B.なぜそのようなことが起きたのか?
一連の問題は、当初は「兄弟喧嘩」のようにも見えました。さまざまな問題は、文顕進様と、文亨進世界会長をはじめとする子女様たちとの間で発生しているように見えます。
しかし、原因を突き詰めると、カイン・アベルのように見えつつも、本質は父母様の指示に対する「絶対信仰・絶対愛・絶対服従」の問題です。つまり、「横的」ではなく「縦的」な問題なのです。 また、現象は複雑に見えますが、最もシンプルな問題解決は、何をおいても、「顯進様が2008年に真の父母様が任命された世界会長の指導を受け入れ、真の父母様の元に戻ること」であることは明白です。では、どうしてこうなってしまったのでしょうか。順を追って概観してみましょう。
1.唯一の孝子:(1990年代後半~)
顕進様が公的に立たれた時点では、確かに他の子女様の影は薄く、事実上、真の父母様の唯一の基台として、み旨を開拓していかれました。その過程で、顕進様は、「『真の父母様の遺産』と呼べるものは、組織や外的基盤ではなく、『創造目的の完成』としての天一国創建である」との信念を固めていかれました。
全てを采配していた郭錠煥会長(当時)も、顕進様を支える体制を未来への摂理と理解して推進していきました。
2.真の父母の願い:(~2008年)
ところが真の父母様は、その次の段階として、「全ての子女様たちが公的に歩まれる真の家庭十二支派の編成」を願っておられました。今から振り返って言えることは、顕進様を中心としていったんは形成されつつあった「一極的体制」は、次第に「十二支派」へと移行すべきものだったと言えそうです。
「父母の願い」の全体像は、最後になって明らかになるのですから、この点において「郭グループが間違っていた」と、私たちに指摘する資格はありません。ただ、早合点しやすい子女である私たちは、常に「父母の言葉に耳を傾ける」信仰姿勢を持つべきなのだと言えるのみです。
「郭グループの全てが間違っている」とは言えませんが、最も重要な「常に真の父母様に耳を傾け、その指導を受けて動く」という基本姿勢についてはどうでしょうか。そこが最大の問題なのです。
3.統一教の意味:(2008年~)
早合点の一例として、郭グループでは、「後天時代における宗教」を事実上、「超宗教=脱宗教」ととらえ、(後進的な)宗教的側面よりも、社会運動的側面を打ち出した統一運動を構想しています。
しかし、真の父母様にとってそれは、「超宗教=宗教を軸にしているが、人間レベルではなく、神様の願いを中心としたより本質的な価値体系を示す」という方向でした。それは宗教を基台にしたアベルUNの推進からも明らかです。
こうして、郭グループでは、「世界会長は(脱宗教化に向かっていた)世界平和統一家庭連合を、(レベルの低い)統一教という宗教教団に後退させた」と誤解するようになりました。すなわち「統一教会=統一教」というレベルでの理解です。
ところが世界会長の説かれる「統一教」は、単なる一教団ではなく、全ての宗教を統合する宗教であり、「協会」や「連合」よりも大きな器を意味しているのです。「統一教」は、心身統一、夫婦統一、家族統一、南北統一、宗教統一、世界統一、天宙統一…という、「神を中心としてあらゆる統一を実現する教え」であり、私たちが「教会」と思い込んでいる小さな人間集団の事ではなく、より包括的に創造本然の世界を示しているのです。