「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言は存在しない・その4 ――18のみ言引用の〝虚偽〟を暴く

文責:教理研究院

                                                       注、真の父母様のみ言は「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 教理研究院はUCI(いわゆる「郭グループ」)側が広める金鍾奭著『統一教会の分裂』に対し、今まで発表した反論文で、この書籍の内容が真のお父様のみ言改竄や意図的とも言える誤訳、文脈を無視したみ言引用などによる〝虚偽のストーリー〟であることを暴露してきました。
 『統一教会の分裂』は「韓鶴子の不従順」(245ページ)を〝裏付ける〟真のお父様のみ言であるとして18のみ言を引用しており、それらのみ言が「創始者(注、真のお父様)が韓鶴子に対する残念な感情や、統一原理に対する未成熟、家庭に対する責任など」(同)に言及したものであり、「創始者を不信する韓鶴子の態度」(同)について述べているものであると主張します。
 しかし『統一教会の分裂』が引用した18のみ言を検証すると、ことごとく〝虚偽〟に基づいた主張であることが分かります。今回、残りの3つを検証します。これで18のみ言引用のすべてが〝虚偽〟である事実を明らかにすることになります。

(1)2005年3月22日のみ言の検証

 『統一教会の分裂』は249ページで、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しているみ言であるとして、2005年3月22日のみ言を引用します。

 「お母さんもこれからは、自分勝手にするという考えをしてはいけません。『お父さんも私がいなければ完成できなかった』そのような考えをしてはいけないというのです。…私も今、神様の前において『神様、私が全て絶対価値と連結させたので、私がいなければ神様は混乱しませんか。私の言うようにして下さい』と言うことはできないのです。私はできないというのです。…お母さんは、自分が6歳の時だかに道行く僧侶が現れて、娘一人いる大母様に対して『心配するな。この娘が大きくなったら、陸海空軍を動かす世界の王と結婚する』と言ったとして、それを今まで自慢していました。お母さんはそれを信じていました。私が話すことは信じることができずに」(マルスム選集491-247~258)

 『統一教会の分裂』は、み言の直前の部分を隠蔽し、意味を〝改竄〟しています。真のお父様は、直前で次のように語っておられます。

 「昨夜は先生がなぜこのように咳が出るのか? だから、座浴をしたのです、お母様は(座浴を)しないでくださいと言いましたが。……私が運動するときは2時に起きました。運動するのに前半、後半と運動を分けて行いました。そして、お母様が休んでくださいというので休んで、お母様と一緒に目覚めてこの訓読会に参加したのです。お母さんもこれからは、自分勝手にするという考えをしてはいけません。『お父さんも私がいなければ完成できなかった』そのような考えをしてはいけないというのです(マルスム選集491-246~247、「茶色の字」は『統一教会の分裂』の引用。「青い字」は教理研究院。以下、同じ)

 『統一教会の分裂』は茶色の部分だけを引用していますが、その直前の部分で、真のお父様が「昨夜は先生がなぜこのように咳が出るのか?」と語っておられるように、お父様の体調は極めて悪い状態でした。そのため、お母様はお父様の体調が悪化しないよう(座浴を)しないでください」と、とても心配されましたが、お父様は「咳が出る」症状を抑えようと、体調が悪いにもかかわらず「座浴をした」と語っておられます。(注、座浴とは、座った姿勢で腰の部分だけをお湯に浸かって温めること)
 そして、お父様は2時に起床されて運動をしたと語っておられます。お母様はお父様のお体を心配されて、少し「休んでください」と願われ、お父様は一旦休まれましたが、その後「お母様と一緒に目覚めてこの訓読会に参加」されたのです。ところが、『統一教会の分裂』は、そのような仲睦まじい夫婦愛の姿について語られた直前の部分を隠蔽しているのです。
 『統一教会の分裂』は「お母さんもこれからは、自分勝手にするという考えをしてはいけません」と訳しますが、これは悪意をもった翻訳です。文脈に合わせて翻訳すれば、「お母様もこれからは、(お父様の体調を心配して)自分の思い通りにするという考えをしてはいけません」になります。また、「お父さんも私がいなければ完成できなかった」と訳しますが、これは〝誤訳〟です。原典を見ると、「お父様も私がいなければ完成できない」と訳さなければならないものです。
 真のお父様は、「お母様もこれからは、自分の思い通りにする」とか「お父様も私がいなければ完成できない」という「考えをしてはいけない」と語っておられますが、その意味するものは「韓鶴子に対する残念な感情」を表すものではなく、お父様の体調を非常に心配されるお母様に対して、お父様が思いやりをもって語られた愛のみ言なのです。すなわち、お母様の支えや心配する気持ちはありがたいが、私の体調は心配しなくてもいい、私は大丈夫だ、私は完成できると、お父様が強い意志を表明しておられるのです。ところが、『統一教会の分裂』は文脈を無視し、その意味を〝改竄〟しています。
 また、『統一教会の分裂』はこのみ言が「『み言葉選集』491巻、247頁」(249ページの脚注)であるとしますが、これは〝虚偽〟の出典表記です。正しくはマルスム選集491巻247ページから258ページのみ言です。これは約11ページ分のみ言(237行)を削除している事実を隠蔽するためです。
 『統一教会の分裂』の翻訳は誤訳と悪意のあるものですが、引用したみ言に「…」で省略した部分を明確にするためあえてそのまま引用し、省略箇所2か所のうち最初の部分を以下、青い文字で引用します。

