いわゆる「文仁進様の米国総会長任命事件」の真相について

文責:教理研究院

注、真の父母様のみ言および家庭連合の公式発表は「青い字」で、UCI
(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。

 今回は、金鍾奭著『統一教会の分裂』が「文仁進米国総会長任命事件」 (107ページ)と呼ぶ、真のご家庭の三女・文仁進様が真のお父様の指示により家庭連合の米国総会長に就任した経緯およびその真相を明らかにし、『統一教会の分裂』の主張がいかに〝虚偽〟満ちたものであるかを暴きます。

 2008年7月29日、文仁進様は、家庭連合の「米国総会長」としての人事発令を受け、同年8月14日、「米国総会長」就任式がニューヨークのマンハッタンセンターで行われました。これに対し、金鍾奭著『統一教会の分裂』は、 「文仁進米国総会長任命事件」(107ページ)と呼び、次のように述べています。

 「文仁進米国総会長任命事件」とは「人事権を握った文亨進が、創始者(注、お父様)の指示を無視」 (120ページ)して、 「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪し、代わりに文仁進を米国総会長に発令」(同)した事件である。この事件は「創始者と文顯進の間を完全に引き裂き、代わりに文亨進を後継者の座に立てる決定的名分」 (107ページ)となった。仁進様の「米国総会長」の任命には、 「文顯進反対勢力が文顯進を追い出す為に展開するドラマのような過程」(同)があった。

 しかしながら、この『統一教会の分裂』の主張は、事実の曲解、およびみ言改竄に基づいた事実に反するもので、UCI側の人物が「文顯進反対勢力が文顯進を追い出す為に展開するドラマ」だとして作り上げた〝虚偽のストーリー〟に他なりません。

(1)「創始者の意思とは無関係に文仁進を米国総会長として発令した」という虚偽

 『統一教会の分裂』は、UCI側が主張する、いわゆる「文仁進米国総会長任命事件」について、次のように述べます。

 2008年7月29日、文亨進様は、 「文仁進を米国総会長に発令する人事公文を全世界の統一教会組織に発送」(120ページ)した。「亨進様の名前で発送された韓国語公文には、仁進様の職責が米国家庭連合総会長として発表されたが、英語公文には米国統一運動の責任を負うチェアマンとして発表」(120ページの脚注)され、同年8月14日に「文仁進の米国総会長就任式」(123ページ)が挙行された。韓国の月刊誌『統一世界』2008年9月号の記事には「文亨進世界会長によって去る7月29日、米国総会長として人事発令を受けた文仁進の就任式が8月14日、マンハッタンセンター7階で全国公職者及び平和大使など500人余りが集まる中で晩餐形式で挙行された」 (123ページの脚注)と掲載された。
このように、「文仁進米国総会長任命事件」とは、亨進様が「2008年7月29日に創始者の意思とは無関係に文仁進を米国総会長として発令」(142ページ)したことをいう。

 しかしながら、この記述は、事実に反する〝虚偽の主張〟に他なりません。2008年7月29日付の家庭連合世界本部の韓国語公文には、次のように書かれています。

 「2008年7月29日、真の父母様の指示により米国総会長に対する人事発令(新規)をお知らせします」 (注、翻訳は教理研究院による)

 そして、その公文の英語版では次のようになっています。

 「This is to announce the appointment of the Chairperson of the Unification Movement in America according to True Parents instructions given on July 29, 2008.」

