〝虚偽まみれ〟でも、宗教学者を自称する金鍾奭氏

文責:教理研究院

注、真の父母様のみ言および家庭連合側の主張は、「青い字」で、UCI(いわゆる「郭グループ」)側及び反対派の主張は「茶色の字」で区別しています。


〝虚偽のストーリー〟で綴られた『統一教会の分裂』
 金鍾奭氏は『統一教会の分裂』の「序文」で、この書が「統一教会創始者の他界を前後した統一教会の分裂の状況を追跡した話」であり、「宗教学研究の内容」であると述べ、この書が宗教学的に研究した〝学術書〟であるかのように装っています。しかし、そのように述べること自体が〝虚偽〟の主張に他なりません。

 彼は、「新宗教を研究する中で一つ悟ったことは……事実に基づかない真理は偽りである可能性が大きく、真理のない信仰は砂上の楼閣と同じだということ」(序文2ページ)と述べ、事実に基づいて『統一教会の分裂』をまとめたかのように主張します。しかし、すでに〝虚偽〟を暴くシリーズで指摘したように、彼はお父様のみ言を引用しますが、それらは改竄と隠ぺいにまみれたものであり、彼の主張こそ「事実に基づかない…偽り」と言わざるを得ません。

 金鍾奭氏は、『統一教会の分裂』で、お父様が2000年11月11日に「母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」(70ページ)と語られたとし、その後、2006年10月6日には「文顯進と一つになって真の父母に従え」(108ページ)と指示され、さらには2008年12月24日に「文顯進を中心に一つになれ」(139ページ)と命じられたと述べています。
 このように、彼は2000年の〝父子協助時代の到来〟以降、お父様が顯進様を〝中心〟に立てようとしてきた一連の流れがあったかのようにストーリーを描いています。

 しかし、すでに述べてきたように、お父様が明確にされた〝後継の秩序〟は、まず「先生が霊界に行くようになればお母様が責任を持つということであり、次にお母様の前に一番近い息子・娘というものです。
 それにもかかわらず、金鍾奭氏は『統一教会の分裂』で、お父様が顯進様を〝中心〟に立てようとしておられたかのように述べ、「後継者を誰にするかについて、創始者の態度はハッキリしなかった」(69〜70ページ)と主張しているのです。
 今回は、金鍾奭氏が取りあげた上述のみ言を検証し、それらの〝虚偽〟を暴いていきます。

①2000年11月11日「父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」というみ言は存在しない
 『統一教会の分裂』は、お父様が「文顯進を先頭に立てて創始者(注、お父様のこと)の権限を伝授する過程」(69ページ)として、次のようにストーリーを述べます。

 お父様は、文顯進様を「1998年7月、世界平和統一家庭連合世界副会長……2000年3月31日に統一教会が主導する大学生組織カープ(CARP)の世界会長」(68ページ)に任命し「将来の統一教会後継者としての立地」(68ページ)を強固なものとした。
 しかし、「文顯進を先頭に立てて創始者の権限を伝授する過程」において、「創始者が示した態度が不明確」(69ページ)であった。お父様は、「2000年3月に韓鶴子を後継者」(69ページ)であると語られながらも、「2000年11月には『母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない』」(70ページ)とも語られ、後継に対する「態度が不明確」であった。

 金鍾奭氏は以上のように述べていますが、これは事実に反します。お父様は前述したように2000年3月10日、「先生が霊界に行くようになればお母様が責任を持つのです。その次には息子・娘」であると語っておられ、〝後継の秩序〟は明確です。

 ところで、金鍾奭氏は2000年11月11日、お父様が「母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」と語られたとし、そのみ言の典拠として「『み言葉選集』456巻、465頁」(70ページ)を挙げます。しかしマルスム選集456巻は316ページしかなく、み言の出典を偽っています。
 実は、金鍾奭氏は『主要儀式と宣布式Ⅳ』(日本語訳)に収録された13ページにもわたる膨大なみ言を継ぎ接ぎし、わずか6行にして意味を改竄しています。(注、詳しくは「真の父母様宣布文サイト」を参照のこと。https://trueparents.jp/?page_id=3603
 『主要儀式と宣布式Ⅳ』で、お父様は母子協助時代を退けて、父子協助時代へと越えていくために、母親はここに協助しなくても、絶対信仰・絶対愛・絶対服従していくことによって蕩減するために……」(603ページ)と語っておられますが、それを、金鍾奭氏は「母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したので母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」と述べたと改竄しています。これは彼の〝創作文〟に過ぎません。
 父子摂理(父子協助)時代について、お父様は次のように語っておられます。

