文責:教理研究院
注、真の父母様のみ言は「青い字」で、UCIおよびFPA(いわゆる「郭グループ」)側の主張は「茶色の字」で区別しています。
「文顯進様を支持する有志の会」は「ONE TRUTH有志の会」というブログを新たに立ち上げ、郭錠煥氏のインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)を掲載して各方面に拡散しています。これらの映像における郭錠煥氏のみ言引用は不正確であり、み言の恣意的解釈が散見します。
郭錠煥氏のインタビュー映像の内容は、2019年3月2日に出版された郭錠煥著『事必帰正』(日本語版)と類似するもので、真のお母様が真のお父様の意向に反して陰謀を企て、三男の顯進様を統一家の組織から追い出したという、いわゆる「真のお母様陰謀論」という虚偽に基づくものです。これはUCIを支持する人々が広めてきた金鍾奭著『統一教会の分裂』と軌を一にするものであり、〝虚偽のストーリー〟にほかなりません。
教理研究院は、UCI、FPAを支持する人々の騙る〝虚偽の主張〟に対し、彼らによる真のお父様の〝み言改ざん〟を指摘しながら、真のお父様のみ言と「原理」に基づいて反論してきました。その集大成として、2019年8月10日に『虚偽に満ちた金鍾奭著「統一教会の分裂」――軌を一にする郭錠煥著「事必帰正」』(光言社)を出版しました(以下、『虚偽に満ちた』)。
郭錠煥氏の書籍は、真のお父様のみ言の根拠をほとんど示さず、自身の自叙伝のような体裁で書いているため、その〝虚偽性〟を見破るのは簡単なことではありません。しかし、『虚偽に満ちた』の巻末に掲載したUCI側の〝虚偽の主張〟と「原理とみ言」の比較対照一覧表【今回は「米国教会理事会乗っ取り未遂事件の経緯」および「いわゆる『束草(ソクチョ)事件』の真相について」の部分を文末に掲載】を見れば、金鍾奭著『統一教会の分裂』と郭錠煥著『事必帰正』が、いかに〝虚偽の主張〟において軌を一にするものであり、かつ、お父様のみ言と食い違っているのかを理解することができます。
郭錠煥氏が述べる〝虚偽の言説〟は、すでに『虚偽に満ちた』で論破されており、この書籍の内容こそが二つとない「一つの真実」です。
今回は、郭錠煥氏がインタビュー映像(トゥルーレガシーTV)の第10編「とうてい許しがたい束草(偽)霊界メッセージ」で述べるいわゆる「束草事件」に関する主張に対し、お父様のみ言や当事者の証言からその虚偽を暴きます。(注、『虚偽に満ちた』からの引用については、引用の終了部分に〈『虚偽に満ちた』○○ページ〉に網掛けをして表示しています)
(1)いわゆる「束草事件」は「偽霊界メッセージ事件」ではない
郭錠煥氏はインタビュー映像第10編で、聞き手の「2009年でしたね。束草で霊界メッセージというのが発表されたその事件が、多くの食口たちに影響を与えており、また、今も取りざたされています。……その当時の状況を詳しく説明して下さればありがたいです」(映像0分55秒~1分38秒)との問いに対し、「その束草霊界、偽霊界メッセージ事件の実際の状況を私が見て感じた通り、そのまま話をするならば……」(映像2分55秒~3分07秒)と前置きした上で、「お父様を騙すこと、それも普通のことではない霊界メッセージを、偽霊界メッセージを作って……」(映像9分17秒~9分26秒)などと主張します。
すなわち、郭錠煥氏は、2009年3月8日のいわゆる「束草事件」とは、真のお父様を騙した「偽霊界メッセージ事件」であるとします。
しかし、教理研究院は、郭錠煥氏のこの説明が〝虚偽の主張〟であることを、すでに『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、ポイントとなる内容を『虚偽に満ちた』から抜粋して、引用します。
①〝論点〟をすり替え、事の真相を隠ぺいする郭錠煥氏
「『統一教会の分裂』は、UCI側が『束草霊界メッセージ捏造事件』と呼んでいる出来事を、次のように述べています。
『創始者(注、お父様)は「霊界の実相を背景に人事措置と、革命的提案をしなければならない」とし、「文孝進霊界書信」と「訓母様霊界報告書」を読むように催促した。……』(149ページ)