 家庭連合世界本部の公文を見れば、文仁進様は「2008年7月29日、真の父母様の指示によって人事発令を受けています。したがって、「文亨進は、2008年7月29日に創始者の意思とは無関係に文仁進を米国総会長として発令」したという『統一教会の分裂』の主張は、事実に反するものです。
 世界本部の韓国語の公文には「米国総会長」として発令されたと書かれており、英語公文には「Chairperson of the Unification Movement in America」とあります。また、その公文の中で、仁進様の所属(Location)は「FFWPU International」、すなわち家庭連合の「世界本部」となっています。したがって、仁進様は家庭連合の「世界本部」の所属でありながらも、米国の家庭連合内の「Chairperson of the Unification Movement in America」として「2008年7月29日、真の父母様の指示によって人事発令を受けているのです。
 以上の内容を補足し、 「Chairperson of the Unification Movement in America」を日本語に訳すならば、「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」となります。
 家庭連合世界本部の英語公文は、家庭連合の「米国総会長」を「Chairperson of the Unification Movement in America」と表記するのであり、その意味は「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」というものです。
 ところが、『統一教会の分裂』は、韓国語公文も英語公文も同じ内容であるにもかかわらず、仁進様の人事発令が、韓国語公文では「米国家庭連合総会長」として発表され、英語公文では「米国統一運動の責任を負うチェアマン」として発表されたと述べて、両者は「米国総会長」としてその意味を違えて表記していると主張します。これは、亨進様が仁進様を家庭連合以外の「米国統一運動の責任を負うチェアマン」として発令したかのように見せかけることによって、「文顯進の地位を剥奪」したとでっち上げるためです。
 『統一教会の分裂』は、「文仁進米国総会長任命事件」とは、亨進様が「2008年7月29日に創始者の意思とは無関係に文仁進を米国総会長として発令」したことと述べていますが、前述したように、仁進様は「2008年7月29日、真の父母様の指示によって家庭連合の「米国総会長」すなわち「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」としての人事発令を受けているのです。
 さらに『統一教会の分裂』では、韓国の月刊誌『統一世界』2008年9月号134ページから「文仁進様米国総会長就任式」の記事を引用するとき、文亨進世界会長によって去る7月29日、米国総会長として人事発令を受けた文仁進の就任式が8月14日、……挙行された」と記述しています。しかし、実際の『統一世界』2008年9月号の記事は真の父母様の指示によって去る7月29日、米国総会長として発令を受けた文仁進様家庭の就任式が8月14日、……挙行された」(注、翻訳は教理研究院による)となっています。「文亨進世界会長によって」ではなく、「真の父母様の指示によって」というのが実際の文章であるにもかかわらず、引用文を書き換えて掲載しているのです。これは、完全に改竄行為です。
 このように、『統一教会の分裂』は、家庭連合世界本部の公文に書かれた「真の父母様の指示」という文言を隠蔽するだけでなく、韓国の月刊誌『統一世界』の記事も「真の父母様の指示によって」という部分を「文亨進世界会長によって」と書き換えることで、「創始者の意思とは無関係に文仁進を米国総会長として発令」したという〝虚偽のストーリー〟を描いているのです。

(2)「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪し、代わりに文仁進を米国総会長に発令」したという虚偽

 『統一教会の分裂』は、亨進様が「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪」したとして、次のように述べます。

 お父様は2005年1月初め頃、「文顯進、文國進、文亨進の三人の息子に対する責任」(120ページ)を明確にされ、顯進様は2008年7月頃まで「北米と南米に対する責任」 (同)を負っていた。当時の米国には、「全体の責任を負う大陸会長がおり、その上に文顯進が実質的な責任者の役割を遂行」(120ページの脚注)していた。しかし、2008年7月29日、亨進様は、「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪し、代わりに文仁進を米国総会長に発令」した。
2008年9月14日(秋夕)、顯進様はお父様に「米国総会長は文顯進であり、文仁進は祝司長(牧師)であるという確答を受け、その内容は文亨進に通知」(128ページ)した。しかし、亨進様は「最後まで創始者の指示を拒否」(同)した。お父様は「2009年3月8日のいわゆる『束草霊界メッセージ事件』の時まで、米国総会長が文顯進であると思っていた」(同)のである。

 以上の内容は、事実を歪曲して述べているものです。
 2009年3月8日、いわゆる「束草事件」のときに梁昌植氏が読みあげた「報告書」は「訓母様の報告書」としてマルスム選集609巻123ページに記録されています。これは、梁昌植氏がお父様からの指示事項を整理した「報告書」であり、それをお父様に提出してチェックを受けた文書です。それは「真の子女様の使命に対する真の父母様のみ言整理報告書」であり、お父様のみ言です。
梁昌植氏の「2009年3月8日、束草報告書」には、顯進様や仁進様の使命に関するお父様のみ言が次のように記されています。