 「先生を中心とした子女たちが生まれたために、父と息子、父子摂理時代になるのです。母子摂理時代ではなく父子摂理時代なのです。真の父母が出てくる前まで母親たちは息子たちを育てながら迫害を受けてきました。神様を中心として、直接、真の父母を中心として、息子と娘が生まれたために、これからは母親がいなくてもかまいません。母の時代は過ぎ去り、父子摂理時代へと越えていくのです。それゆえ、神様を中心として真の父が現れ、真の父を中心として真の母が現れ、そこから生まれた息子と娘たちには、サタンは手をつけられないのです」(『主要儀式と宣布式Ⅳ』598〜599ページ)

 すなわち、母子摂理時代とは「真の父母が出てくる前までのことを言い、この時代は母親たちは息子たちを育てながら迫害を受けてきたというのです。しかし、父子摂理時代は真の父母を中心として、息子と娘が生まれた」ことで始まり、母子摂理時代で迫害を受けてきた母親がいなくても」よく、そのようなの「母の時代」は過ぎ去ると語っておられるのです。
 したがって、父子摂理(父子協助)時代とは「母が必要ない」時代、すなわち真の母が必要ない時代ではなく、母子摂理時代において「母親たちは息子たちを育てながら迫害」を受けてきたような、そのような母親たちは必要ない時代なのです。「真の父を中心として真の母が現れ、そこから生まれた息子と娘たちには、サタンは手をつけられない」時代であるので、真の母が絶対に必要な時代となったのです。

 金鍾奭氏は、お父様の後継に対する「態度が不明確」であるかのような〝虚偽のストーリー〟を描くために、「父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」とみ言を改竄し、出典の表記まで偽っているのです。

②2006年10月6日「文顯進と一つになって真の父母に従え」のみ言はない
 『統一教会の分裂』は、「カリスマ伝授の失敗:文顯進追放過程」(107ページ)という〝虚偽のストーリー〟を描くために、以下のように述べています。

 お父様は、顯進様を「将来の統一教会後継者」(68ページ)として立てるために「文顯進を先頭に立てて創始者の権限を伝授」(69ページ)しようとされた。2006年から顯進様はUPF世界巡回講演を行った。2006年4月1日、お父様は、顯進様を「UCIの理事長に就任させ」(89ページ)たが、2006年初め頃から、ヨイド聖地開発における騒動が生じ始め、これは「弟の文國進が兄の文顯進の公的責任を妨害する為に起こした」(90ページ)ものだった。2006年4月23日、お父様は「家族会議」(90ページ)を開き、そこで「文國進は韓国維持財団の業務から直ちに手を引き、UCI理事として文顯進理事長の下で仕事する」(90ページの脚注)ように指示された。しかし、「家族会議で決まった詳細事項は守られ」(同)ずに、お母様は「創始者の決定と違って文國進が財団理事長の座を維持するように」(同)した。それでも、お父様は同年10月6日「文顯進と一つになって真の父母に従え」(108ページ)と言及された。そして2007年7月、顯進様は「UPF共同議長に正式に就任」(109ページの脚注)し、「UPFに対する責任までも任せられた」(109ページ)。実際には「統一教会の全ての組織を文顯進が掌握するようになった」(109ページ)のである。だからこそ祝福家庭は「文顯進と一つになって真の父母に従えと言及」(108ページ)され、それこそがお父様の願いであった。しかし、そのお父様の願いに反して、お母様と「文亨進、文國進が共謀して文顯進を追放」(239ページ)したのであった。

 しかし、以上の内容は事実に反する完全に〝虚偽のストーリー〟です。
 金鍾奭氏は、2006年10月6日、お父様が「文顯進と一つになって真の父母に従え」と言及したとするみ言を次のように引用します。

 「地上ではこれから顯進を中心として一つにならなければならないのです。それゆえに皆さんは文顯進家庭を中心として一つになり、父母様に従って入っていくのです。そうしてこそ全てが終わるのです」(108ページ)