『特に束草霊界メッセージ事件の場合、創始者を完璧に欺く為に……文顯進除去の巧妙な道具として利用したというのが正に、束草霊界メッセージ捏造事件であった』(152ページ)
そもそも、このとき、真のお父様を中心に束草での『集会』が開かれたのは、米国にいた顯進様側がお父様のご意向に反して『米国教会理事会』構成員の変更を強行しようとしたという大事件があったためです(米国教会理事会乗っ取り未遂事件)。この重大事実に触れずして、束草で読み上げられた報告書に問題があるかのごとく主張するのは〝論点のすり替え〟にほかなりません」(『虚偽に満ちた』158ページ)
②「米国教会理事会乗っ取り未遂事件」の真相について
郭錠煥氏はインタビュー映像第10編で、お父様が束草で「集会」を行われるきっかけになった「米国教会理事会乗っ取り未遂事件」について一切触れていません。そもそも束草での集会は、この事件がきっかけで開かれたものです。
教理研究院は、「米国教会理事会乗っ取り未遂事件」について、『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。
「2008年7月29日、真のご家庭の三女の文仁進様が、真の父母様の指示によって米国家庭連合の総会長の人事発令を受け、同年8月14日、『米国総会長』に就任しました。そして8月21日、仁進様は米国総会長の職権によって米国教会の理事会役員を変更しました。これに対し、『統一教会の分裂』は『文仁進の不法理事会変更』(151ページ)と述べています。
しかし、梁昌植氏が真のお父様の指示事項などを整理した『2009年3月8日、束草報告書』に、米国教会の理事会は『法律による法的権限は理事会が持つ』(14ページ)とあるように、仁進様はそれに基づいて理事会役員を変更したのであって、『不法理事会変更』をした事実はありません。
ところが文顯進様は、これを『不法理事会変更』であるとし、『元来どおりに理事会を戻す』(145ページ)ための理事会を招集するようにしましたが、6対5の票決により理事会の開催自体が中止となりました。顯進様が理事会を開催しようとしたこの事件こそ『米国教会理事会乗っ取り未遂事件』なのです」(『虚偽に満ちた』208ページ)
「梁昌植氏の『2009年3月8日、束草報告書』は次のように報告しています。
『文亨進会長は世界会長として創始者であるお父様の命令が「理事会議を開かずに束草にまず集結するように命じられた」というお父様の意を伝えながら、「理事会の強行自体が父母様の意に逆らっている」ということを警告しました』(15ページ)
このように(2009年)2月27日、韓国で開会された国際電話による米国教会の理事会の会合でオブザーバーとして参加した亨進様は、真のお父様が『理事会議を開かずに束草にまず集結するように』命じられたことを理事たちに伝え、『理事会の強行自体が父母様の意に逆らっている』とまで警告しています。前もってお父様から『理事会の変更をしないように』と伝えられていたにもかかわらず、5人の理事たちは、顯進様を支持して票決で手を挙げたのです。
この事実を知られた真のお父様は、深刻になられ、お父様の指示に対して背信し〝不従順〟な行動を取ってしまった理事たちを、いったん辞任するようにされました。……真のお父様は、理事たちが『手を挙げたこと自体が問題』だったと語られ、そのことを叱責しておられるのです」(『虚偽に満ちた』219~220ページ)
(2)郭錠煥氏による〝虚偽の説明〟
真のお父様は、故・神山威氏が顯進様に従っていこうとした時、いわゆる「ボート会議」(2010年7月16日)で、「『彼ら(UCI、いわゆる「郭グループ」の人々)のことが、一つ聞いて、二つ聞いて、三つ聞いたら、みんなうそばっかり』であると語っておられます」(『虚偽に満ちた』376~377ページ)。まさに、UCI側の人々の説明はそのようなものであり、郭錠煥氏もインタビュー映像第10編で「その日、たぶん台湾だと思いますが、世界巡回中であられた顯進様を急に呼ばれて、その日(3月8日)に限って真の子女様たちがそこ(束草)に皆集まっていましたが、朝の訓読会をしている間に顯進様が金浦空港に早朝に着かれて束草まで駆けつけて来られたのが、恐らく8時ぐらいでした」(映像3分34秒~4分08秒)などと説明します。