 「顯進様は米国の総会長として南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮します。顯進様は特にワシントンタイムズおよびUPIなど報道機関を総括し米国運動の外的拡散」 (9ページ)
 「仁進様は真の家庭で初めて任命を受けた祝司長として米国家庭連合に対する総括責任……家庭連合のCEOとして家庭連合に対する人事権と財政権を持って文亨進世界総会長の指示を受け(る) (9~10ページ)

 この梁氏の「報告書」を見ると、米国における顯進様と仁進様の「米国総会長」としての責任に関する内容がそれぞれ異なっているのがわかります。
 すなわち、「米国総会長」としての顯進様に対するお父様の認識は、「南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮」する立場での「米国総会長」です。お父様は、顯進様の使命に関して梁氏がまとめた「報告書」の内容を聞かれ、「外的だ、外的、そうだ」(9ページ)と語っておられるように、顯進様は家庭連合以外の「外的」「各種摂理機関を総括指揮」する「米国統一運動の責任を負うチェアマン」という認識をもっておられます。すなわち、顯進様に対するお父様の認識は、家庭連合以外の「米国統一運動の責任を負うチェアマン」であり、それは「外的」な「米国総会長」ということです。
 それに対して、「米国総会長」としての仁進様に関するお父様の認識は、「祝司長として米国家庭連合に対する総括責任」の立場です。すなわち、仁進様は「米国家庭連合のCEOとして家庭連合に対する人事権と財政権」を持ち、 「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」の立場であり、それは「祝司長」という内的な「米国総会長」です。
 『統一教会の分裂』は、2008年7月29日、亨進様が仁進様を「米国統一運動の責任を負うチェアマン」として「米国総会長に発令」し、「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪」したのだと述べていますが、このような主張は「米国総会長」としての顯進様と仁進様の責任に関する〝お父様の認識〟とは食い違っており、事実に反するものです。
 2008年8月14日、仁進様は、家庭連合以外の「各種摂理機関を総括指揮」する「米国統一運動の責任を負うチェアマン」として「外的」な「米国総会長」に就任されたのではなく、あくまでも「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」である「祝司長」という内的な「米国総会長」として就任されたのです。
『統一教会の分裂』は、お父様が「2009年3月8日いわゆる『束草霊界メッセージ事件』の時まで、米国総会長が文顯進であると思っていた」と述べていますが、お父様は「南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮」する立場の「外的」「米国総会長が文顯進」であると思っておられたのです。
 それゆえ、「文仁進を米国総会長に発令」したことが「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪」したというのは、事実に反する〝虚偽の主張〟に他なりません。

(3)亨進様は「文顯進に米国総会長職の発令をしなかった」という虚偽

 『統一教会の分裂』は次のようなストーリーで、亨進様が「文顯進に米国総会長職の発令をしなかった」と述べています。

 お父様は、2009年2月の中頃に韓国に戻られ、2月20日の訓読会で「韓国は亨進が責任を持ち、日本の国は國進が責任を持ち、米国は顯進が責任を持つ」(141ページ)と語られた。このように、お父様は「2009年2月15日、20日など続けて……三兄弟の責任分野を言及する中で、米国は文顯進が責任を持たなければならない」(143ページ)とされ、「米国総会長は文顯進」(141ページ)であることを明確にされた。
 お父様は、このように「二日続けて訓読会でこのような人事措置について言及し続けた。文國進は即時その翌日に日本に出国し、その日に日本総会長は任導淳から……宋栄錫に交替した。文顯進は米国で消息を聞いて公式的な通知を待ったが、一週間経っても何の発表もなかった」(143ページ)。結局、亨進様は「文顯進に米国総会長職の発令をしなかった」(143ページ)のである。
 しかし、「世界宣教本部」から2月24日付で公文が発送されたが、そこには「文亨進が組織上創始者の代身者であり、文顯進の上司であることを明示する図表」(145ページ)があった。これは、 「文仁進の報告を伝え聞いた宣教本部側で文顯進を意識し急遽、作った公文」(同)に過ぎない。やはり、お父様の「指示が今度も守られるわけがなかった」 (142ページ)のである。