 『統一教会の分裂』はこのみ言を「『み言葉選集』335巻、285ページ、2006.10.6」(108ページ)からの引用であるとします。しかし2006年10月6日のみ言は、335巻285ページには存在しません。
 『マルスム選集』335巻285ページを見ると、これは2000年10月6日に語られたみ言です。すなわち、金鍾奭氏が「母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したとお父様が述べられたとするよりも以前のものなのです。それを、彼は2006年10月6日に語られたみ言であると6年も偽っているのです。お父様が2006年に「文顯進と一つになって真の父母に従え」と言及されたとするみ言の引用は、虚偽に他なりません。

 ちなみに、2000年10月6日に語られたこのみ言は、顯進様が「2000年3月31日に統一教会が主導する大学生組織カープ(CARP)の世界会長」(68ページ)に就任された年のもので、その意味は真の父母様が立てた責任者(カープ世界会長の文顯進様)に従い、真の父母様のみ旨を果たすよう指導者や食口たちを教育したものであって、「将来の統一教会後継者」は顯進様なので、お父様が「文顯進と一つになって真の父母に従え」と語られたものではありません
 金鍾奭氏が、2006年10月6日のみ言であるかのように年数を改竄したのは、祝福家庭が「文顯進と一つになって真の父母に従(う)」ことがお父様の願いであり、本来、お父様は顯進様を「将来の統一教会後継者」として望んでおられたが、それを阻止するために、お母様と「文亨進、文國進が共謀して文顯進を追放」したという〝虚偽のストーリー〟を描くためだと言えます。
 実際のお父様のご意向は、2005年1月7日、「外的に息子娘に任せるのです。アジア地域は國進であり、西洋地域は顯進であり、その次に宗教圏は末子(亨進)です」(マルスム選集482-21)と語っておられるように、「統一教会の全ての組織を文顯進が掌握する」ことではなく、子女たちに責任を分担させて、真の父母様のみ旨を中心にそれらの子女が一体化して歩むことを願っておられたのです。

 したがって、2006年10月6日、お父様が「文顯進と一つになって真の父母に従え」と言及された事実はなく、これも金鍾奭氏の創作文なのです。彼がこのように偽るのは、お父様に対する「韓鶴子の不従順」(245ページ)を何とか描こうとして、「韓鶴子と文亨進、文國進が共謀して文顯進を追放」(239ページ)させたかのようにでっち上げるためなのです。

③2008年12月24日「文顯進を中心に一つになれ」のみ言も存在しない
 『統一教会の分裂』は、2008年12月24日、お父様が文亨進様に「『文顯進を中心に一つになれ』と指示」(139ページ)されたと述べていますが、そこにはみ言の典拠が表記されていません。2008年12月24日に語られたみ言は、『マルスム選集』604巻198~213ページに「新しい聖殿と祖国光復」という題目で収録されていますが、お父様が「文顯進を中心に一つになれ」と亨進様に対して指示されたみ言はありません。
 また、『統一教会の分裂』は、2008年12月24日のクリスマスイブの晩餐会で、お父様が「文顯進中心の兄弟間の秩序と摂理の進路を明確にした」(135ページ)と述べています。
 金鍾奭氏は、その根拠として『統一教会の分裂』135ページの脚注349番で、「『週刊文春』48ページ」の記事を引用しています。

 「349)日本のジャーナリスト石田謙一郎は2008年12月24日、文顯進を中心とした組織改編を示唆する創始者の言及……を以下のように伝えている。……『これからすべての摂理は、長兄である顯進氏が中心になっていく』」

 金鍾奭氏は、上記の引用が、週刊文春の記者「石田謙一郎」「統一教会日本4900億円送金リスト…」というタイトルの記事からとし、それを脚注に引用しています。しかし、石田という名前も虚偽表記であり、正しくは2011年9月8日号「週刊文春」46~49ページの「統一教会日本から『4900億円送金リスト』を独占入手!」という記事を書いた「石井謙一郎」氏です。
 2011年当時、家庭連合はその記事に対して、事実に反する記述が多くあったため、出版元の文藝春秋社と石井謙一郎氏に対し、訂正と謝罪を求める「抗議文」を送り、「週刊文春『ねつ造・歪曲』報道を糾弾する」ための抗議行動も行いました。(写真参照)