 「お母さんもこれからは、自分勝手にするという考えをしてはいけません。『お父さんも私がいなければ完成できなかった』そのような考えをしてはいけないというのです。それは、先生がすべて成した後に、ついてきながら話す言葉であって、相対的立場で、対等な100%の基点を受けた位置で言うことのできる答えにはならないのを知るべきです。わかりますか? 私も今、神様の前において『神様、私が全て絶対価値と連結させたので、私がいなければ神様は混乱しませんか。私の言うようにして下さい』と言うことはできないのです。私はできないというのです」(マルスム選集491-247)

 『統一教会の分裂』は青い字の部分を隠蔽して、「私」という言葉がすべて真のお母様を指しているかのようにしています。しかし、『統一教会の分裂』が隠蔽した部分で、真のお父様は「それは、先生がすべて成した後に、ついてきながら話す言葉」であると語っておられます。すなわち、「お父様も私がいなければ完成できない」という考えは「先生がすべて成した後に、ついてきながら話す言葉」であるとお母様に指導しておられるのです。それに続いて、真のお父様は「私も今は、神様の前において『神様、……私がいなければ神様は混乱しませんか。私の言うようにして下さい』と言うことはできない」と言われました。これは、お父様が神様に対して「私の言うようにして下さい」と言うことができないのと同様に、たとえ、お母様がお父様の体調を心配されて、お父様に対し「私の言うようにして下さい」とお願いされても、「これからは、思い通りにする」という考えをしてはいけないと指導しておられるのです。ところが、『統一教会の分裂』は「私」という言葉が、すべて真のお母様のことであるかのように誤読させようと、重要な箇所を隠蔽しているのです。
 2つ目の「…」の省略部分を以下、青い文字で引用します。

 (約10ページ省略)アジア大陸とコディアク、そこに日付変更線があるでしょう? 遠くありません。ヘリコプターでさっと行ったり来たりできるのです。そこは、釣りをするのによく、散歩するのにもいいでしょう? 季節が熱帯地方と反対であるので、どれほどいいですか? ヘリコプターというのは、国境のどこにでも、車も乗って通い、船に乗って通い、ヘリコプターに乗って通い、どこにも行けないところがない世の中を私がつくろうと考えています。海にも、陸地にも。お母さんは、自分が6歳の時だかに道行く僧侶が現れて、娘一人いる大母様に対して『心配するな。この娘が大きくなったら、陸海空軍を動かす世界の王と結婚する』と言ったとして、それを今まで自慢していました。お母さんはそれを信じていました。私が話すことは信じることができずに(驚いているのです)(マルスム選集491-258)

 『統一教会の分裂』が隠蔽した部分で、真のお父様は「国境のどこにでも、車も乗って通い、船に乗って通い、ヘリコプターに乗って通い、どこにも行けないところがない世の中を私がつくろうと考えています。海にも、陸地にも」と語っておられます。
 それに続いて、真のお母様が6歳の頃、ある僧侶が大母様に対し「この娘が大きくなったら、陸海空軍を動かす世界の王と結婚する」と預言し、真のお母様はその話を今まで誇りに思われ、信じていたと語っておられます。真のお父様は「私が話すことは信じることができずに」と語っておられますが、これは「創始者を不信する韓鶴子の態度」を指摘するものではなく、お父様が語っておられる内容は、まさに僧侶が大母様に語った預言どおりの内容であり、あまりにも一致しているために、お母様はその事実(注、預言とみ言との完全一致)に驚いているという意味なのです。実際にその後、真のお父様は2006年6月10日に「韓国タイムズ航空」の起工式で、「ヘリコプター産業の新しい地平を開き、韓国の大衆交通体制に革新をもたらす」(『平和神経』115ページ)と宣布しておられます。
 ところが、『統一教会の分裂』はみ言を隠蔽し、まるで「創始者を不信する韓鶴子」であるかのように意味を〝改竄〟しているのです。『統一教会の分裂』が引用した2005年3月22日のみ言は、「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言ではありません。