また、郭錠煥著『事必帰正』では「顯進様は、お父様が1月に指示された通り、(2009年)2月27日から世界巡回に出発しました」(217ページ)と述べています。
教理研究院は、これらの説明が〝虚偽〟であることを、すでに『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。
①顯進様が『2月27日から世界巡回に出発』したと〝虚偽〟をかたる郭錠煥氏
「当時、米国教会理事会の理事の一人で元北米大陸会長であった金炳和氏は、2017年10月16日に『真実の前に沈黙を破って』と題する声明文を発表しました。その声明文で彼は次のように述べています。
『……顯進様は翌日の2月27日、GPFの世界ツアーのために日本に出国されました』(5ページ)
しかし、この説明は事実と異なる〝虚偽の証言〟です。
②顯進様が『2月27日、日本に出国』したという〝虚偽〟
金炳和氏は、顯進様は世界ツアーのため『2月27日』に『日本に出国』したと述べますが、実際は、『2月28日』に『日本に出国』しています。
マルスム選集608巻258ページを見ると、2009年2月27日午後5時から天情苑で『真の父母様主管、特別会議』(教理研究院の訳。以下同じ)が開催され、真のお父様は次のように指示されました。
『万王の王神様解放権戴冠式が終わった次に、大会をしなければなりません。……3月1日からアベルUNを中心として……総会をしなければなりません』、『皆さんが一週間、(原理本体論を受講)するようになれば、私が一週間、講義を聞こうと思います。教育するのがいいですか。しないのがいいですか? 返事! 亨進、國進!(「はい、教育するのがいいです」)いい? 顯進もいいの?……あなたたちも一緒に受ける?(「はい」)では、明日、明後日(3月)1日から正式プログラムを組みます。……一人も抜けることのないようにしなさい』(マルスム選集608-269)
真の子女様方は、3月1日から始まった第6回『神様摂理史の責任分担解放圏完成宣布教育』(原理本体論教育)に参加されましたが、顯進様は2月28日に日本に出国し、真のお父様が指示された3月1日のアベルUNを中心とした総会や原理本体論教育には参加されませんでした。
当初、顯進様は『日本大会(2月27日~3月1日)を皮切りに……主要国家を巡回する予定』(『統一世界』2009年3月号103ページ)でしたが、実際の日本大会は『2月28日~3月1日』(「中和新聞」2009年3月号12ページ)に変更し実施しました。
真のお父様は3月8日、いわゆる『束草事件』で次のように語っておられます。
『顯進、あなたが大会を行ったのですが、どこで行ったの?……日本大会をするとき、あなたが成功裏に終えたと言い、「マニラに行く」と私に電話したでしょう? 私は何も言わなかったよ。「早く戻って来なさい」と言ったよ。マニラになぜ行くのかと聞かなかったのです。……(注、真のお父様が)「早く戻って来なさい」と言ったとき、「早く戻る」と言っておいて、どうして遅らせるの?』(マルスム選集609-127)
このように、顯進様は3月1日の日本大会を終えた後、フィリピンに行く前に真のお父様に電話したとき、お父様は『早く戻って来なさい』と語られ、顯進様を待っておられました。
しかし顯進様はすぐには戻らず、3月1日から始まった原理本体論教育の終わった翌日の3月8日、いわゆる『束草事件』の早朝の訓読会に途中から参加しました。真のお父様はそのような顯進様の〝不従順〟な行動に対し叱責されたのです。
金炳和氏が、……(日本出国日を2月27日)にして〝ごまかそう〟とする理由は、真のお父様が2月27日に語られたみ言を直接聞いていないことにし、顯進様がみ言に反する行動を取っている事実を隠蔽したいためと考えられます」(『虚偽に満ちた』209~211ページ)
③「訓母様の報告書」を、「偽霊界メッセージ」と騙る郭錠煥氏
さらに、郭錠煥氏はインタビュー映像第10編で、梁昌植氏が読み上げた「訓母様の報告書」を「偽霊界メッセージ」であると述べています。また、『統一教会の分裂』では、「訓母様の報告書」を「訓母様霊界報告書」と記しています。
しかし、教理研究院は、これらの主張が〝虚偽〟であることを、すでに『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。