 「週刊文春」記者の石井謙一郎氏は、有田芳生氏らと共に統一教会に対する反対活動をしてきたジャーナリストです。特に、彼らは1993年4月に起こった山崎浩子さん「脱会」に関連して注目されたジャーナリストであり、山崎さんの強制的な脱会説得事件の一翼を担った立場において報道をしていた人物です(参考、太田朝久・三笘義雄共著『有田芳生の偏向報道まっしぐら』賢仁舎刊)。その反対派の人物を、『統一教会の分裂』は「石田謙一郎」と名前を変えて掲載しているのです。これは反対派ジャーナリスト「石井謙一郎」だと分からないようにするための隠蔽工作と言える行為です。

 もっと驚くことは、『統一教会の分裂』の原本の韓国語版の脚注では、日本語版の脚注349の「週刊文春」2011年9月8日号の引用文がすべて削除されています。韓国語版の原本と、日本語訳の『統一教会の分裂』は、脚注の番号がずれており、日本語版の最後の脚注番号が729であるのに対し、韓国語の原本は726になっています。原本と翻訳本の脚注が食い違う書籍は、めったに見られない〝珍本〟です。
 引用元である2011年9月8日号「週刊文春」の記事を読むと、この情報源は「韓国の統一教会関係者」(48ページ)だと書かれており、おそらくUCIの関係者と思われます。これこそ〝虚偽の情報〟を提供したことに対する隠蔽工作であると考えられます。

 結局、2008年12月24日にお父様が亨進様に対し「文顯進を中心に一つになれ」(139ページ)と語られた根拠は、家庭連合に対する反対派ジャーナリストの石井謙一郎氏が書いた記事「これからすべての摂理は、長兄である顯進氏が中心になっていく」を引用したものであり、お父様のみ言ではなく、み言に根拠もありません。

 『統一教会の分裂』135ページでは、2008年12月24日のクリスマスイブの晩餐会で、お父様は「文顯進中心の兄弟間の秩序と摂理の進路を明確にしたという。特に新しい聖殿と祖国光復の意義を強調し、文顯進を中心に左右に文國進と文亨進を立てて、天福宮建設基金2百億ウォンを文顯進-文國進-文亨進の順に下賜しながら、創始者が持っている全てを相続し、世界万民と後世に創始者を代身して分け与えることができる伝統を守る先祖になるよう促した」と述べたとあります。しかし、マルスム選集を見ると、お父様は天福宮建設基金を下賜されながら、次のように語っておられます。

 「兄を中心として(天福宮建設基金を)与えるのです。顯進が真ん中に立ちなさい。國進は左側に立ちなさい。亨進はあなたが全体(新しい聖殿)に責任を持つので右側に立ちなさい」(『マルスム選集』604-200~201。2008年12月24日)

 このように、お父様は亨進様に対し、新しい聖殿建設についてあなたが全体に責任を持つと語られ、「天福宮建設基金」を下賜されたのです。さらに、「新しい聖殿と祖国光復」に対する摂理の進路と兄弟間の秩序については、次のように語っておられます。

 「神様を中心に、その次にアダムを中心に亨進です。亨進は右側に立ちましたが、先生と対称になっており、あなたたち(顯進・國進)はお母様を中心に対称になっていますが、歩く時はどうでしょうか?左足は右腕に合わせ、右足は左腕に合わせるのです。このように歩くのと同じように生きられる新しい目的地を探すためには、このように入れ替わらなければならないのです。新しい聖殿と新しい祖国光復です。祖国光復を成すにおいて聖殿を中心に成すのです」(『マルスム選集』604-202)

 お父様は、亨進様はお父様と対称に、顯進様と國進様はお母様を中心に対称になっていると語っておられます。それは、歩くときの足と腕の関係のように、右足のお父様と左腕の亨進様とが歩調を合わせ、左足のお母様と右腕の顯進様・国進様が歩調を合わせて、新しい目的地を探すために、入れ替わらなければならないと語られ、亨進様をお父様から向かって左側に立たせました。そのように、兄弟間の秩序を明確にしておられます。【図を参照】

 この秩序は、2008年4月6日、第49回「真の父母の日」に、ハワイにおいて「真の母およびアベル・カイン一体化の特別式」を挙行されたときと同じ立ち位置です。すなわち真のお母様を真ん中に顯進様、國進様を両脇に立てられ、互いに手を繋ぐように指示されました。【写真参照】
 お父様はそのハワイの式典で、次のように語られました。