(2)2009年7月13日のみ言の検証

 『統一教会の分裂』は252ページで、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しているみ言であるとして、2009年7月13日のみ言を引用します。

 「そう。神様は文総裁が必要です。神様は真の父母にはなれません。一人でどうしてできる。お母さんがいません。お母さんを再び作らなければなりません。再び作ろうとしていますが、90歳になった今までお母さんを自分の妻として愛することができません。育てているのです。後3%が残っています。3%。その3%をするのに、国と世界の上でしなければならない、国の外では駄目なのです。国の上で100%以上に上がらなければならないのです」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集614-95~96)

 『統一教会の分裂』は、これが「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると述べます。しかし、これも〝虚偽〟の解釈・主張です。『統一教会の分裂』は、引用した直前の部分を隠蔽し、意味を〝改竄〟しています。以下、隠蔽した部分を引用します。

 「男性の血肉と女性の血肉が和合して、息子娘の生命の起源、女性と男性の起源となるのです。ところで、精子の旅行の道でいまだに(卵子に)出会ったことがないのです。神様が女性に出会ってみましたか?」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集614-95)

 真のお父様は、直前の部分で「神様が女性に出会ってみましたか?」と尋ねられ、「精子の旅行の道でいまだに(卵子に)出会ったことがない」と語られました。それに続いて、お父様は「神様は文総裁が必要です。神様は真の父母にはなれません。(神様)一人でどうしてできる。お母さん(神様オモニ)がいません」と語っておられるのです。神様が真の父母になるには、「神様が女性に出会って」父なる神様(神様アボジ)と母なる神様(神様オモニ)、すなわち天の父母にならなければならないというのです。ゆえに、お父様は「お母さん(神様オモニ)を再び作らなければなりません」と語っておられるのです。ところが、『統一教会の分裂』は文脈を無視し、「創始者が韓鶴子に対する残念な感情」を表したみ言であるとして、お父様の意図に反する解釈をしています。
 『統一教会の分裂』が引用したこのみ言は2009年7月13日のものですが、その前日の7月12日、お父様は次のように語っておられます。

 「蘇生時代から国家解放圏までもお母様を保護してあげる責任を今、しています。垣根になるそれが、自分の垣根圏と同等な位置でなされるのではありません。先生が築いてあげた垣根となる前にはできません。お母様がどのように神様の夫人の位置に出ますか?」(マルスム選集614-28)

 「先生が築いてあげた垣根となる前」には、お母様が「神様の夫人の位置」に出られないため、真のお父様は「お母様を保護してあげる責任を今、しています」と語っておられます。また、数日後の同年7月17日に、次のようにも語っておられます。

 「神様が独りで今まで生きたのであって、神様の夫人も、家庭もなかったでしょう? 神様が愛することのできる相対がどこにいるのですか? 愛を行ってみることができなかったのではないかというのです」(マルスム選集614-120)

 真のお父様は、「神様が独りで今まで生きたのであって、神様の夫人(神様オモニ)も、家庭もなかった」と語っておられます。これは『統一教会の分裂』が引用した「神様は真の父母にはなれません。一人でどうしてできる。お母さん(神様オモニ)がいません」と同じ内容のみ言です。すなわち、「お母さん(神様オモニ)がいません」とは、「神様の夫人」が今までいなかったという意味なのです。
 また、お父様が「90歳になった今までお母さんを自分の妻として愛することができません。育てているのです」と語られるのは、お母様を「自分の妻として愛すること」以上に、「神様が愛することのできる相対」、すなわち「神様の夫人(神様オモニ)としてお母様を「育てている」という意味で語っておられるものです。
 また、お父様は「後3%が残っています。3%。その3%をするのに、国と世界の上でしなければならない」と語っておられますが、これは「先生が築いてあげた垣根」である「国の上で100%以上に上がらなければ」、お母様が「神様の夫人の位置」に出られないという意味です。そのために、お父様は「国家解放圏までもお母様を保護してあげる責任を今、しています」と語っておられるのです。
 このように、『統一教会の分裂』は直前のみ言を隠蔽し、その意味を〝改竄〟しています。『統一教会の分裂』が引用した2009年7月13日のみ言も「韓鶴子の不従順」を裏付けるものではありません。