「『訓母様霊界報告書』というのは誤りであり、正しくは『訓母様の報告書』としてマルスム選集609巻123ページに記録されているものです。この『訓母様の報告書』は、誰がどのようにして作成したものか、その事実と背景について知らなければなりません。
2011年当時、北米大陸会長だった梁昌植氏が、同年11月20日に『2009年3月8日、束草報告書』と題する文章を書いています。梁氏が書いたその『報告書』(日本語訳)の資料の一部を以下、引用します。
『2005年に真の父母様の命令によって南北米総責任者として任命を受けた文顯進様の指導下にあった米国において、2008年7月29日に文仁進様が米国教会の協会長に任命となり、二者間の役割と権限に関する混沌があり、これを当時、北米大陸会長の金炳和会長が緊急事案として、当時、韓国協会長だった本人(注、梁昌植氏)に、「お父様に直接問い合わせ、正確な答えを要請」してきました。
束草集会の数日前に、主要幹部が真の父母様を迎えて(ソウルの)マリオットホテルの食堂で昼食時に集まった席で、本人(注、梁昌植氏)がお父様に米国側の質問を直接報告し、お父様から(質問に対する)明らかな答えを受けてメモしたものを整理した内容(が「訓母様の報告書」)です」(12~13ページ)
『2、3日後に父母様が……マリオットホテルの昼食時で明らかにされた内容を再整理しなさいとの命令を本人(注、梁昌植氏)が受けて、直ちにメモしたノートを報告書形式として作成して差し上げ……この内容をお父様が直接確認、訓読されて、翌朝(3月8日)の公開席上で発表するように命じられました』(13ページ)」(『虚偽に満ちた』159~160ページ)
「『訓母様の報告書』……は、梁昌植氏が真のお父様からの指示事項を整理した『報告書』であり、それをお父様に提出してチェックを受けた文書です。それは『真の子女様の使命に対する真の父母様のみ言整理報告書』であり、お父様のみ言です。
梁昌植氏の『2009年3月8日、束草報告書』には、顯進様や仁進様の使命に関する真のお父様のみ言が次のように記されています。
『顯進様は米国の総会長として南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮します。顯進様は特にワシントンタイムズおよびUPIなど報道機関を総括し米国運動の外的拡散……』(9ページ)
『仁進様は真の家庭で初めて任命を受けた祝司長として米国家庭連合に対する総括責任……家庭連合のCEOとして家庭連合に対する人事権と財政権を持って文亨進世界総会長の指示を受け(る)……』(9~10ページ)
この梁氏の『報告書』を見ると、米国における顯進様と仁進様の『米国総会長』としての責任に関する内容がそれぞれ異なっているのが分かります。
すなわち、『米国総会長』としての顯進様に対する真のお父様の認識は、『南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮』する立場での『米国総会長』です。お父様は、顯進様の使命に関して梁氏がまとめた『報告書』の内容を聞かれ、『外的だ、外的、そうだ』(9ページ)と語っておられるように、顯進様は家庭連合以外の『外的』な『各種摂理機関を総括指揮』する『米国統一運動の責任を負うチェアマン』という認識を持っておられます。すなわち、顯進様に対するお父様の認識は、家庭連合以外の『米国統一運動の責任を負うチェアマン』であり、それは『外的』な『米国総会長』ということです。
それに対し、『米国総会長』としての仁進様に関する真のお父様の認識は、『祝司長として米国家庭連合に対する総括責任』の立場です。すなわち、仁進様は『米国家庭連合のCEOとして家庭連合に対する人事権と財政権』を持ち、『アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長』の立場であり、それは『祝司長』という内的な『米国総会長』です。
『統一教会の分裂』は、2008年7月29日、亨進様が仁進様を『米国統一運動の責任を負うチェアマン』として『米国総会長に発令』し、『米国総会長であった文顯進の地位を剥奪』したのだと述べていますが、このような主張は『米国総会長』としての顯進様と仁進様の責任に関する〝真のお父様の認識〟とは食い違っており、事実に反するものです。