 「あなたたちカインとアベルがお母様の言葉に絶対服従しなければなりません。……あなたたち兄弟同士で争って分かれることはできません。それが父母を殺した元凶です。ですから、我知らず憎みます。声を聞くのも嫌で、歩いていくのを見れば、後ろから付いていって殺したい思いが出てきます。あなたたちに、我知らずそのような思いが出てくるというのです」(「ファミリー」2008年6月号、30ページ)

 このハワイの式典で、お父様が語っておられるように、お母様の言葉に子女(カイン・アベル)である顯進様と國進様が絶対服従し、一体化していくべきなのです。
 2008年12月24日の晩餐会の写真だけを見ると、お父様は「文顯進を中心に左右に文國進と文亨進を立てて、天福宮建設基金2百億ウォンを文顯進-文國進-文亨進の順に下賜」されたので、『統一教会の分裂』が主張するように、まるで「文顯進中心の兄弟間の秩序と摂理の進路を明確にした」ものと勘違いしてしまいます。しかし、お父様は、「亨進はあなたが全体に責任を持つと語っておられ、さらには「亨進は右側に立ちましたが、先生と対称になっており、あなたたち(顯進・國進)はお母様を中心に対称になっています」と語っておられるように、「真の母」を中心に子女(カイン・アベル)である顯進様と國進様が、真のお母様に絶対服従して一体化していくことが、神様の摂理を進めていくための最大のポイントであるのが分かります。
 結局、お父様の願いは顯進様と國進様が、お母様の言葉に絶対服従していくことであったにもかかわらず、そのようにできなかったところに、今日における子女様の問題の原因があったと言わざるを得ません。

 さらに、2008年12月24日、お父様は「祖国光復を成すにおいて聖殿を中心に成す」と語られたように、新しい聖殿である「天福宮建設」の全体に責任を持っておられた亨進様がその当時、家庭連合の世界会長であり、兄弟間においては末っ子でありながらも、全体に責任を持つ兄のような「中心的長子」の立場だったことが分かります。
 お父様は「統一家において長子は誰ですか。……孝進より先生の息子、娘」(マルスム選集133-244)と語っておられ、孝進様がカープ世界会長のときに、お父様は「中心的長子」(『祝福』1985年冬季号37ページ)の責任を果たすよう願っておられました。同様に、その当時、亨進様に対しても「中心的長子」の責任を果たすよう願っておられたのです。

 したがって、2008年12月24日、お父様は「世界会長である文亨進に2008年12月24日、『文顯進を中心に一つになれ』と指示」された事実はなく、これは家庭連合に対する反対派ジャーナリストの石井謙一郎氏が書いた「ねつ造・歪曲」記事からの引用であり、「韓国の統一教会関係者」が提供した〝虚偽の情報〟なのです。
 以上、見てきたように、『統一教会の分裂』は、み言の改竄が散見し、事実に反する虚偽のストーリーで綴られているのです。
 金鍾奭氏は、自らを「歴史に関する研究を続けており、(韓国新宗教歴史研究所と韓国メシヤ運動史研究所)の会員として活動し、韓国新宗教学会と韓国人文社会学会でも活動」している〝宗教学者〟であると述べます。さらに、「事実に基づかない真理は偽り」であると述べています。
 しかし、その書籍の根拠となるお父様のみ言の原典に当たってみると、ことごとくみ言改竄をしている事実が浮き彫りになります。この改竄行為は、もし彼が〝宗教学者〟であると豪語するならば、彼の学者としての品格やモラルを疑わざるを得ません。

 さらに、UCI(いわゆる「郭グループ」)を支持する人々は、金鍾奭著『統一教会の分裂』の虚偽のストーリーを「事実」であり、「真実」であるかのように思い込んでおり、2016年の秋頃から日本で集会を行いながら広めています。
 2010年7月16日、お父様は、故・神山威氏に対して「彼ら(UCI、いわゆる「郭グループ」の人々)のことが、一つ聞いて、二つ聞いて、三つ聞いたら、みんな嘘ばっかり」だと語っておられますが、金鍾奭著『統一教会の分裂』は、嘘で塗り固められた〝虚偽のストーリー〟なのです。何度も言いますが、私たちは、このような〝悪書〟に惑わされてはなりません。

以上