(3)2009年4月22日のみ言の検証

 『統一教会の分裂』は251ページで、真のお父様が「韓鶴子の不従順」に対し苦心しているみ言であるとして、2009年4月22日のみ言を引用します。

 「精子の旅行の道は、お母さんを探して億万年、師匠を探して億万年、主人を探して億万年です。万年ずつなので3万年、相対まで入れると6万年が過ぎるのです。6千年が過ぎたというのです。旅行道はまだどうですか。先生が定着しましたか。
 ラスベガスに行って談判しなければなりません。女が淫乱の種をばら蒔いておきながら、自分を主張して男のてっぺんに上がろうと言うのです。ラスベガスに行けば、それは女の世界です。淫乱の王国です。レバレンド・ムーンがその淫乱の王国にお母さんを連れて行って、『お母さんも先生の肩の上からてっぺんに上ろうとしますが、そこでお母さんの言葉に屈してはならない』。これです。97%をお母さんに全て投入しましたが、3%だけは…。私が絶対97%に120%までしました。23度を加えて、私に返そうという気持ちがないときは、精子の種がお母さんのお腹の中に入ることができないということが、統一教会の師が行く最後の峠、境界線を越える位置です。どれほど深刻か分かりません」(2012年「真の父母様御聖誕日記念出版」版のマルスム選集610-139~140)

 『統一教会の分裂』は、これを「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言であると述べます。しかし、これも〝虚偽〟の主張です。『統一教会の分裂』は、引用したみ言の直前の部分を隠蔽し、意味を〝改竄〟しています。
 お父様は、直前で次のように語っておられます。

 「私が神様の母(神様オモニ)の位置を探していかなければならず、真の父母の母を探さなければならず、真の父母の子宮を探し、(そこに)入らなければならないのです。そうでないようになれば、真の父母と真の主人と真の王が生まれる道がないのです。精子の旅行の道は、お母さんを探して億万年、師匠を探して億万年、主人を探して億万年です。…(同)

 このように、真のお父様が「ラスベガスに行って談判」すべきことは「神様の母(神様オモニ)の位置」「真の父母の母」「真の父母の子宮」を探し出すことであると語っておられます。そのために、お父様は「97%をお母さんに全て投入しましたが、3%だけは…。私が絶対97%に120%までしました」と語られました。もし、お母様が「23度を加えて、私に返そうという気持ちがないときは、精子の種がお母さんのお腹の中に入ることができない」ため、それが「どれほど深刻か分かりません」と語っておられます。
 しかし、真のお父様は、同年4月11日の「真の父母様御聖婚50周年記念」の早朝訓読会で、「ラスベガスで、もう97パーセントまで越えて、3パーセント残った峠を越えることができます(マルスム選集610-30)と語っておられます。すなわち、「統一教会の師が行く最後の峠」である「3パーセント残った峠」越えることができると語られたのです。
 真のお父様は2010年7月1日、韓国の麗水で次のように語っておられます。

 「……『よって旧約・新約・成約時代の完成・完結・完了の時代を迎え、真のお父様と真のお母様との最終一体圏を完成・完了した全体・全般・全権・全能の時代を奉献として表する!』『現します』というのです。すべて入るのです。その次に三番目に行きます。『宣言することによってラスベガス摂理の目的が完結を宣布することで…。』完成完結を宣布することで『純潔・純血・純愛の完備をみる…。』……」(韓国機関誌『統一世界』2010年6月号、10~11ページ)

 このみ言は、お父様が2010年7月8日の「天地人真の父母定着実体み言宣布大会」で宣布されるみ言の原稿を訓読されながら、説明されたものです。お父様は、「真のお父様と真のお母様との最終一体圏を……宣言することによってラスベガス摂理の目的が完結を宣布する」と語っておられます。すなわち、「ラスベガスに行って談判」し、「神様の母の位置」を探し出す「ラスベガス摂理の目的」が完結したというのです。
 さらに、お父様は次のように語っておられます。

 (2010年天暦5月15日)3時25分にオモニ(お母様)をオモニとして定めます。神様お母様(神様オモニ)、実体のオモニ、真の父母のオモニ、アボジ(お父様)のオモニ、自分の妻、自分のハルモニ(祖母)…。アボジ(お父様)、自分の夫、カインとアベルの息子二人まで8代男性を踏んで越えられる女性の権威を持たなければ、先生に従って天国に入れないという理論的な結論です。ここに、該当する文書がすべてあります。文書は守らなければならないというのです」(『統一世界』2010年6月号、12ページ)