2008年8月14日、仁進様は、家庭連合以外の『各種摂理機関を総括指揮』する『米国統一運動の責任を負うチェアマン』として『外的』な『米国総会長』に就任されたのではなく、あくまでも『アメリカ国内の(家庭連合における)統一運動の総会長』である『祝司長』という内的な『米国総会長』として就任されたのです。
『統一教会の分裂』は、真のお父様が『2009年3月8日いわゆる「束草霊界メッセージ事件」の時まで、米国総会長が文顯進であると思っていた』と述べていますが、お父様は『南北米事業とUCI傘下ワシントンタイムズ、トゥルーワールドなど各種摂理機関を総括指揮』する立場の『外的』な『米国総会長が文顯進』であると思っておられたのです」(『虚偽に満ちた』198~201ページ)
④「訓母様の報告書」を「人事発表」と〝虚偽〟をかたる郭錠煥氏
郭錠煥氏はインタビュー映像第10編で、「これ(「訓母様の報告書」)は霊界メッセージではありません。言い換えれば、地上の真の子女様たちを含む重要な人事発表です」(映像5分45秒~5分57秒)と述べ、次のように説明します。
「顯進様はすべての公職から休み、全体の責任は末っ子の亨進様が担当される。そして、アメリカの活動において顯進様と公的に共に働いていた(人々)、タイラー・ヘンドリックスUTSの総長、その次にニール・サローネン、ブリッジポート大学の総長、その次にまた、理事をした人がいて、(郭)珍満モンゴル国家メシヤ資格奪取、このような人事発表です」(映像6分02秒~6分52秒)
この郭錠煥氏の説明は誤りです。2009年3月8日のいわゆる「束草事件」で梁昌植氏が読み上げた「訓母様の報告書」とは、郭錠煥氏が述べるような「人事発表」ではありません。これはマルスム選集609巻123ページに「訓母様の報告書」と記されているものです。
真のお父様が「人事発表」をされたのは、梁昌植氏が「訓母様の報告書」を読み上げた後のことであり、郭錠煥氏は〝虚偽の説明〟をしています。
ところで、その時の「人事発表」については、マルスム選集609巻131〜135ページに詳細に記されています。
教理研究院は、いわゆる「束草事件」における「人事発表」について、『虚偽に満ちた』で明らかにしています。以下、『虚偽に満ちた』から引用します。
「悔い改めた『理事陣』と、悔い改めなかった『顯進様』
櫻井正上氏は、いわゆる『束草事件』による顯進様の職務停止について、『これらの一連の出来事は即ち、「長子」を潰し、世界摂理を破壊し、統一運動の方向性を見失わせようとする「サタンの業」』(『真実を求めて』38ページ)であり、『顯進様はこれを「天宙史的葛藤」として見つめられた』(同)などと述べています。
しかし、真のお父様はいわゆる『束草事件』のときに次のように語っておられます。
『万王の王神様(解放権)戴冠式のとき、顯進が来たの、郭錠煥?……(「15日、そのときは行事で参加できませんでした」)……重要な時間に自分が抜けたら、自分の息子、娘たちが分からないと思うの?」(マルスム選集609-127)
「15日に韓国に来なければなりません。自分の息子、娘たちに伝授して生かすために来なければならないのです。そのような重要な会議であるのに、なぜ参加しないのですか? このようなことは話す必要がない! 金起勳を顯進の代身として立てるのです。顯進は勉強しなければなりません」(マルスム選集609-131)
2009年1月15日、真のお父様は『万王の王神様(解放権)戴冠式』を挙行されましたが、その式典に顯進様が参加しなかったことに対し、『なぜ参加しないのですか? このようなことを話す必要がない』と叱責され、お父様は『金起勳を顯進の代身として立てる』ようにされたのです。お父様は、金孝律氏に人事措置を読み上げるよう指示され、金孝律氏は『顯進様はUPF会長とGPFから1年間休み……」(同609-134)というお父様の指示を述べました。
櫻井正上氏は、米国理事会のこの事件が『顯進様の暴挙として報告、お父様が激怒』され、それが『顯進様の職務停止を命じる直接的な原因』(『真実を求めて』37ページ)だったと述べますが、真のお父様は『万王の王神様(解放権)戴冠式』に顯進様が不参加だったことを叱責され、『金起勳を顯進の代身として立てる』との人事措置をされ、1年間の『職務停止』を命じておられるのです。