 しかしながら、これらの内容も事実に反する〝虚偽のストーリー〟です。
 『統一教会の分裂』は、お父様が國進様に「2009年2月15日」の訓読会で「日本の国は國進が責任」を持つと語られて「人事措置」をされ、國進様は「その翌日(2月16日)に日本に出国」したのだと述べています
 しかし、2009年2月17日付の「世界宣教本部」(当時)の公文によれば、同年2月16日に真の父母様の願いを受けて、日本の全国祝福家庭総連合会総会長における離就任がありました。それは、國進様に対する人事措置ではありません。しかも、その日付は「2月15日」ではなく、「2月16日」です。
 2009年2月19日午後4時から東京・渋谷の松濤本部の礼拝堂で、全国祝福家庭総連合会の総会長の離就任式が執り行われ、任導淳氏から宋榮錫氏に交替しました。國進様は日本の総会長の離就任式のために2月17日、日本に出国されたのであって、 「その翌日(2月16日) ではありません。
 また、マルスム選集607巻には2009年1月24日から2月16日までのお父様のみ言が収録されていますが、2月15日の訓読会のみ言は収録されていません。2月13日当時、真の父母様はハワイに滞在しておられ、2月15日に真の父母様はハワイから韓国に移動されました。2月16日には真の父母様の「帰国歓迎集会」が韓国の天正宮博物館で開催され、同日、真の父母様の特別指示により、日本の総会長を祝福してくださったのです。
 『統一教会の分裂』は、お父様が「2009年2月15日」の訓読会で「三兄弟の責任分野を言及」され「日本の国は國進が責任」を持つと語られ、國進様に対する「人事措置」をされたと述べますが、2月15日の訓読会のみ言はなく、これは〝虚偽の主張〟です。さらに、同年2月15日「その日に日本総会長は任導淳から……宋栄錫に交替」し、 「その翌日」の2月16日に國進様が「日本に出国」したというのも、事実とは異なる〝虚偽の主張〟なのです。
よって、「2009年2月15日」の訓読会で、お父様が「韓国は亨進が責任を持ち、日本の国は國進が責任を持ち、米国は顯進が責任を持つ」と語られた事実はなく、三兄弟に対する「人事措置」もしておられません。
 また、『統一教会の分裂』は、お父様が「2009年2月20日」の訓読会で「米国総会長」として、文顯進様に言及されたと述べていますが、これは前述したように「外的」「各種摂理機関を総括指揮」する立場である「米国総会長」としての顯進様について言及しておられる内容なのです。したがって、改めて顯進様に対して「人事措置」を行う必要などなく、『統一教会の分裂』が述べている、お父様が顯進様に対し米国総会長の「人事措置」をされたにもかかわらず、亨進様は「文顯進に米国総会長職の発令をしなかった」と述べることは、事実にそぐわない〝虚偽の主張〟に他なりません。
 『統一教会の分裂』は、2009年2月22日、当時、米国大陸会長であった金炳和氏が金孝律補佐官(当時)に送った書信の中で、「米国ではお父様が最近語られた内容に従い、顯進様が教会を含み全ての統一運動の責任を任された」(145ページの脚注)と述べていますが、お父様が顯進様に対し「教会を含み全ての統一運動の責任」としての米国総会長の「人事措置」をされた事実はありません。教会における「米国家庭連合のCEOとして家庭連合に対する人事権と財政権」を持ち、 「アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長」「祝司長」としての内的な「米国総会長」は、仁進様なのです。よって、亨進様が「文顯進に米国総会長職の発令をしなかった」というのは当然のことなのです。
 2009年2月24日付の世界宣教本部(当時)から「全世界の組織に関する真の父母様の特別指示の件」と題して公文が発せられました。『統一教会の分裂』は、それを「宣教本部側で文顯進を意識し急遽、作った公文」だと述べています。
 しかし、その公文には「2009年2月23日、真の父母様の特別指示により下記のように全世界の全ての組織に対する主管を明確にしようと思います」(翻訳は教理研究院による、以下同じ)と明記されているように、「宣教本部側で文顯進を意識し急遽、作った公文」などではありません。その公文は、「真の父母様の特別指示」によるものです。
 さらに、『統一教会の分裂』は、その公文の内容について「文亨進が組織上創始者の代身者であり、文顯進の上司であることを明示する図表」があると述べていますが、その公文には、次のような図と説明がなされています。

