場に立つので、天の父母に反対する立場に立つので、サタン側のカインになってしまったというのです」 (マルスム選集74-83~84)
天が準備したイスラエル民族は神側のアベルの立場でしたが、天の息子であるイエス様に反対することによって「サタン側のカイン」になってしまいました。同じように、文亨進様は天の娘である真のお母様に反対する立場、すなわち「天の父母に反対する立場に立つ」ことで、 「サタン側のカイン」の立場になってしまったのです。
サンクチュアリ教会に追随する中村仁史氏は、光言社で長年にわたって真のお父様のみ言を翻訳する業務に携わってきたといいます。しかしながら、彼は真のお父様の多くのみ言に触れながらも、み言の翻訳作業をしただけであって、真のお父様が語られたみ言の意味、本質までは理解できなかったと言わざるを得ません。
中村仁史氏の主張は「神は天の父母様である」ことを否定し、 「天のお母様」を無視する、すなわち真のお父様のみ言を無視、否定する誤った言説に他なりません。私たちは、サンクチュアリ教会とその追随者の非原理的な言説に惑わされないよう注意しなければなりません。