 2010年天暦5月15日、お父様は「3時25分にオモニ(お母様)をオモニとして定めます。神様お母様(神様オモニ)、実体のオモニ、真の父母のオモニ、アボジ(お父様)のオモニ、自分の妻、自分のハルモニ(祖母)と語っておられるように、「オモニ(お母様)をオモニ」として定められました。これは、「統一教会の師が行く最後の峠、境界線」を越えて、「神様の母(神様オモニ)の位置」「真の父母の母」「真の父母の子宮」を探し立てることができたというのです。お父様は「3パーセント残った峠を越える」ことによって、「ラスベガス摂理の目的が完結」されたのです。
 その基台の上で、真の父母様は2010年7月8日の「天地人真の父母定着実体み言宣布大会」で、真のお父様と真のお母様における「真の父母様御夫妻は最終一体を成し」と宣布され、天地人真の父母様が定着されたのです。
 さらには、2012年陽暦4月14日、真の父母様は米国・ラスベガスの天和宮で「特別宣布式」を執り行われ、「天地人真の父母定着実体み言宣布天宙大会を最終完成・完結することを、お父様の前に奉献しますので、お受け取りください」(『トゥデイズ・ワールドジャパン』2012年天暦4月号、19ページ)と宣布されました。
 そして、2012年陽暦4月25日、お父様は次のように語っておられます。

 「真の父母は全てを完結し、終えました。全て過ぎ去ったというのです。……実体み言宣布から、真の父母様は峠を越えたでしょうか、越えられなかったでしょうか?(「越えました」)皆さんに残してあげる実体み言宣布は、もう必要ないのです。なぜですか? 天地人真の父母の家庭を完成することで、全てが終わったというのです。……天宙大会も全て終わりました。天地人真の父母定着も過ぎ去り、実体み言宣布も全て成し遂げ、その次には天地・天宙完成圏も全て超えました」(『トゥデイズ・ワールドジャパン』2012年天暦6月号、6~8ページ)

 お父様は「真の父母は全てを完結し、終えました。……天地人真の父母の家庭を完成することで、全てが終わった」と語られました。『統一教会の分裂』が引用した2009年4月22日のみ言で、お父様は「統一教会の師が行く最後の峠、境界線」を越えることができなければ「どれほど深刻か分かりません」と語られましたが、3年後の2012年4月25日のみ言で、お父様は「真の父母様は峠を越え……天地人真の父母定着も過ぎ去り、実体み言宣布も全て成し遂げ、その次には天地・天宙完成圏も全て超えました」と宣言しておられます。すなわち、「精子の旅行の道は、お母さんを探して……先生が定着」したと言われたのです。
 ところが、『統一教会の分裂』は直前のみ言を隠蔽し、さらには、それ以降の摂理の進展をも無視し、お父様の意図に反する勝手な解釈を述べているのです。
 『統一教会の分裂』は18のみ言を引用し、それらが「韓鶴子の不従順」を裏付けるみ言だと主張しますが、原典にあたってみると、ことごとくみ言を〝改竄〟しており、虚偽の主張であることが分かります。