 全ての組織は真の父母様の指示を受け、文亨進世界会長が総括する。あわせて、世界基督教統一神霊協会と世界平和統一家庭連合などの教会組織は、文亨進世界会長が主管し、天宙平和連合は文顯進世界議長が主管する」
 「すべての指導者たちは別の大陸の国で行事や大会を開催する場合、まず、世界宣教本部に報告し承認を受けた後、実施するようにする」

 このように、2009年2月24日付の公文の図表は、「文亨進が組織上創始者の代身者」を明示する図表ではなく、全ての組織は真の父母様の指示を受け、文亨進世界会長が総括するという立場を明確にしている図表なのです。
 さらに、これは、亨進様が「文顯進の上司」という「上下の関係」を示した図表なのではなく、教会組織は文亨進世界会長が主管し、天宙平和連合は文顯進世界議長が主管するということを表したものであり、「並列の関係」を示している図表です。
 『統一教会の分裂』は、お父様の「指示が今度も守られるわけがなかった」と述べていますが、上記の公文は「真の父母様の特別指示」によるものです。
 ところが、顯進様は、このような「真の父母様の特別指示」に対して「非常に不快な気分を現わし、職権で米国統一教会理事会を召集」(145ページ)するに至ったのだと『統一教会の分裂』は述べています。
 以上のように、仁進様の「米国総会長」への任命は、いわゆる「文仁進米国総会長任命事件というものではありません。『統一教会の分裂』は、いわゆる「文仁進米国総会長任命事件」「人事権を握った文亨進が、創始者の指示を無視」して、「米国総会長であった文顯進の地位を剥奪し、代わりに文仁進を米国総会長に発令」した事件であると述べますが、その主張はみ言改竄や事実隠蔽に基づく〝虚偽の主張〟なのです。
 米国家庭連合元会長であるマイケル・ジェンキンス氏の2010年7月1日の「報告書」によれば、顯進様は「真のお母様と兄弟たちがお父様の指示をコントロール」していると語られたことを報告しています。さらに、『統一教会の分裂』も、「文顯進は母・韓鶴子と2人の弟、即ち文國進及び文亨進と葛藤している」(123ページ)と述べています。
 このように、顯進様は、亨進様が世界会長である世界宣教本部から出る「真の父母様の特別指示」の公文に対し、自分に対する母と弟たちの〝陰謀〟であるとの猜疑心から来る不信感を強くもっていたのです。
 すなわち、世界宣教本部から出た2009年2月24日付の公文である「真の父母様の指示」に対して、顯進様は「非常に不快な気分」であったというのです。それで、顯進様は「米国教会理事会」の構成員を、自分の意に従う人間へと変更を強行しようとする大事件(米国教会理事会乗っ取り未遂事件)を引き起こしていったのです。お父様は、次のように語っておられます。

 「皆さんは直接神様と通ずる道がないので、先生が橋を架けてあげています。……ですから公文を重要視し、本部で送る発刊物を重要視せよという話もするのです」 (『牧会者の道』393ページ)

 「真の父母様の特別指示」は、家庭連合の公文を通じて伝達されています。また、お父様は「蕩減復帰の峠を越えましょう」というみ言の中で、「すべて問題は中心者と一つになることです。その人の教えとか、その人の業績を共にすることによって蕩減されるのです。……神様解放まで行くには、真の父母と共に、その蕩減の道を行かなければならないのです」(『男性訪韓修練会御言集』213~214ページ)と語っておられます。私たちは、神様を解放するため、常に真の父母様と共にみ旨を歩むことを心掛け、そのためには、真の父母様のみ言や公文を重要視しながら生活していかなければなりません。
 『統一教会の分裂』は、公文の内容等について、顯進様にとって都合の悪いことは、お父様の指示であったとしてもお父様の指示ではないかのように事実をねじ曲げた〝虚偽のストーリー〟を述べていますが、このような、真の父母様をないがしろにし、「真の父母」を不信させようとする『統一教会の分裂』の記載内容には十分に注意し、それに決して惑わされてはなりません。
 私たちは、家庭連合の「公文を重要視し、本部で送る発刊物を重要視」しながら、天の父母様、真の父母様と一つになって「VISION2020」の勝利に向けて邁進していきましょう。