梁昌植氏の『2009年3月8日、束草報告書』は次のように報告しています。
『真の父母様の指示を破って顯進様を支持した金炳和大陸会長、ブリッジポート大学総長ニール・サローネン、UTS総長タイラー・ヘンドリックス、BIA校長ヒュー・スパージョンは免職になりましたが、後で各自の悔い改めとともに父母様の特別容赦で、次々と復職して現在も仕事をしています』(26ページ)
このように、真の父母様の指示に反して顯進様を支持した理事たちは、いったんは免職となりましたが、その後、各自が悔い改めたことにより、彼らは真の父母様からの許しを受けて次々と復職しています。
しかし、顯進様は一連のことを『天宙史的葛藤』『「長子」を潰し、世界摂理を破壊(する)……「サタンの業」』という恣意的な観点から見詰め、自らの『真の父母』に対する過ち、および不忠を〝悔い改める〟ことをせず、真の父母様から許されないまま、真の父母様とたもとを分かつようになったのです。そして、2009年9月10日を最後に、真の父母様の前に姿さえ見せなくなり、今日に至っています。
以上のように、金鍾奭氏の『統一教会の分裂』や櫻井正上氏の『真実を求めて』は、金炳和氏が述べる『お母様の陣頭指揮の下、顯進様を完全に排除する』(「真実の前に沈黙を破って」5ページ)という〝虚偽のストーリー〟を描くための〝虚偽の証言〟などを、まるで真実であるかのように仕立て上げて書かれた書籍なのです。
2009年3月8日のいわゆる『束草事件』のとき、真のお父様は『カイン・アベルのUNを中心として一つとなれるここ(真の父母)が本部であって、顯進がいるところが本部ではありません』(マルスム選集609-122)、『皆さんが今後、生きるとしても、先生の生き方と憲法(み言)を中心として、主流に従っていかなければなりません』(同)と述べ、警告のみ言を語っておられます。
私たちは『真の父母』を不信させようとするUCI側の広める〝虚偽の証言〟に惑わされてはなりません。どこまでも、天の父母様(神様)と真の父母様に対する〝孝情〟を持ち、『主流に従って』歩んでいく希望の実体となっていかなければなりません」(『虚偽に満ちた』221〜223ページ)
顯進様が、真の父母様の願いに従わないという言動は、長年にわたって積み重ねられてきていたものです。真のお父様は2000年5月30日、顯進様に対し「警告」のみ言を語っておられます。
「『父の伝統に従って、母の伝統に従って、三番目に息子である。それを知っているの? ……母の伝統を立てる前に息子の伝統を立てることができないことを知っているの?』(マルスム選集323-83)
このように語られ、まず父、そして母であり、息子は三番目である、と念を押されたうえで、『顯進は私が前に立たせているのです。立たせることで、先生より前面に押し立てて報告するなというのです。分かりますか。何のことか? 統一教会から党派をつくる輩(分派)になります。……恐ろしく、とんでもないことです。ですから、転換時代に精神を引き締めなければなりません』」(『虚偽に満ちた』20ページ)
このように、真のお父様は、顯進様に対し「父の伝統に従って、母の伝統に従って」歩んでいくように願っておられました。しかしながら、「顯進様は、2009年3月8日のいわゆる『束草事件』の後、真の父母様のもとを離れてしまいました。2012年9月3日の真のお父様の聖和直後、顯進様は『韓国内の統一教会勢力と決別して世界平和運動に専念する』と語り(『月刊朝鮮』2012年12月号)、同年9月13日には『自身の道を行く』(『統一教会の分裂』214ページ)と述べて、2013年天暦1月13日の『天一国基元節』以降、家庭連合と完全に決別。2017年12月2日にはFPA(家庭平和協会)という別組織を立ち上げ、非原理集団の活動をさらに強めています」(『虚偽に満ちた』168ページ)
以上、見てきたように、郭錠煥氏による「いわゆる『束草事件』」に関する説明は、真実を隠蔽しようとする〝虚偽の主張〟にほかなりません。
私たちは、真の父母様を背信し、そのもとを離れ去り、さらには真の父母様に対する不信を煽って、「真の母」をおとしめようとする郭錠煥氏の〝虚偽の言説〟に惑わされてはなりません。
【文末資料】『虚偽に満ちた』の一覧表から抜粋引用