 以上、本部・教理研究院は、家庭連合機関誌『世界家庭』の2017年5月号から約2年間にわたって、金鍾奭著『統一教会の分裂』の内容が如何に〝虚偽〟に満ちたものであるかを暴いてきました。UCI側が広めるこの書籍は、お母様がお父様の意向に反し、陰謀を企てて三男の顯進様を追い出したという「真のお母様陰謀論」を主張しています。2019年3月2日に出版された郭錠煥著『事必帰正』(日本語版)もそれと軌を一にするもので、これらは〝虚偽のストーリー〟です。み言の原典にあたって『統一教会の分裂』が引用したみ言を検証すると、それらはことごとく改竄したものです。
 2008年4月18日、七男の亨進様が家庭連合の世界会長に就任された頃から、三男の顯進様はお父様のご意向に反発するようになり、2009年1月15日、真の父母様が挙行された「万王の王神様解放権戴冠式」の式典に、顯進様は参加されませんでした。お父様は同年3月8日、束草でそのことを指摘され、顯進様を厳しく指導し人事措置をされました。そして、人事措置と共に郭錠煥氏にも「顯進は勉強しなければなりません。郭錠煥が『平和神経』を教えてあげなさい」(マルスム選集609-131)と指示されました。それは、顯進様が『平和神経』を学び、真の父母様について正しく理解することを願われたからです。顯進様が主張しているアイデンティティが、お父様のみ言や思想とことごとく食い違っている事実を見たとき、「顯進は勉強しなければなりません」(同)との指示に込められたお父様の思いは、切実なものがあったに違いありません。
 ところが、その日以降、顯進様はお父様と袂を分かつようになり、やがて反旗を翻し、真の父母様と別行動を取るようになりました。さらに、郭錠煥氏も同年12月6日の訓読会を最後に、真の父母様の元を離れてしまったため、顯進様は真の父母様およびみ言を正しく学ぶことができなくなってしまったのです。
 金鐘奭著『統一教会の分裂』および郭錠煥著『事必帰正』は、顯進様が真のお父様の指示に従わずに袂を分かつようになった事実に対し、それを〝自己弁護〟するために書かれた〝虚偽のストーリー〟に他なりません。
 私たちは2011年5月25日に公布された「真の父母様宣布文」が、真の父母様の悲痛なる叫びであることを知らなければなりません。
 真のお父様は『平和神経』の平和メッセージ13番と16番で、次のように語っておられます。〝レバレンド・ムーンは、①神様、②サタン、③人間、④霊界、⑤イエス様、⑥聖書および各宗教の経書の核心内容、⑦人類歴史などを最もよく知り、⑧真の家庭の価値、これら8つの分野でチャンピオンである。〟
 神とサタン、および霊界の実相を誰よりも知っておられる真のお父様が、52年にわたって共に歩んでこられた真のお母様の〝真実の姿〟をご存じないはずがありません。真のお母様は、真のお父様の前に絶対信仰・絶対愛・絶対服従で歩まれ、その事実をお父様も証ししておられるのです。それゆえ2010年には、真のお父様は「真の父母様御夫妻は最終一体を成し」と述べ、「最終一体」を宣布されました。UCI側が広める「真のお母様陰謀論」などあり得ないことです。
 真のお父様の聖和以降も、真のお母様がVISION2020勝利のため、一片丹心でみ旨成就に向かって邁進しておられるお姿を見ても、そのことを確認することができます。
 真のお母様は真のお父様に影のように従い、完全一体となって歩まれ、それゆえ真の父母様は勝利していかれたのです。真のお母様の勝利なくして、サタンを屈伏させることはできませんでした。
 ところが、金鍾奭氏はお父様のみ言を改竄してまで、「真のお母様陰謀論」を述べています。この事実は、何を意味するのでしょうか。『統一教会の分裂』や『事必帰正』は、自分たちの行動、悪行を正当化し、真の父母様を不信させるために書かれた、歴史に残る〝悪書の中の悪書〟なのです。
 『世界家庭』2017年9月号から11月号で、顯進様が主張するアイデンティティの誤りを指摘しましたが、顯進様の主張するアイデンティティは、真のお父様が説かれるみ言および『平和神経』の思想とことごとく異なっています。それにもかかわらず、『統一教会の分裂』は、この書の結論の部分で、真のお母様の聖和後、お父様のアイデンティティを継承している顯進様によって統一教会人を再活性化できるという、とんでもない主張をしています。現在の状況は、郭錠煥氏が顯進様に対し、お父様のみ言や『平和神経』を正しく教育できず、その責任を果たせなかったために起こったことです。
 また、金鍾奭氏は『統一教会の分裂』を論文形式でまとめており、まるで学術書であるかのように装っていますが、引用したみ言を原典で確認すると、ことごとくみ言を改竄しており、とても宗教学者と言えません。み言を改竄すること自体が、真のお父様を軽視し、不信している証拠です。
 最近は、UCIやサンクチュアリ教会を支持する人々がネットを通じて、家庭連合や真のお母様に対する批判を〝無分別〟に発信しているため、その情報に触れた人たちは、家庭連合が大分裂しているかのように勘違いをしてしまうかも知れません。
 しかし、UCIやサンクチュアリ教会を支持する人々は、家庭連合の会員数のごく一握りの少数に過ぎません。家庭連合は、真の父母様を中心として一体化している堅固な組織です。
 私たちはUCIやサンクチュアリ教会を支持する人々の真の父母様、真のお母様を貶め、不信させようとする〝虚偽の主張〟に惑わされることなく、勝利された真の父母様と一つになって、VISION2020の勝利に向かって邁進して行かなければなりません。